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時間旅行 2007

冨永裕輔
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※試聴版。オリジナル版(02:44)は購入後に視聴可能。

今夜の金曜noteはいただいたリクエストにお応えしてnote限定初配信をお届けしたいと思います。

それは、『時間旅行』という楽曲です。

この楽曲は、既に完売となっている2011年発売の「Natural」というアルバムに収録されているバージョンのみが、今まで世の中に出ていました。
今回もそのバージョンの配信のみを考えていましたが、リクエストいただいたことをきっかけに過去の音源を発掘したところ、なんと2007年にこの楽曲が誕生したときの幻の音源が見つかりました。
これはリリースはもちろん、ラジオなどでも流したことのないとても貴重な音源です。(2020年9月17日Tokyo Star Radio『冨永裕輔 癒しの森 八王子時間』で一部初オンエア)

そして、2016年にリアレンジして歌い直したバージョンとあわせて、今夜3バージョンすべての『時間旅行』を特別配信したいと思います。

ひとつの楽曲でこれだけバージョン違いがあるというのも珍しいことです。三者三様のアレンジャーによるアレンジの違い、歌詞の違い、また年代別のボーカルの味わいも違うと思いますので、聴き比べてお楽しみください。

まずは、2007年最初のバージョンから、時間旅行を始めましょう。

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2007年はプロデビュー元年であり、関東一円のショッピングモールを巡りながらフリーライブに明け暮れた毎日でした。
電子ピアノ、スタンド、衣装、CD、ポスターなどの荷物を抱えながら二時間ほど電車を乗り継ぎ各会場へ。
会場に着いたら、まずはステージ設営から始まります。ステージに使う板をショッピングモールのバックヤードから何往復もして運び込み組み立てます。スピーカーやモニター、PA卓などの音響機材も運び込み、ようやくリハーサルスタートとなります。
そして自らこしらえたステージに立ち1日3回の本番を終えると、今度は設置した機材やステージを解体して再びバックヤードに収納します。
早朝に家を出ますが、ショッピングモールを出るともう日が暮れています。また二時間ほど電車に揺られて帰るプラットホームで、ふと見上げた夕日に癒されるということもよくありました。そのような日々の時間旅行がそのままこの歌詞になっています。

さて、幸いなことに、その後ぼくが歌うライブ会場はショッピングモールから小ホール、中ホール、大ホールへと大きくなっていきました。
もはやステージ設営から行わなくても、ぼくを呼んでくれた主催者、専門の音響会社、そしてお客さんが待っていてくれるステージに立てるようになりました。でもそれを当たり前とは感じず、心の芯から有難さを感じてステージに立ち続けることができたのは、ぼくが下積み時代に心身に刻んでもらったとても大切なことだと思っています。

とは言え、それはもちろん決して簡単な日々ではありませんでした。下積み時代から昨年まで年間の休みは2~3日という日々が10年以上続きました。皮肉なことにコロナ禍によって久しぶりに休みというものを新鮮な気持ちで体感しました。
コロナが良かったとはもちろん思いませんが、自分にとってはこのペースの切り替えが訪れなければ、どこかで取り返しのつかない不調や事故もあり得たかもしれません。
実際に、2019年の暮れには、ライブ会場からライブ会場への移動が続く日々の中で移動中に人知れず怪我を負うことも重なり、2020年も同じペースを続けていたら心身が持たない危機感もありました。

これからは自分のペースを大切に、お受けする仕事は本当に自分を必要としてくれる、自分にしかできない代わりのいない仕事にしぼり、それ以外は自分らしい活動を軸にして、冨永裕輔の世界観をより研ぎ澄ませて、ぼくのその世界観を好きで求めてくれる人達に、益々洗練した作品を届けていきたいと考えています。

話は少し逸れましたが、当時の厳しい下積み時代の経験がぼくを強く育ててくれたのは間違いありません。今でも音楽で生きていける太い幹を育ててくれました。この経験がなくはじめからうまくいっていたら、逆風のときにポキッと折れていたことでしょう。

また、10年以上に渡り限界を越えて常に全力疾走でやれる限りのトライをしてきた自負と達成感があるからこそ、コロナ禍が訪れてすぐに、新しい時代に対応して自分の活動スタイルやペースを躊躇なく変化させることができました。
その新しい活動には既に手応えを得ています。これから時代がどのように変わっても、変わらずにファンの皆様に自分らしい世界を届け続けられるという確信を。

自立した個の時代に、ますます強い“個”性を発信していきます。だれかと比べたり、だれかと競争する必要はありません。そのような時代はもう終わりを告げています。また、無理をして成り立っていたことは、もうそのやり方を変えていかなくてはなりません。

さて、これまでの日々のなかで、苦しいとき悲しいとき孤独なとき、声援や手拍子をぼくのステージに送ってくれたファンの皆様への感謝、ファンの皆様とのそのかけがえのない時間旅行が、この歌に刻まれています。

2007年〜2011年〜2016年、そしてこれからも続くぼくと君の日々へ。
大切な楽曲をお受け取りください。



「時間旅行」

きみと旅をしてきた いくつもの季節を越えて
朝焼けを背に受けて 君と旅に出る

目的地が目的じゃなくて 
きみとともに歩く日々が宝だと気づいた

ラララ… いくつもの出会い別れ時の流れの中
ラララ… 旅はつづく


きみと旅をしてきた いくつもの町を越えて
夕焼け空 影法師 同じ今日はなくて

疲れ果てた夜は 言葉さえもなくし
黙ったまま歩いたね でもきみがいてよかった

ラララ… 歌でしか伝えられない気持ちがある
ラララ… 旅はつづく

朝日の中 夕日の中 一緒に歩いてきた
同じ時間を生きてきた
きみがいるから ぼくがいる

ラララ… 君がいれば悲しみさえも笑える
ラララ… 旅はつづく さあ、いこう

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