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【今週の空き家のすすめVo.11】実家を相続したら?実家の相続手続きの期限と流れ

こんにちは、トマルバの河村です。

実家の土地や家を相続することになったら一体何の手続きが必要かご存知でしょうか。相続に伴う相続税の申告や実家の名義変更などの手続きを事前に確認しておくことで、実際に相続が発生した際にスムーズに相続手続きを行えるように準備することが大切です。今回は実家の相続で必要な手続きや流れをお話します。

相続手続きの流れ

実家を相続したということは、両親が亡くなったケースがほとんどだと思います。相続の手続きの中には期限が決まっているものがあり、期限までに行わなければ不利益を被ることになりますので、相続が発生してから「何を」「いつまでに」しなければならないかを把握しておきましょう。

相続発生から遺産分割・相続税の申告まで みずほ証券

3つの期限

相続手続きの中で特に「相続放棄」「準確定申告」「相続税申告」は期限があるので、注意が必要です。覚えておくべき期限は、「3ヶ月」「4ヶ月」「10ヶ月」です。

相続放棄は3ヶ月以内

相続放棄の手続き期限は、原則として3ヶ月です。相続が開始したことを知った日(=自分が相続人であることを知った日)から「3カ月以内」に、家庭裁判所に申述しなければなりません。

もし両親が多額の借金をしていた場合、相続放棄をすることも可能です。相続した財産より、返さなければならない借金が多ければ、3ヶ月以内に相続の放棄をしないと相続人が残った借金を返済する必要があります。

そのため、両親が亡くなってすぐにやるべきことが、両親名義の財産状況を細かく調べることです。両親が契約していた金融機関(銀行、証券会社、保険会社など)に連絡をして財産状況の確認を取ります。

その他にも家族が知らない財産や借金などがある場合だと時間がかかる可能性もありますので、生前に財産状況を明確にしておくことでスムーズに手続きを行えます。

3ヶ月の期限をすぎると原則として財産全てを相続することになりますが、もし期限までに財産調査が終わらず、相続するかどうか判断できない場合には期間の伸長の申立てが可能です。しかし、こちらも3ヶ月以内に申立てを行わなければならないので、「相続放棄は3ヶ月以内」ということを覚えておきましょう。

準確定申告は4カ月以内

次に4ヶ月以内に亡くなった両親の所得税の確定申告を相続人が行う「準確定申告」を行います。準確定申告の提出期限は、「相続の開始を知った日の翌日から4か月以内」と定められています。毎年、確定申告をしていた方が亡くなった年の1月1日から亡くなる日までの所得について「確定申告」を行うことです。

両親が毎年確定申告をしていなければ、準確定申告は不要になります。下記に該当する方は準確定申告は不要です。

●給与を1ヶ所からもらっていて2,000万円以下だった場合
●給与以外に金融資産(株・投資信託)があるが分離課税だった場合
●年金をもらっているが収入金額が400万円以下の場合
●高額な医療費の申請がない場合


相続税の申告と納付は10ヶ月以内

相続税には申告期限と納付期限があり、それぞれの期限は、相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内と定められています。もし、納税の義務があるにも関わらず10ヶ月以内に相続税の支払いをしなかった場合、追徴課税(追加で払う税金)が課されてしまいます。
但し、相続税が納付できない正当な理由がある場合は延長が認められる可能性もあります。

相続税の申告と納付も両親の全財産が基礎控除の範囲内であれば、相続税はかからず、申告する必要もありません。

■相続税の基礎控除額の計算式
3,000万円+(600万円×法定相続人の数)=相続税の基礎控除額

例えば、「父親、母親、長男、次男」といった4人家族の場合、父親が亡くなると法定相続人の数は「母親、長男、次男」と3人です。

■基礎控除額
3,000万円+(600万円×3人)=4,800万円

父親の全財産の合計額が4,800万円以下であれば相続税の申告と納税をする必要はありません。

基礎控除額が超えている場合は、超えた分に対して相続税が課税されます。下記の例を見てみましょう。


●相続税の基礎控除額:4,800万円
●財産合計:1億円
●相続税の課税対象:1億円ー4,800万円=5,200万円

上記の場合だと財産合計から基礎控除額を差し引いた5,200万円に対して相続税が課税されることになります。

相続税は基礎控除があるおかげで多くの方は相続税とは無縁かもしれません。国税庁が発表している相続税の申告事績(2020年分)を見ると、1年間で約137万人が亡くなっており、その内相続税の課税対象となったのは約12万人です。割合でいうと約9%なので、実はほとんどの方は相続税の申告と納付は必要ありません。
しかし、土地や家の財産の合計を出すのは素人では難しいので、不安な方は税理士や税務署に相談するようにしましょう。

実家の名義変更

実家を相続した場合、名義変更の手続きにあたる相続登記も必要になります。不動産を相続した場合、登記の名義変更を放置しても罰則はありません。しかし、登記の名義変更を行わなければ下記のデメリットがあります。

●相続した土地や家が売却できない
●不動産を担保にできない
●自分が死んだ後に家の権利者について揉める可能性がある

多少の費用はかかってしまいますが、すぐに売却したくても売却できないといったことも起こりうるので、早めに名義変更の手続きを行うことをおすすめします。

まとめ

実家を相続するときに「どのような手続きをいつまでに行うのか」を事前に理解しておけば、実際に相続が起きた場合でもスムーズに手続きを進められます。相続前から財産の状況や手続きの期限などを相続人で共有しておくことも必要です。相続はトラブルになるケースも多いので、少しでも不安であれば弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。

当社に関して

トマルバにて京町家や古民家などの空き家活用とエリア再生の事業を行っておりますので、空き家を住宅や店舗、ゲストハウスなどに活用する際には、是非、一度、下記からお気軽にご連絡頂ければ幸いです。

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