『Zombie Army 4:Dead War』をレビューしつつ、『World War Z』と比較してみた。


ゲームジャンルとして、ゾンビ×シューティングは大好物である。2019年9月26日に発売された『World War Z』(『WWZ』Ver:1.08)と、2020年4月23日に発売された『Zombie Army 4:Dead War』(『ZA4』Ver:1.07)を様々な角度から比較してみたい。なお、画像はすべて『ZA4』である。


◆ゾンビの違い 多種か多量か

『ZA4』のゾンビは、昔のゾンビらしく(?)ゆっくりとしたスピードでプレイヤーに迫ってくる。メイン武器がライフルなので、しっかりと足を止めた銃撃が可能だ。スコアに命中率も表示されるので、腰だめ撃ちよりもしっかり構えてヘッドショットをしたほうが良さそうだ。

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一方『WWZ』は、とにかく圧倒的な物量のゾンビが比較的速いスピードで迫ってくる。ただ、一体一体は柔らかいので、銃弾をバラまくような感じで対処することになる。

特殊ゾンビにも言及すると、『ZA4』では硬めの装甲をまとったゾンビや、火炎放射器やマシンガンを放ち耐久力が高いゾンビなど、いやらしい攻撃をしかけてくるゾンビが多い。

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『WWZ』では、味方に助けてもらえない限り操作不能になってしまうゾンビなどがいるが、こちらは音などで事前に察知できるので冷静に見極めたい。


◆武器の種類と強化 クリアして稼ぐか、隠し要素を見つけるか

武器の種類としては『WWZ』のほうが豊富だ。セミオートやフルオートの銃から、クロスボウやグレネードランチャーのようなエイム力がそこまで必要がない武器もある。

一方、『ZA4』は『スナイパーエリート』の派生作品だけあって、ライフルとピストルは3種類存在している。またサブウェポンはサブマシンガンやショットガンなどがそれぞれ1、2種類しかない。あくまでメイン武器はライフルなのだ。

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武器強化については、『WWZ』は武器レベルに応じ、ポイントを消費することでダメージ値や操作性などがあがっていく。そして『ZA4』は、プレイヤーレベルを上げたうえでプレイ中に手に入る「パワーアップ用キット」を消費することで、ダメージや装弾数などが強化できるシステムだ。

『WWZ』はスキル強化も武器強化も共通のポイントを使用するので、結構かつかつになる。『ZA4』はマップに隠されている「パワーアップ用キット」を見つけなければならず、どちらもやればやるほど少しずつ武器が強化されていく。


◆スキルツリー、レベルアップ ロールプレイか自由度か

『WWZ』は6種類のクラスにそれぞれ固有のスキルツリーがあり、クラスのレベル毎に開放されていくのに対し、『ZA4』はプレイヤーレベルによってスキルが開放されていき、最大5つのスキルが付け替え可能だ。どちらも、全スキル開放をするためのやりこみ要素は高い。

さらに『ZA4』は近接攻撃のレベルアップやフィールドアイテムにもスキルが設定できる他、トラップ範囲が広いが銃撃に弱いなどの各種異なった特徴を持ったキャラクターが4人いるので、組み合わせだけで言えばかなり自由度が高い。

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ある程度設定されたロールプレイを楽しむ『WWZ』に対し、『ZA4』は自分で自由にスキルビルドをして個性を出していくという具合だ。


◆難易度 高難易度か遊びやすさか

『WWZ』は、ステージ選択前に「イージー」から「エクストリーム」の5種類が選べる。2番目に簡単な難易度「ノーマル」でも油断しているとあっさりと全滅するし、どの難易度でもフレンドリーファイヤーが存在しているので各プレイヤーの立ち位置も重要だ。

『ZA4』はキャンペーンモードでもホードモードでも「イージー」「ノーマル」「ハード」の3種類が存在。キャンペーンモードの各チャプター内にはチェックポイントが設定されており、途中でゲームオーバーになってもそこからリスタート出来るので、キャンペーンモードをクリアするだけなら、そこまで難しくないように思える。

つまり単純な難易度だけならば、『ZA4』のほうが簡単に感じる。ゾンビを倒していくとスキルゲージが溜まっていき、満タンになった状態でゾンビに近づき☓ボタンを押すとテイクダウンが発生。このテイクダウンによって少し体力が回復するし、「ホードモード」であれば、各ウェーブが終了するごとに体力が全回復する。


◆結論 どっちも面白い!

ざっくり言うと、攻撃を楽しみたいなら『ZA4』、防衛を楽しみたいなら『WWZ』だ。つまり「どっちも違うベクトルで面白い」という感想になる。

また、一体ずつ丁寧にゾンビを銃撃していく気持ちよさなら『ZA4』だし、押し寄せる大量のゾンビをどうにか処理し、共闘感や達成感を楽しみたいなら『WWZ』だ。

ちなみに銃撃の爽快感としては『ZA4』が勝る。ゾンビの動きが遅く、スコープのおかげでヘッドショットがとにかくやりやすい。また「神化」と呼ばれる銃のチャージによって発射される特殊弾丸によって爆発などの効果が発生し、威力が強くなるのも面白い。

なお『ZA4』では、稀に銃撃されたゾンビの骨が砕ける演出が入るときもある。人によってはゾンビ以上にグロテスクに感じる人もいるかもしれないが、この演出はオフにすることも出来る。

こっちのほうが面白いという対立した煽り合いではなく、どっちも買ってサクっとプレイできる共闘ゾンビシューティングとして純粋に討伐を楽しめばいいのだ。


◆おまけ ゾンビ×シューティングと言えば……

『Call of Duty:Black Ops』シリーズでおなじみのゾンビモードは、シリーズを重ねていくごとに、ゲーム中のギミック・謎解きに重きを置くようになった。そのシステムのせいで、かつてのゾンビを銃で討伐していくという単純な面白さは失いつつあるように思える。

「BO2」にあったマップとギミックがちょうどよく、いつか発売されるであろう「BO5」では、ゾンビモードももっとサクっとプレイできる脱出型か原点回帰してほしい。そして元祖ゾンビ×シューティングとも言える『Left 4 Dead』の「3」は出ないのだろうか。

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