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「m/lue. - hibi」 制作感想文

2020年10月12日 、m/lue.さんの5曲入りEP "hibi" がリリース!

m/lue.による二度目のリリースである本作品「hibi」は、2020年4月から9月にかけて制作された。他人との移り変わる関係性をテーマに、けだるさと充実を往来するような想いを表現した計5曲。編曲・ミックスをTomgggが担当。アートワークは安田和弘による写真作品。

日常に寄り添える音楽になるといいなと思っています。

m/lue. - hibiについて

作曲・作詞、ボーカル・ギターはm/lue.さん、編曲・ミックスは自分Tomggg。

空気感をたっぷり含んだ歌と、日々見過ごしてしまいそうな音を音楽にして封じ込められた…と思っている。アレンジは思いついた音やフレーズをどんどん打ち込んだりRECして、それらを整理したりそのままにしたりしながら作っていった。シェイカーが家に増えた。

リリースはMaltine Recordsのトマドが新しく作ったレーベル"SOLANO"から。個人的に「えっ意外!」って思ったんだけど、このレーベルの名前の意味はスペインに吹く風を意味するらしい。ここ3,4年前くらいから風通しの良いサウンドやミックスについて考えていたので、ぴったりなレーベルの1発めのリリースに関わることが出来て嬉しい。ぜひ新鮮な風を吹かせてくれ。

4月から制作スタートして音源が完成した9月までm/lue.さんとは電話のみのやりとりで一度も会うことはなかった。少なからずCOVID-19は創作に影響していると思う。お互いの近況報告が「基本家に居ます」だったし。だけど蟄居生活や街の様子、日常、風景、他人との距離感が移り変わっていくのが音楽に現れていると思う。「太陽ってすごいね。」それは本当にそう。

制作うろおぼえ

3月末、別件の打ち合わせのあとトマドから「このm/lue.って人と一緒に音楽作りませんか?」と話をもらう。いいね、やろう。はじめまして、よろしくね。と制作へ進んでいく。

4月に入ってからオンライン配信やオンライン飲み会が台頭してきて眼精疲労だったり眠りが浅くなったり、無観客配信イベントに出演して楽しいのだがお客さんの反応が見えないまま自分の身を擦り下ろして提供している感じがしたり、今思えばモヤモヤしていた時期だった。だけどこの時作り始めたm/lue.さんの歌とギターは居心地が良くて、ふわふわと、うとうととしながらアレンジを作っていった。いいぞ...これは...。箱庭療法ってやつなのか?

m/lue.さんがiPhoneはGarageBandで制作したプロジェクトデータをもらい、自分のLogic ProXで開いてそのまま制作していくというスタイル。m/lue.さんがやりたいであろう音像感のパラメータとかにアクセス出来るのでやりやすかった。iPhoneで作られた&録られた素材(主にボーカルやギター)がそのまま使われているので、無菌室的なスタジオ録りよりも当時の空気感が封じ込められていると思う。

自分の音作りとしてはベースミュージック作るときもリミックス作るときも変わらず、いつも使うサンプラーやシンセを使う。心持ちリラックスして、ビートに生音が多いかなという感じ。シェイカーやクラップは部屋の音をまるごと録らないとそれらしくならないのでコンセプトと合っている気がする。あとOutputのPortalを使ってぷちぷちしたノイズを作るのが楽しかったな。小さな音を大切にしたい。

4月から9月、1ヶ月に1曲のゆったりとしたペースで5曲のアレンジを作って、ミックス、マスタリングまで行った。個人的に仕事とは関係ない音楽をクオリティを高めながら作った時ってなんらかのブレイクスルーがあるのだけど、今作もブレイクスルーがあった。説明が難しいけどプラグインまわりの解像度が上がって、そして機材それぞれの音楽性というか性格が見えてきた気がする。ハードウェアって楽しいね...。

m/lue.さんのこと

m/lue.さんは"ミリュー"って読むよ


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Photo : ©︎Kazuhiro Yasuda


新レーベルもチェックしよう

ぜひ聴いてください。またね。


ボーカル/ギターの音作りで大活躍したもの

iZotope RX7(耳障りなノイズだけが消える謎の技術)

Waves PuigtecEQP-1A(ローを5上げて、ローを5下げるとなぜか音が太くなる。pultec系は様々なメーカーがプラグイン、ハード問わず出してる)

pulsar Mu(音がもちもちになる、いつか実機を...)

FMR Audio RNLA 500(レベラー。色がつきつつ、これ以降の処理がしやすくなる)

elysia Xpressor 500 (ステレオコンプ。コーラスが立体的になった、最高)

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