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日本の東京でJAZZを聴くということ -14

「ライブのチケット代ってすごい高いと思うかもしれないけど、それがひとつのステータスっていうか、それが苦もなく払えるひとだけ来ればいいっていうことなんだよね」

じゃあ絶対行かないよ、って当時のわたしは思いましたよ。

人気のJAZZ漫画タイトルを冠したライブが開催されます。オラクルが素晴らしいメンバーで来日するのでそれはそれは聴きたいのですが、ライブチケットの価格がとんでもない金額で驚いています。 オラクル以外にも追加出演がある? オーディション中?の2国内アーティストグループへのヘルプ込み? 3日の通し価格? 先日発表になった東京JAZZと張るすごい価格設定にとにかくモヤモヤしています。

会場は日本最高峰と当該漫画にもso blueとして描かれている青山の名店。 素晴らしい場所です。わたしもここで忘れられないライブをたくさん聴いてきました。大好きです。 大好き、なんだけど、ここでライブ聴くにはそれ相応の出費に腹をくくる必要があります。はっきり数字を言ってしまうとひとりチケット代プラス2,000円が最低線、常連のお客様はたぶん5,000円くらいonしてるはず。(体感)

さてそうなると、冒頭の発言が思われるわけです。払えるひとが来ればいい、払えない人は来るな。わたしの音楽の世界での大先輩がJAZZレジェンド来日公演を語られた際高額なチケット代に言及された上の言葉が、人気の漫画からJAZZ聴きにいってみようか?って興味を持ったお客さま候補のひとたちの前に立ちはだかります。考えてもみてください、初めてちょっと背伸びしてライブふたりで聴いてみようかな、って思ったら3万円かかる、って言われたら、、

JAZZライブ会場に若いひとが少ないのって、音楽の特性(長い、わかりづらい、古い←私の意見ではありません)で語られること多いですが、常々わたし思ってるのです、、単純にまずチケット高い… 知らないものに初めて払える値段じゃない…

昨年東京猫町倶楽部でJAZZをタイトルにした会があり、参加者の方々といろいろお話ししたのですが、みなさんJAZZをこれまでほとんど意識して聴いていないけれど、興味もこれから聴きたい気持ちも満々だったのに驚きました。 みんな、ちゃんと聴きに行きたい気持ちはあって、でもどこから入っていいか知らなくて、初めてのことだからやっぱりお財布とかも気になって。

こんなにたくさんいる、たぶんJAZZ聴きはじめたらきっとすごく好きになってくれるだろうひとたちを、このイベントは入り口ではじいちゃってないかな。 はじいてるんだろうな。 でも、素晴らしいライブ会場の客席に座ってるのはお金持ちの年配のお客さまばっかり、JAZZ聴いて何十年っていうプロばっかり、って構図、なんかいけてない…

初めてのひとのために、御茶ノ水とか各地の街でJAZZフェスやってるじゃない? …ちがう、入り口だからこそ、初めてだからこそ、圧倒的に素晴らしいものを聴いてもらって、すごく好きになってもらうべきなのではないの?

いちど好き、ってわかれば、youtubeも配信も、JAZZと仲良くなるための良質で廉価な手段はいくらでもあるすごい時代。 今回取り上げたライブ、企画自体はとてもいいのにああまたこんな残念な…という思いで思わず長く書いてしまいました。 JAZZライブの客席に若いひとがいない問題、またいつか触れるかもしれません。

#コラム #ライブ #音楽 #JAZZ #JAZZLIVE