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「少子化×ジェンダー平等」

*トップの写真は凍った海(バルト海)の上に立っている私です。

先日フィンランドに行き、かの国でも少子化に歯止めがかからないという話を聞いていろいろと思うことがありました。世界最高レベルの子育て支援システムが存在し、gender equalityにおいても世界トップレベルの水準のフィンランドでもなぜ少子化が止まらないのか(2023年の出生率は1.26%。日本と変わりません)。興味深いのは2007年から2019年の12年間でGDPは1.5倍も上がったのに、出生率は21%も減少しているという事実。普通景気が良くなれば子供を産みたいという人も増えるのではないのか。

そこで以下の仮説を立ててみました。

「ジェンダー平等」が少子化を引き起こしているのではないか?

日本と異なり、男女平等な社会が出来上がっている北欧では、女性も社会に出てからは男性と同様に評価をされます。言うまでもなく、女性は子供ができれば産休・育休を取り、充実した子育て支援を受けることが可能ですが、産休・育休などで仕事にギャップが生じてしまうのは避けることができずに、そのギャップが理由で仕事で結果が残せずに減給や解雇になりえます。もちろんこれは出産や妊娠で差別をしたわけではなく、純粋に営業成績で判断しているので「合法」です。男女平等なはずの社会において、子供を産むことが自分のキャリアにおいて不利益をもたらすことになるため、子供を産まない女性が増えているのではないか、経済の発展とともに日本でいう「バリキャリ」が非常に増えているのではないかと考えました。

この仮説の検証は生徒たちに託していきたいと思っていますが、もしこの仮説が正しいのなら、日本はどこに向かえばよいのでしょうか。

ご存じの通り、日本は世界的に見ても最低レベルのジェンダー後進国です。だからこそ、ジェンダー平等を推進することで、少子化に歯止めをかけようと国も必死に?対策をしていますが、そもそも論として本当に女性は「男女平等」を望んでいるのでしょうか。男女不平等社会ゆえに女性は差別されることもあれば優遇されることもあります。「女だから」というバイアスが完全に取り除かれたときに、男性と全く同じ土俵で戦うことを望む人はどのくらいいるものなんでしょうか。

これまで授業で「ジェンダー」を扱い、子供たちの価値観に揺さぶりをかけてきましたが、今回のフィンランド視察旅行で、私の価値観が揺さぶられました。このような解なき問いに向かい合っていかなければいけないのが今の子供たちなんだと思います。

そして、そんなことをあれこれ考えていたら、下記の記事に出会いました。

こちらの記事では、「日本の少子化は未婚率・晩婚率が原因の9割」と断じていますが、これが事実ならまさに現在政府が行っている『異次元の少子化対策』は完全に的外れな政策であり、大いなる税金の無駄遣いということになります。

まぁ、政府の掲げる少子化対策がちぐはぐ、もっといえばとんちんかんなのは素人の私でも感じているところです。

上記の「大学授業料の無償化」に関しては、昨年良くも悪くも大きな話題になりました。子供が3人いる私にとっては小躍りするくらいのグレート・ニュースでしたが、一方で「これって少子化対策ではなく、子育て支援じゃん」という疑念は拭えませんでした。

現実的には、私の家庭のように3人以上子供がいる家庭は全体の12%(子供がいる家庭内の割合)しかおらず、こんな一部の家庭だけが優遇される政策を国民全体がもろ手を挙げて喜ぶはずもなく、子供たちが大学に行くころ(最短で4年後)にこの制度が生き残っているとは思えません・・・。

そんなわけで世界中の先進国が抱える「少子化」という問題を我が国はどのように対応していくのか。北欧の国々でも出生率の低下に歯止めが効かない現状を見ると、我が国においては完全にミッション・インポッシブルな気がしてしまうのですが、そんな解なき問いに答えを見つけられるような子供たちを育てられるように、日々教育活動に邁進したいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。