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01_最近のスキンケア研究事情①

こんにちは、とまとです。化粧品メーカーで研究職をしています。
今回は、日本のスキンケア研究事情について話をしたいと思います。

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Twitterのコメントをもらって嬉しかったから書く!
とまとは、とっても単純な人間なんです。

一応一言ことわっておくと、この記事の根幹部分はわたしの勝手な私見ではなく、大手会社が実施した調査レポートと、各化粧品メーカーが出した商品(=調査レポートの答え)を根拠に書いていますので、ご安心ください。

では、さっそく本題にいきましょう。

今のスキンケア研究トレンド、その1。
それは、「香り」です!

「香りなんて昔から化粧品についてるじゃん!」
「香りって肌に関係なくない?」
「なんで香りの研究をするの?」

こんな声がちらほら聞こえてくる気がします。
そんな方のために、1つずつ説明していきますね。

まずは1個目の、
「香りなんて昔から化粧品についてるじゃん!」について。

わかるわかる。
少なくとも、わたしが生まれる前から、化粧品に香りはありました。

けどね。
香りのついた化粧品に「しっかりしたエビデンス」ってありましたか?
香りの研究は昔からあったけど、化粧品とのリンク付けが・・・なかんじでした。

これは、上に書いたエビデンスに基づいた上でわたしの見解になりますが、
化粧品業界における化粧品の効果(しわ、しみなど)って薬事の都合で似たり寄ったりにならざるを得ないから、
効果以外で差別化をせざるを得なかったのかなと…。
(個人的にはとても悔しいところでもある)

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SHISEIDO ワソウシルキー スムース さくらもち マスク
 1回分 1,100円(税込)
https://www.shiseido.co.jp/sw/c/products/SWFG070410.seam?shohin_pl_c_cd=E81901&online_shohin_ctlg_kbn=1

これとか…

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エクシア(※2020年9月18日発売開始)
https://www.albion.co.jp/seasonal/excia/skincare/

これなんて、香りのエビデンスをとったにおいがプンプンします。

でも、香りの試験をしたなんてどこにも書いてないし、
そもそも、香りで何がわかるの?

それが、2個目の「香りって肌に関係なくない?」につながります。

まず前提として、化粧品は、決められた効果しかフレーズとして使うことができません。
だから香りによる肌への効果や、ましてや試験をしたなんてメーカーが書くことはできないんです。

これはね、研究をしている身からすると、本当に悲しい。
なぜなら、「香りは肌に少なからずとも影響を与える」からです。

鼻から香りを吸ってるだけなのに?
そうです。「鼻から香りを吸ってるだけなのに」、です。

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日本食生活学会誌 Vol.21 No.3 2010に掲載の論文によると、このように記載されていました。

・バラの花の香りは、気持ちが落ち着きリラックス効果がある
・香りにはストレス緩和や疲労低減、皮膚状態改善効果がある

このメカニズムを簡単かつわかりやすく言うと、

自分にとって良い香りをかぐことでストレス軽減、リラックス効果を感じる

脳内の神経伝達物質が発達する

ホルモンがはたらく

ホルモンが肌の機能(細胞や皮脂分泌など)に影響をあたえる

肌状態の改善(肌がプルプルする!とか)

こんな感じです。
香りは奥が深いんです。

そこでくるのが、3つ目の疑問。
「なんで香りの研究をするの?」

これは簡単。化粧品のもともとの効果に加えて、
香りによる肌状態の改善で2つの相加効果または相乗効果が得られる可能性があるからです。

ここまで読むと、
自分が使ってる化粧品はどうなんだろう?って気になりませんか?
そう思っている方がいれば、わたしは嬉しいです。

会社によってはホームページや雑誌に香りについて書いてあるので、
機会があれば、ぜひ見てみてくださいね☆

他にもホットな研究トレンドがあるので、
チマチマ書かせてもらいますね。

ではでは☆

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