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注目が集まるタンカー株のお話:その3(TNPカンファレンスコール)

こんにちは。とまとです。
今日は2022/4/15に2021年4Qの決算発表を行ったTNPのカンファレンスコールについて、みていきましょう。Seeking Alphaがみられる人は原文も参照ください。

自分が気になったポイントだけ以下に抽出してみました。

スポット契約の数

71隻の船のうち、40隻がスポットもしくはprofit-selling arrangementsだと述べています。逆に言うと、31隻がそれ以外なのか?今の運賃上昇の影響が気になります。ここらへんが価格の上昇の恩恵を短期的に受けられるところでしょうか?

スポット価格の上昇のEPSへのインパクト

スポット市場で$1,000/日上がると、EPSを$0.33押し上げるとのことです。現在の株価が$12.15(2022/4/15時点)であり、仮に$10,000/日上がると、EPSは$3.3増えることなるので、取らぬ狸の皮算用ですが、結構なインパクトですね。さらに上がると、・・・。

ちなみに、2022年4QのTCE per ship per dayは$16,891でした。好調だった2020年1QのTCEは$26,629なので、$10,000上がるというのは無理な数字だというわけではないように思えます。

ロシアへの経済制裁の影響

ロシアの原油とロシアタンカーが市場から除かれ、これらの船をボイコットしたことにより、AframaxとSuezmaxの供給不足が起きているということです。AframaxとSuezmaxに注目ですね。タンカー製造も歴史的に低水準で、18~24ヶ月はタンカーの供給は厳しくなっているとのことです。

2022年1QについてのQ&A

最後の質問について、1Q(今年の1-3月)の見通しとSuezmaxとAframaxについて聞きたいという質問がありました。その回答として、1Qは十分な利益をお返しできるし、この状況が続けば、今年前半でよりよい利益が出せるだろう。現在は2Qの真ん中だが、Aframaxからプロダクトタンカー、Suezmaxまで含めて運賃が極めて好調で、ロシア危機がなくても全部のマーケットでとてもポジティブである。1月は15%高いレートを提案され、2月はさらに上がり、3月も上がり続けて現在に至る。というとても期待できる発言がありました。

石油需要見通し

現在の予測だと、今年後半のいつか、遅くとも年末までにコロナ前の石油需要水準に達するとのこと。ただ、ここらへんはいつももうすぐもうすぐと言いながら、なかなか戻らない、もうすぐ詐欺なので、慎重にみていく必要があると思います。

タンカーの供給見通し

タンカー価格に影響することは、タンカーの需要に加えて、タンカーの数(生産からスクラップを引いた増減)も重要となります。タンカーの需要が仮に今後増えても、それを上回るスピードでタンカーが増えたら、運賃も上がるどころか下がることが想定されます。逆に需要が変わらなくても、タンカー数が維持されれば価格も維持され、もし減るようだったら、自然と価格は上がることを想定されます。

カンファレンスコールの説明では、今後3年間のタンカー受注量は約5.6%となり、過去20年で最も低い水準になっているとのことです。また、1つの目安である20年を超えている船が7%占めるとのことです。ここらへんが解体の候補となっています。すなわち、今後供給と解体の関係では、解体に対して、供給が大きく上回って船が増える心配はなさそうです。

まとめ(覚えておくこと)

SuezmaxとAframaxは好調で、このまま運賃が上がるとEPSが結構出る。


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