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【サイエンスコラム#1】サルと人間のキメラ胚から見るサイエンス倫理

どうも、RYUSEIです。最近”コンポスト”を初めて、我が子を育てるような気分を朝6:00から味わっています、…あ…子供はいません。

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第1回目の今回は何を書こうかネタがありすぎる中で、3時間くらい悩み続けたキメラ胚について書こうと思います。

このサイエンスNOTEは週2回(水・日)更新で、科学記事で面白いなと思った事実や多くの人に聞いてみたい倫理観についてシェアし、見ていただいた人のコメントを頂けたらと思っています。

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☛TOPICー【サルと人間のキメラ胚ができたことへの倫理観】


☛1.どんな事実(FACT)なのか?

米国と中国の共同研究チームがサルと人間の長期間(19日間)培養に成功した

↓日本の記事

↓海外の科学系の記事

ざっと内容をまとめると、

<研究の目標>
”人間の臓器(腎臓、肝臓、心臓など)を豚で培養すること”
"The long-term goal of this research team is to grow human organs in pigs -- kidneys, livers, hearts, etc.
<研究の背景>
”2017年、この研究チームのメンバーは、初期段階のブタの組織にヒトの細胞を組み込んだことを報告したが、ヒトの細胞の貢献度はかなり低かった。そこで研究者たちは、よりヒトに近い種--サルの仲間であるマカクでキメラをつくることにした。”
In 2017, members of this research team reported that they had incorporated human cells into early-stage pig tissue, but the contribution of human cells was fairly low.So the researchers set out to create a chimera in a species more closely related to humans -- the monkey species macaque.


<記事の結論>
1.サル由来の6日目の受精卵に、人の細胞(IPS)を入れ、体外で培養してみた。
2.19日まで体外で培養できた。
3.まだ、子宮内では培養していない。
4.個体として生まれる確率は、まだ極めて低い?
5.倫理的問題がかなり指摘されている

サル・チンパンジーは妊娠期間は、人間と近いです。

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19日までの培養は、まだまだ課題が残されていると思います。

つまり、実現まではまだまだ遠いということです。

☛2.記事内での倫理観

日本の記事(読売さん参考)
「人に近く、倫理面などで問題が大きいサルを使うのは禁じ手ではないか」

「動物同士を使った研究を経るなど段階的に行うべきだ。生命科学研究に逆風が吹かないか心配だ」

海外の記事(WEBMEDさん参考)
「"これらの生物は何なのか?これらは何なのか、どのように扱えばいいのか。人間の細胞が入ったものが歩き回るのは、人類の品位を落とすことになるのでしょうか?"を考えること、研究に参加する動物の扱いや、キメラを作るために自分の細胞が使われることをドナーに通知することがあげられる」

日本語訳を介すと、日本と海外は少し違った感じになります。

☛3.私が思う倫理・感想(主観)

精子や卵子の研究をしているものとして、好奇心で「どんなモノができるのだろう?」が一番にあります。

そして、この科学を進める上で、社会に

「研究の背景を知ってもらうこと」「なぜ、当事者がその研究を行うか?」

この研究を行う前提の部分を知ってもらい、社会の科学に対する受容度を高めることが大事だと考えています。

つまり、サイエンスの事実のみで判断するのでなく、その歴史などのストーリーも加え、必要性を考えていける社会が必要ではないかと。

加えて、知識を入れる段階は時間がかかりますが、「それがどのようなものなのか?」の根本の共通認識があればなおよしだなと思います。

☛4.近くの人に聞いてみた倫理観

研究関係の人、サイエンス研究とは縁遠い人などに、「これ、どう思う?」と10人に聞いてみました。

研究系の人は、「可能であれば、見てみたい」が全部でした。「できたら、○○な問題がおきるのでは?」で止めていたら何も始まらない。リスクが伴うことは必然である的な意見でした。

サイエンス研究から縁遠い人も、「悪用できない法整備などがあれば、研究を進めるべきなのでは?」に似た意見が多かったです。ここは意外でした。

もちろん、20~30代の若者が中心なので、世代間では異なりがあると思います。

☛5.面白かった倫理観


ある女性の回答が興味深かったので共有します。

「キメラ胚ができていくことが反対はない。ただ、誕生した生き物を、私たちと同じ”生き物”として、接していける社会が必要であると思う」

この言葉を聞いたときに、生きている中で、同じ動物なのに、人間の優位性や動物間での上下を自然とつけてしまっているのではないかと感じました。

それは、潜在的に持ってしまった固定概念から起こる、肌の色、国籍、性別などの差別に関しても、同じ問題を抱えているのではないか…と


みなさんは、今回のキメラ胚についてどんな考えを持ちましたか?


\💡みなさんの意見・倫理観を教えてください/

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にてお待ちしております

*まだ、科学分野の者として日が浅いため、誤りが出てくる可能性があります。もし、内容が事実と異なる場合は、教えていただけると嬉しいです。



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