ピントを手放したい日
自分は普段、ピント至上主義で写真を撮っている。(写真やってる人は大体そうだと思う)
意図した場所にピントが合って写真の隅々まで綺麗に写っている事が写真の前提。そのために何十万円もの機材を用意する。せっかく撮ってもピントが合っていない写真はすぐに削除する。
そんな価値観で写真を撮り続ける事をたまに窮屈に思う。ピントを手放してしまいたくなる日がある。
トイカメラのレンズを使う
数年前、ロモグラフィーのDiana F+レンズをキヤノンのEOSに付けられるようにマウントアダプターを作った。3Dプリンタ製。
所謂トイカメラのレンズ。当然ピントはどこに合っているのかイマイチ分からず、写真は全体的にソフトフォーカス。でも撮れた写真に"綺麗さ"だけが写っているように感じる瞬間がある。
"綺麗さ"だけを掠め撮る
十数万円する重いレンズを外して、この数千円のトイカメラレンズに付け替える。町に散りばめられた"綺麗さ"を撮りに出かける。構図の綺麗さ、色の綺麗さ、陰影の綺麗さ、被写体の綺麗さ。表面的な綺麗さだけを掠め撮ってまわる。
なんだか印象だけを写してるみたいだと、撮れた写真を見ながら思う。
写真表現とか、撮影意図とか、そんなものは気にせず撮っていく。町の中に"綺麗さ"を見つけたら次の瞬間に撮る。
真面目に写真をやってる人に知られたら怒られそうでちょっと後ろめたい。(普段は自分もそちら側なのだけど・・・)
そうやって集めた後ろめたい綺麗な写真たち。宝箱に仕舞うように現像していき、ひとりで眺める。写真なんてこれくらいでも楽しいよ、と自分に教えるように。
そして次の週末には重くて高い機材に持ち替えて、キッチリした写真を撮りにまた出掛けていく。
Diana F+レンズ用 EOSマウントアダプター解説
実はEOS用のダイアナレンズマウントアダプターは市販されていた。(今は絶版ぽい)
既製品と同じものを作っても仕方ないので、もう少し工夫して3Dデータを作った。Diana F+は晴れ用と曇り用に絞りが2つ用意されている。市販のマウントアダプターだとこの絞りの切り替えがない。そこで大きさの違う2つの穴が空いたプレートを差し込む形で絞りを変えられるようにした。
晴れと曇りのアイコンも自分でデザインして、光量に合わせてプレートを差し込むと絞りが変化する。我ながら賢い!
わりとデザインも気に入ってる。
これで撮った写真をあげるインスタアカウントをだいぶ前に作った。たまにしか持ち出さないレンズだから投稿頻度は低めだけど。
https://www.instagram.com/tomtomtomomon545/
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