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箱夢の詩集 第四集

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詩のようなもの
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【詩】乙女の落ちる

落葉よ 落葉   踏まれて つぶれて    土のよう   誰が踏んだ    みんなが踏んだ…

Tome館長
8時間前
4

【詩】喪服

皆は僕に喪服を着せた。 そのまま僕は家を出た。 僕は外で待っていた。 日が暮れても待ってい…

Tome館長
4日前
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【詩】ケーキ

あさ ケーキをたべた   なまクリームのうえにひとつ    やわらかそうなかのじょのみみ…

Tome館長
10日前
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【怪談】呪われた古城

ここは呪われた古城。 忌まわしき運命の吹きだまり。 床も壁も天井も すべて血塗られている。…

Tome館長
12日前
15

【詩】千匹の虫

千匹の虫が這う 僕のカラダ   ケムシ ウジムシ ダンゴムシ    ムカデ ゲジゲジ ゴ…

Tome館長
2週間前
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【短歌】うたかた

うたかたの 淡き恋なら 言の葉の 針でつついて 割れてしまえと   Like a Foam If it is a…

Tome館長
2週間前
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【独白】行くところがない

ホント どこへも行くところがない。 森はとんでもないところだし  かと言って、池や沼では いくらなんでもあんまりだ。 海にも山にも飽き飽きで バスも電車も乗る気になれない。 砂漠やジャングル、こりごりで 隣町さえ蜃気楼。 よその星は遠くて億劫。 せいぜい近所の公園でも 散歩するだけ。 恋人いないし  友だちは仕事と家庭で忙しい。 遊べない友だちなんか もう友だちじゃない。 退屈のあまり、居眠りすれば 暗い顔の少年、放火する。 メラメラ メラメラ 炎に囲ま

【語り】だまされている

君たちはだまされている。 こう言われて君は、そうだろうか と思ったのではないかな。 ある…

Tome館長
2か月前
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【詩】ほんの少し前へ

少し 少し   ほんの少し    少しずつ 少しずつ   ほんの少しずつ    ほんの少しで…

Tome館長
2か月前
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【歌】信玄の歌

赤いちょうちん 紺のれん  いらしゃいの声聞けば  ここは地鶏屋 信玄よ  焼き鳥 つくね…

Tome館長
2か月前
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【詩】しずくの音

眠れない夜 ポタポタポタと しずくが落ちる。 ふと大切なこと 思い出せそうな気がして 言葉…

Tome館長
3か月前
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【独白】明日は晴れる

  てるてる坊主 晴れ祈願として 軒先に下げる、あれ。 首吊りにしか見えないんですけど。 …

Tome館長
3か月前
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【独白】ポリ袋

僕は そっちへなんか 行きたく ないんだけど 風小僧が手招きしたり 風娘が背中を押したり …

Tome館長
4か月前
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【詩】黒い機関車

黒煙をモクモクと吐きながら 真っ黒な機関車が迫りくる。 線路はまっすぐ 私の胸へと続いている。 そうなのだ。 私の胸には大きな穴があいている。 大きくて暗くて深くて どうしようもない。 ああ、本当にもう どうしようもない。 列車の振動で頭が痛い。 線路の枕木では眠れそうにない。 鋭い警笛が鳴る。 見上げれば青い空。 今、黒い機関車が トンネルの穴に突き刺さる。 深くて暗い穴の奥に 列車は飲み込まれてしまう。 その後の黒い機関車の行方を 私は知らない。 トン