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3人家族1LDKの舟

1LDK、3万円のお家をお借りして住んでいます。
3人家族。
しかも、朝と夜は自宅、
昼間はそのスペース全てが療術院です。
いや、よくやってるー。

9LDKから勢いで引っ越してきたので、
最初は、どうなることかと思ってた。

でも、この小さなお家に暮らしてみて、
本当に良かったと思う。

それは、わたしたち3人が、
やっと同じ船に収まれた感じがすること。

これまでもそうだったんだと思うけれど、
1LDKとなると、
それぞれのプライベートスペースがなく、
逃げ場がないー。

しっかりコミュニケーションを取って
仲良くしていないと、
お互いに影響がありすぎて、
やりづらいやら息苦しいやら。

ほんの3人きりのことだけど、
こまめに家族の様子を観察したり、
バランスを微調整し続けることが
ごくごくふつうになってくると、
いろんなことが、
ものすごーく楽チンで、
これまで感じたことのないくらいの安心感を、
ふっと得ていることに気が付いた。
少なくとも、この小さな家の中でだけは。

世間にあるデータでは、
幸福度をより多く感じている県は、
広い家に暮らしている人の割合が多くて、
ゆったりした空間で暮らしている
という情報もあるんですけど。
たぶん大家族でね。

この3人1LDK暮らし。
朝、子どもを送り出してから、
一気に片付けと大掃除をして、
自宅から院に切り替える。

1日、4人~5組くらいのお客様が、
週に4~5日、
朝10時半~5時くらいまで、
入れ替わり立ち代わり来てくだっていて、
その1LDKの空間で、
私も仕事をしたり、
家事はしづらいけどしたり、
一緒に過ごすことが多いのだけど、
それもどんどん楽しくなってきた。

もう何年も通ってくださっていたお客さまとも
わたしのほうは、この家に移って初めて、
どっぷり話す機会があって、
新しい刺激になったり、

夫のおかげで、
わたしひとりが普通に暮らしていては
一生会うことがないような、
いろーんな職業や、
いろーんな立場の方、
ユニークな経験をお持ちの方たちと、
これまで以上に出会わせていただいく。

少しずつお話しするだけなのに、
まるで、
操縦したこともないドローンで
見たこともないような風景を、
ぶわーっと見せていただいたような気分に。

もちろん、
いいときばっかりなわけじゃなく、
こうやって書ける、ってことは、
今はたぶん、わが家にとっては
良いほうの時期になってきているんだと思います。
でもどんなときでも、
本当に佳いお客さまに恵まれているなと、
そこはもう、
ナチュラルに感謝しないではいられないです。

ちなみに。
この地域の家賃の相場としては、
 これで3万円は高めのよう。

同世代の、
いろいろ器用な家族は、
もっともっと安く借りたり、買ったりして、
自分たちで良いようにトントン直しつつ
暮らしているみたい。

私たちがそれまで暮らしていた
宮崎の愛しい田舎町でもそんな感じで、
1軒家を、
ゼロから自分で建てちゃうツワモノもいたし、
壊れてるところは自分で直しますので、という感じで、
家賃は5000円~15000円、
無料で家を借りている家族もいた。

わたしたちはトンカンが苦手。

すぐに住める方がありがたいし、
この家は、実際に狭いけれど、
天井が高く、
周りはまぁまぁ遊べる森だし、
海や島の景色が遠くまで見えるので、
窮屈な感じがないのはいいです。

うちは、以前の町では、
2階建ての9LDKの古ーいお家を、
敷金礼金もなく、
超やさしい大家さんからは、
毎年お年玉までいただきながら、
月4万円でお借りしていました。

大きなお家は、
遠くからのお客様用に、
一緒に暮らしながらの宿泊型の治療がしたくて。

庭の手入れや家の修理は、
器用で気のいい友人たちに
お得にお願いできたし、
友人や生徒さんたちにスタッフとして
 関わってもらったり、
広いスペースを利用してイベントをしたり、
たーくさんの人たちとご飯を食べて飲んで、
笑ったり泣いたり、
本当にいろいろあったけど、
上にも下にも振り切って、やり切ったー。

それは、
夫が船頭をする大きな船に、
いろんな人たちにも一緒に乗ってもらって、
そこからボートやヨットも出してたような、
そんな体験だったかも。
でも、船が大きくて、
夫がどこにいるのか見失ってたこともあれば、
夫がどこへ向かおうとしているのか、
私がよく知らなかったり、ってこともあったなぁ(笑)。

船が大きかった時も、
今の小さな船も、
信じられないくらい美しい景色を見せてくれるし、
大嵐にも遭って、
もうこのまま沈没するんじゃないか・・・
 と思うこともあるし、
気力も体力もお金も、
余裕があることなんてほぼないけど、
でも幸運なことに、
こうしてめぐり続けていて。

こうやって書いてみると、
ぜんぶが自然の波みたいだなぁと思える。

仮住まいと思っていたこのお家でも、
いいことが想像以上にあるけれど、

育ち盛りの子供の、
心と体のサイズも、体力も、
創作作品のデカさも、右肩上がり。

ここしばらく、
本気で一軒一軒、丁寧に、
次のお家を探しています。

この夫ほど、
暮らしの細かなことひとつひとつが、
自分の心と体の健康、魂みたいなものや、
 研究や仕事、趣味にも
ぜんぶに直結してる人は、なかなかいないかもしれない。

この人の基準は、たぶん、
この世のどこを探し回っても、
同じものを見つけることはできないんじゃないかな。
そこが魅力だし、孤独だし、
 超おもしろくて、感動に溢れてる理由なのかも。

ホントはみんながそれぞれ、そうなのかな。

「家」も、自分の延長のひとつのような感じ。
自分たちに合わせて、
家でもなんでもガンガン変えていく、
ヤドカリでジプシーみたいなわが家の家探しは、
自分の宝もの探し、
人生の航海っていうか、
自分探検みたいなものなのかもしれない。

これからの私たちにピッタリの、
できればコスパなお家が見つかりますように!

車もずっと探していて、いよいよ買い替え時期。
またゼロか・・・。
おもろいじゃないの!(脂汗)

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