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音と私

音は物理現象である。音に「違い」はある。でも「優劣」はない。そこに「感情」もない。

音楽は音の並びだから、音楽そのものにも「違い」はあっても「優劣」はないし、音楽そのものは感情をもたない。

ではわたしたちが音から、音楽から受ける「感動」はどこからくるのか。

「聴くものの記憶、わたしたちの中」から。

音楽を聴くことで私たちの中に想起されるさまざまなものごとは、音楽が今初めて、その日その場所で突然与えてくるものではない。 音楽が、私たちの記憶の中のなにかしら、どこかしらを刺激して、その結果、自分の感情が溢れ出す。 過去の想い、記憶にしまわれていたさまざまな事象が、その時そのままの大きさで蘇る。

よりよく、幸せに音楽を聴くためには、その前にさまざまな感情のストックが欠かせない。幸せに聴き続けるために、わたしは常に感情を揺らし、それを記憶し続ける必要がある。