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後世への最大遺物〜令和Ver〜

こんばんは。
妻の祖母に買ってもらったパキラちゃんの容態が悪く、やることなすことすべて裏目で、どんどん弱っていくことに悲しみを抱いています。どうすればいいんだー!?

さて、新型コロナウイルスの猛威に日本中、いや世界全体が揺れ動いている今日この頃ですが、こんな時代だからこそ心に突き刺さる本を最近読んだので、紹介させてください。

それは、内村鑑三の『後世への最大遺物』という本です。実際には書かれたものではなく、明治27年夏季学校での講演において内村鑑三が話した内容をまとめたものです。

内村鑑三がどういう人なのかは、ここでは説明しません。(ググってみてください)

この本の内容を簡単に紹介しますと、タイトル通り、「後世に遺せる1番良いものは何か」について話されています。

後世に遺せる良いものとして、はじめに『お金』や『事業』が挙げられるのですが、これらは才能や地位が必要になるものなので、万人には難しいとされています。

そして3つ目として、『思想』が挙げられます。『思想』とは、ここでは著述を残したり学生を教えたりすることです。

教師として働く僕は、まずここですごく胸を突かれるのですが、「先生になる人は学問ができるよりも、学問を青年に伝えることができる人でなければならない」さらに、「大学を出て単位さえ取ればなれるものと考えてはならない」と語ってるんです。

普通のことを言っているようで、深いと思いませんか?深いイイってやつです。学問ができて知識があるにこしたことはないんですが、重要なのはそれを子どもに的確に伝えることができるか、なんです。

『伝える』っていうのはホントに難しいことで、自分の頭の中では完璧に理解できていたとしても、それを言語化してわかりやすく伝えることは、ホントに難しいことだと思います。

僕たちで言えば、「教員採用試験に合格してゴール」ではなく、「合格して教師になってからがスタートで、日々様々なことを学び、習得する努力を怠ってはならないということを改めて感じさせられました。

少し話が逸れましたが、要は『伝える技術』が大切になってくるので、『思想』もそう簡単に誰にでも遺せるものではないと、内村鑑三も考えていたんです。

では、後世に遺せる最大の遺物な何なのか?
それは、「勇ましい高尚なる生涯」です。

「勇ましい高尚なる生涯」とはどういうものなのかについては、いろいろ語られているんですが、僕が1番印象に残った所を紹介しますね。

それが「樹木のように成長する」ということです。樹木の成長といえば、種があり、芽が出て、木となり、枝に分かれて、蕾がつき、葉や花が咲くということです。

ここもとても深イイと思うんですが、この言葉の意味は2つ考えられると思います。

1つ目は『自分視点』で、「種で終わるのではなく、どんな木や花が咲くかはわからないが、可能性のある限り成長しよう」という意味と僕は捉えました。

2つ目は『他者視点』になります。樹木自身は自分ではどのくらい大きくなったのか、どんな綺麗な花が咲いているのかを見ることはできません。樹木の成長や真価を知ることができるのは、それを『見た人』になります。

要は、樹木のように、どんな形・色であれ可能性のある限り成長を続けていれば、何年か先か、死んでからになるかもしれないけど、その人生を見た人、知った人への最高の遺物になるということです。

現代風に言うと、「周りを気にせず今をしっかり生きろ!結果や評価は後からついてくる!」みたいなとこでしょうか。

他には、「今の時代(ここでは明治時代ですが)はLifeが欠如している」と語っています。

ここでいうLifeとは生命という意味もあるんでしょうが、それよりもLife=『人間が築き上げる様々な関係、人の心とのつながり』という意味合いの方が強いと思います。

「目の前で困っている人がいたら、手を差し伸べないのか?そうじゃないだろ?」という問いかけで、

「利害関係ばかりを追い求めるんじゃなく、目に見えない人とのつながりを大切にしなさい」と僕たちを諭しています。

これは現代にも通じる話だと思います。西野亮廣さんも最近は、「コロナは人間に『つながり』を強くしろという課題を投げかけているんじゃないか」という話をよくされています。

昔から『つながり』は日本では欠如していて、少数の人しかその大切さに気づいてなかったのかもしれないですね。

そして最後にはこのような言葉を引用して語ります。
「他の人が行くことを嫌うところへ行け」
「他の人が嫌がることをなせ」

ホントに明治時代に語られたものなのか?と思うくらい、今の時代に合った考え方ですよね。

これも西野亮廣さんがよく言う、「レッドオーシャンじゃなく、ブルーオーシャンへ行け!」と似た考えだと思います。

とくに日本人は、人と同じことをやりたがる(〇〇ブームとか、行列があれば行ってみたくなる的な)習性が強いと思いますが、それが逆にチャンスになるってことです。

人がやっていない、目をつけていないことにビジネスチャンスがあり、成功への手がかりになるんですね、きっと。

とまあ、いろいろと書いてきましたが、まとめると『後世への最大の遺物』は『1人ひとりの生き様』ってことです。

「自分を成長させ、人とのつながりを大切にして、他の人がまだやっていないことを探せ!」

今の時代に求められている生き方じゃないですか?





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