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同性パートナーシップのあり方を考える意見交換会・開催報告       (目黒区議会議員たぞえ麻友)



都と目黒区の動き

東京都と目黒区の同性パートナーシップに関する動きは都民ファーストの会目黒区プレス11月号vol.3にてまとめていますので、ぜひお読みください。

今回、同性パートナーシップがより有用なものとなるためにはどうしたらいいのかを中野区議で当事者である議員さんにお話しを伺い、意見交換を行いました。

前提:「同性パートナーシップ宣誓制度」それだけでは有用性が低い。

先ず、パートナーシップ制度がどれほど役に立つのかというお話しから。同性パートナーシップ制度は国が同性婚を法で認めれば必要のない取り組みであり、この制度はあくまでも自治体が同性カップルをパートナーシップ関係にあることの宣誓を認めるに過ぎません。宣誓し認められたからといって婚姻関係と同等に扱われるものではなく、条例において同性パートナーシップ制度で認められたカップルも適用する、と条例改正をしないと認められません。目黒区が今回進めた住宅や職員に関する条例改正を行いましたが、他にも条例改正をしていく必要があります。(束ね法案みたいなことはできないそうです)条例改正をして認められる制度を広げていかないと、ただパートナーシップを宣誓したことが認められたセレモニーで終わってしまいます。

今後のあり方①条例を根拠にした民間への働きかけ

同性カップルの方々から「病院で家族と認められないことで、治療の同意や面会の許可などがされない」ことへの不安や実際に困ったことなどを伺ったことがあります。同性パートナーシップ制度があればこれは解決するのかというと、否です。病院は各病院それぞれの対応があり、行政が何かを強制的に行わせることはできません。この問題点について解決のヒントとしては「中野区人権及び多様性を尊重するまちづくり条例」例の第5条「事業者は、施設、商品及びサービスの提供その他自らの事業を通じて、人権及び多様性の尊重に努めるものとする。2 事業者は、第3条第1項の規定により区が推進する施策に協力するよう努めるものとする。」というところです。目黒区の「目黒区男女が平等に共同参画し性の多様性を尊重する社会づくり条例」第5条にも同じ規定があります。この規定があることで、区が区内事業者に対する働きかけがしやすくなります。協力事業者をまとめたポジティブリストなどの作成などでパートナーシップ制度の適用が広がる可能性があります。また、中野区で同性パートナーシップ制度の適用をしている制度を目黒区でもできないか引き続き調べていきたいと思います。

中野区での対応事例
• 災害時緊急連絡先カードなどに同性のパートナーを指定できる。
• 住み替え支援事業(高齢者者世帯や外国人等と共にLGBTも住まい探しの支援対象)

今後のあり方②LGBTへの理解促進(「LGBT理解増進法」に対する誤解)

意見交換においては、「LGBT理解増進法」についての質問がありました。LGBTの人を特別視したことがない方から、そもそも何でこのように理解増進法というものを制定しなければならないのか?という質問がありました。それに対して、明治時代の日本は西洋の同性愛=悪という考え方が流入し、同性愛が禁止されていたことや、また外国でも現に宗教上禁止されていることがあり、だからこそ「理解を進めていくこと」を法制化することは非常に大事だということです。

また、昨今話題になっているトイレや銭湯の利用について、どうなんだ?という意見もありました。こちらについては、「LGBT理解増進法」があっても心が女性であれば女性用トイレに入っていいというものではなく、また銭湯についても同じです。

今後にむけて

2つの質問と回答をまとめていて思ったのは、同性パートナーシップ制度よりも前にLGBTに対する理解度や見方も人によって大きな差があります。同性パートナーシップ制度は性的マイノリティの方々を支援する施策の中でもごく一部です。もっとLGBTについての理解促進も必要です。目黒区では「LGBTとは?」というテーマで啓発を行っていますが、そもそもLGBTを別くくりにすることで線引きをすることにもなります。もっと理解が進み、それぞれが自分のSOGI※があるということを認識してもらい、区別・差別をなくしていきたいです。

SOGI:Sexual Orientation and Gender Identityの頭文字。性的指向(好きになる性)/性自認(自分の心の性)のことで、人それぞれのSOGIがある。

文責 目黒区議会議員 たぞえ麻友

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