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大きな会場である。 新商品の展示会であろうか。 コンパニオンが笑顔で説明している。 「食べ…
住所のメモだけが頼りだった。 地図はなく、電話番号もわからない。 もっとも、住所だけで十…
海岸なのに海は見えないのだった。 大男が大きなオートバイに乗り 砂浜を颯爽と横切ろうと…
夕闇の荒野をひとり くたびれた旅入が歩いていた。 遠く人家の灯りが見える。 頼めば泊めて…
水槽の中、尾びれを振って泳いでいる。 エラ呼吸なんかして、ほとんど魚だ。 水槽の外では好…
客と商談中なのであった。 なかなかスムーズに進行していた。 ところが、ふと私は気づく。 客…
灰色の霧に包まれ、街は暗く淀んでいる。 霧は建物にまとわりつき、窓を舐め、壁を濡らす。 霧は生き物のように屋内にも侵入する。 階段の手すりに絡み、いやらしく床を這う。 霧の街を手探りで進んでいた男が崖から落ちた。 霧の底へ底へ落ちながら叫ぶ男の声がする。 「嘘だ! この街に崖はない」 死んだはずの男に霧の街で出会った女もいた。 霧の奥へ奥へ逃げながら叫ぶ女の声がする。 「嘘よ! 突き落としたはずなのに」 The City in Mist In the gray
学校での泊まり込み合宿の初日、 さっそく部員全員で徒競走をするという。 坂道の多いコース…
乳離れしたばかりの幼女を飼う。 ペットである。 ただもう可愛がりたいから飼うのだ。 法律…
ひとり、部屋の床に座っている。 開いた窓から空と建物の屋根が見える。 突然、部屋が回転を…
ひなびた山奥で ひとり笛を吹いていた。 鳥のさえずりに調子を合わせ そよ風のささやきに…
荒れ果てた岩だらけの大峡谷。 たまに大小の岩が転がり落ちてくる。 一列に並んで転がってき…
月夜なのに、どこにも月は見えない。 今晩、どこやら秘密の場所で なにやら秘密の集会があ…
野生の獣たちの話をしよう。 一頭の野生の雄のヒョウがいた。 こいつが子連れの雌のヒョウに近づいた。 そして、しきりに挑発した。 ところが、雌ヒョウは乗ってこない。 母親としての自覚があるから。 そこで雄のヒョウは雌ヒョウの子を殺した。 愛くるしいばかりのヒョウの子を。 さらにそれを食べてしまった。 ひどく空腹でもあったから。 すると雌ヒョウは母親でなくなった。 ただの雌に戻ってしまった。 すぐに発情し、交尾した。 我が子を殺したそのヒョウと。 我が子を食べたそ