[幻聴ラヂヲ]宇宙戦争悲話[AI絵本]
今日は忘れてはならない日でしたが、どこかの星でも戦争の話題が語られていました。
その星も配線国だったようで、和平交渉をはじめていたのに新型併記を使われたようです。他人事とは思えませんが、でもその中身は大きく異なります。
わが国は正々堂々?と戦って負けたようですが、その星は身内に裏切り者がいたそうです。そもそも敵勢力と結んでいた者たちがいて負ける戦いをさせられたのだとか。
何のために?
当時のその星の主流派は独立心が旺盛で宇宙連盟にことあるごとにタテをつくようになっていたそう。もちろん、宇宙連盟というのは表看板で、背後には超有力者の集まりがあるわけですね。つまり、宇宙化、宇宙協調というのはその超有力者たちの傘下に入れということです。
しかし、その星には強力な神話があり自分たちが宇宙の中心だという信念があって、子分にしてやる、というような誘いは到底受け入れられるものではありませんでした。かえって軍備を増強し、ますます独立性を強めていった。
まあ、小さな星一つのことなら何ほどのこともなかったでしょうが、周辺の星も取り込んで大共栄圏の建設に乗り出したものですから、宇宙連盟も本気になりました。
そこで、宇宙が分裂したことにして宇宙戦争をはじめることにした、というわけです。
よくわからない?
その感覚がマトモです。宇宙が分裂するのを防ぐために宇宙大戦争をはじめたんですからね。わけわからん。
でも、思えばパンミミックの対策もそうでした。近い将来、パンミミックが予想される…… この星が滅びるとしたらおそらくパンミミックだ…… その予想は科学的な話のようでしたが、その対策がジンコーパンミミック。あの発想は、あの星のアイデアじゃなくて宇宙連盟の考えだったようです。先手必勝、先制攻撃は最大の予防ということでしょうか……。
話を戻します。
つまり、独立心旺盛なその星の主流派を壊滅させるために、わざと戦争に踏み切らせたのです。
でも、もしその星が勝っていれば?
いや、そんな見え透いた手にどうして乗ったの?
確かに、わたしも聞いていてそう思いました。
その点についての「幻聴ラヂヲ」の説明はこうでした。
そもそもその独立心旺盛な主流派というのは、わずか百年前までは地方の平民だった。それが宇宙連盟の先遣隊の教育と援助を受けて、見事に時の政権を倒すことに成功。彼らが新たな支配者になったわけですが、地球の言葉でいえば、カイライ政権。
その第2世代が、愛星に目覚めたのか調子に乗ったのか、宇宙連盟と対等にやり合おうとした…… そんな経緯があったようです。
つまり、ただでさえ宇宙連盟とは大人と子どもくらいの経験値の差があったのに一枚岩ではなかった。植民地にされた星が独立するのは相当難しいというのは、地球だけのことではないようです。支配者は被支配者の我慢の限界やキレた時の行動パターンを知り尽くしていますから。
戦争に踏み切らせて叩き潰すというのも、宇宙連盟の手持ちのカードの一つ。もっともボードゲームじゃなく、リアルですからね。物凄い数の宇宙人が死ぬ、死んだわけですから、想像を絶します。
新型併記だって独立心旺盛な主流派を壊滅させることが狙いだったとか。要するに本当の目標はその主流派の軍だったということです。その主流派を壊滅させるための戦争だったんですから。採番見れば一目瞭然なんですって。主流派だけが罪に問われた。でも、そのためにどれだけの民間宇宙人を巻き込んだのか……
ともかく、そんなことですから、その星では宇宙連盟を恨んだりすることはないそうです。あれだけめちゃくちゃやられたのに…… 本当は身内にやられたとわかっているからでしょうか? それとも考えないようにしているんでしょうか? その星には「忘れっぽい星」という評判があるそうですが、実は忘れたふりをしているのかもしれません。だいたい新型併記だって、その星でも開発してたそうです。ただ重すぎて運べなかったんだとか。もちろんそんな事実もなかったことに……。つらいなあ。
あの独立心旺盛だった星が、一転して宇宙連盟の優等生になったのはそのためだと、「幻聴ラヂヲ」ではそう語っていました。
そういうのを聞くと、つくづくインボーのない星、同胞を決して裏切らない国に生まれてよかったと思います。
あ、番組名をいうのを忘れてました。「ハーイセンカクーメイ」、たしかそんな発音でした。宇宙連盟の当時の作戦コード名のようですが、まるで呪文みたい。覚えない方がいいのか、それとも二度と同じ目に遭わないように肝に銘じておいたほうがいいのか……。
おっと今日は、祈りの日でした。
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