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HRナレッジ③ 年金

2022年は年金制度も大きく動く年である。DC(確定拠出年金)を導入する企業やiDeCoを検討する人も増える事から本テーマを取り扱う事とする。

【背景】

2019年時点、全産業平均現役世代の手取りは約35.7万円だが、この方が将来もらえる年金は約15.5万円(現役の約43%)の見通しである(下図参照)。

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上記のケースの方が、老後も現役時代同様の所得水準を担保したいのならば残り約20万円を自ら工面する必要がある事は言うまでもなく、巷ではNISAやiDeCoという名称は普遍的に広がっているが、その前に抑えたいのが以下。

【2022年の年金制度の変更点】

①:「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」の受給開始時期の変更が柔軟に。

日本国民なら必須加入の(一部学生除く)国民年金から出る老齢基礎年金とサラリーマンが加入する厚生年金(社会保険徴収)から出る老齢厚生年金は決して65歳になってからでないともらえないわけではない(下図参照)。2022年の4月から75歳まで繰下げられる事が可能となった。

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②:在職時の年金受給できる上限額が緩和された。

従来は月額上限28万を超える所得の1/2にあたる年金支給は削減されたが、2022年の4月から上限47万まで緩和された。下図ケースで言えば、月額45万の所得を得る場合、旧制度では8.5万の年金は削減されていたが、4月以降は満額受け取る事が出来る事となった。

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上記①と②の変更の政府の狙いは「就労者を増やす事」である。①も②も、「定年後も働き続けたいインセンティブがある」変更とお気付きだろうか。下図の様に「社会保障を担う就労者を増やす事で制度を支えたい」という、政府の全うな狙いである。

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以上、NISAやiDeCoやDC(確定拠出年金)といった、メディアやSNS頻出の話題に踏み込む前に、ご自身の年金定期便(Webでも閲覧可)を見る事から始めて「私は定年後も働き続けたいか?」や「仮でいいので年金受給時期をいつからと計画しておこうかな?」と思案する事から始めると、金融機関が展開するNISAやiDeCoといった商品選びも変わってくるかもしれません。

次回は、上記を踏まえて、NISAやiDeCoやDCとは何ぞやという事に触れる。

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