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「Suno AI」をいじってみた感想

今更だが、今朝急に思い立って「Suno AI」をいじってみた。

私はどちらかと言うとアナログ、アナクロが好きな方の人間で、ぶっちゃけAI音楽にはそれほど興味は抱いておらず、各種生成AIも知ってはいるが触ったことが無いという状態であった。
今回Suno AIに手を出したのも全くの気まぐれである。

さて、実際にいじってみた感想としては「ファストフード」という感じである。
もう少し噛み砕いて言うと「高級品には及ばないものの、コストパフォーマンスが異様に高い」という印象である。

現状では人間がしっかり作った音源、すなわち高級品には及ばない(良いヘッドフォンで聴く宇多田ヒカルとは比べ物にもならん)。細かい音は入っておらず、空間の広がりも今一つという感じ。音の分離感も良くはない。どことなく2歩、3歩及ばない。何曲か聴いたが「グッ」と感動するようなことは無かった。
しかしながら、ものの数十秒でこれほどのクオリティの楽曲が作れるのは驚愕としか言いようがない。

BGMのような「鳴っていればいい音楽」、「70~80点でいい音楽」を求めている場合、現時点ですでにAIで十分というレベルに達している。
しかもまだまだ伸びしろがある状態にもかかわらずこのレベルなのである。将来的には高級品にも匹敵するクオリティになると考えて良いだろう。

『「AIに仕事を奪われた絵師」な訳だが』という記事で有名な走り書き氏も同じようなことを語っていたが、私もAIは寧ろセミプロへの影響が大きいように思う。
先ほど将来的には高級品にも匹敵するクオリティになると書いたが、逆に言うと匹敵はしても凌駕はしないと考えている。音楽は明確に点数が付いたり良し悪しが定量化できるものではないからである。
また、AIは生産性の高さが特徴の1つだが、高級品の場合、むしろ寡作な方が有難みが出るフシもあり、AIの強みが生かしにくい側面もある。トッププロにはそこまでAIの影響は出ないのではないだろうか。
逆に裏方的にBGMなどを制作しているセミプロにとってはAIの生産性とクオリティはかなり大きい問題であろう。

考えてみれば、昔から芸術で食っていけたのは相当少数の人物だけだったと思われる。1980-2020年くらいの間がボーナスタイムで、今もまだボーナスタイムかもしれないが、AIの登場で雲行きが怪しくなってきている、という状況になったのであろう。

さて、この度Suno AIをいじってみたわけだが、思ったより速く、クオリティが高いものが出てきたため驚いた。
ファストフードと書いたが、もっと言うと「初めて見たファストフード」という感じであった。
正直今後どうなっていくのか興味が高まった。さらなる進化を見届けたいものである。

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