"ちょうどよい"鍼の刺激量は?医師×鍼灸師が解説!
はじめまして。鍼灸師の野瀬です。
〈医師×鍼灸師の未病ケア〉noteの第1回として、今日は患者さんからのよくある質問にお答えします。
「鍼灸治療を受けてみたけれど、効果がイマイチわからない」「鍼をしてもらったら帰宅後だるくなってしまって心配」「毎回鍼の刺激が強くて、その後に痛みが続く期間が長くなってきた…」
そんな経験はありませんか?
鍼灸治療を初めて受けられる方は、だるさや眠気が出る場合があります。
また「直後はなんともなかったけれど数時間経ったら筋肉痛のような痛みが出た」と言われる方がごく稀にいらっしゃいますが、この痛みが出たというのは、刺激量が多すぎたのかもしれません。
鍼灸治療に何度か通うと、鍼灸を受けると体にどんな変化が出て、どのような経過を辿るのかがわかってきます。
例えば治療後はだるさが出るけれど、その日一日ゆっくり過ごしていれば、翌日にはだるさも困っていた症状も楽になっているというのであれば、それは刺激量が合っているということになります。
もし治療後に痛みが出たとしても翌日には痛みは消え、さらに困っている症状が治っているのであれば、ちょうど良い刺激だったと考えられます。
鍼を受けた後に体に起きる変化は人それぞれですが、中には不快に感じる方もいらっしゃいます。
治療後はリラックスして過ごしていただくことが大事ですので、不安なことはその都度、施術者に確認できると良いでしょう。
鍼灸治療が心身にもたらす変化については、また次の機会にお話ししようと思います。
この記事を書いた人
【Profile】野瀬 由圭里
鍼灸師歴15年。大学病院の鍼灸外来で勤務しながら、2020年に三重県松阪市で自身の治療院を開業。女性特有のお悩みのほか、標準治療と併用した鍼灸治療を特に得意としている。
〈監修医師コメント〉
厚生労働省は ”一般的に「好転反応」と呼ばれるような、体調が良くなる過程で不調の症状が出たり、体調がより悪くなったりする現象は、科学的には存在しません。” と警告しています。
ただ、東洋医学ではこのような反応は古くから知られており、「瞑眩(めんげん)」と呼ばれてきました。
数少ないですが、医学部教育などで使われる漢方医学の専門書にも若干の記載があります。
鍼灸治療を受けることで実際に血流が良くなったり、副交感神経が優位になることで身体が排出モードに切り替わったりすると、何らかの変化を感じることは想像できますが、「瞑眩」は、ごく稀に起こるもっと強い反応に対して使われていた言葉のようです。
私も患者さんに鍼灸治療を勧めたり、通われている鍼灸院の話を聞いたり、自ら鍼灸治療を行うことがありますが、患者さんが不安になるほどの「好転反応」はそんなに頻繁に起きる反応ではない、という印象があります。
とくに大事なポイントとして「有害事象」(きわめて稀ですが鍼灸治療により神経・血管・臓器損傷や感染症などが起こることがあります)と「好転反応」と言われるものを区別するのは困難であることが多いため、施術後一日以上続く違和感があれば早めに施術を受けた鍼灸院またはかかりつけ医師などに相談することをおすすめします。
不必要に深刺しすぎたり思わぬ事故によって鍼が折れたりといった施術者側の要因だけでなく、実は金属アレルギーがあったり、痛みに敏感であったりなど、患者さん側の体質によっても不快な症状が起きることはあります。
施術中に違和感を感じた際も無理をせず、早めに施術者に声をかけるようにしてくださいね。
さいごに
記事を書いた医師と鍼灸師の二人で経営する「メディカルサロン Freesia」では、お悩みに合わせた鍼灸治療やリラクゼーション手技に加えて、医療・栄養関連の相談や、医療機関専用サプリメントの取り扱いも行っています。
気になることがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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