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夢でもいいから会いにきて

2023年12月4日の朝5時30分
目覚まし時計をかけ忘れていつもより30分遅く起きた。

16年と9ヶ月一緒に歳をとってきた愛犬がご飯を何も口にせず、動物病院へと駆け込んだ翌日の事だった。

もう数日は大丈夫だと思ってしまっていた。

起床後、数時間自室にいた私に、兄が愛犬を抱えて「生きてるよね?」と確認しにきた。

昨日まで暖かった愛犬の心臓が動いていなかった。

人生でここまで現実を受け入れられなかったのは初めてだった。

辛いと感じることが多い人生だったけれど、毎回泣きながらも、負けるもんかと思えていた。

愛犬が虹の橋を渡り、もう起き上がることはないのだと悟った翌日の私は、全身から力が抜けて、意識がある事すら辛い、そんな状態になっていた。

初めての感覚だった。

副作用で物凄く眠くなり、一日中寝てしまう薬が手元にあり、それを飲んでまる2日眠った。

夢でもいいから、もう一度会いたかった。

前日まで動いていた心臓が、もう2度と動くことはないという現実が苦しくてたまらなかった。

たくさんの後悔の渦に飲み込まれて、苦しくてたまらなかった。

死後硬直の時間から考えて、5時台に虹の橋を渡ったであろう愛犬のことを思った。

愛犬が最も懐いていた母はいつも5時30分に家を出るため、おそらくまだ母がいるであろう時に安らかに眠ったのだろうと思った。

その人生で最も辛かった日から5ヶ月が経とうとしている。
あの日より辛い日が更新されることはないんじゃないかと思う。

母も、誰の死よりも辛いと溢していた。
同感だった。

私の今世の幸せや、来世の幸せを愛犬が生まれ変わった時にあげてほしいと心から思っている。

ずっと大好きな兄弟が
天国で幸せに過ごしていて欲しい。

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