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教師冥利に尽きる

今はオミクロンのせいで気軽に外で会食ができるような雰囲気ではありませんが、昨年10月から12月にかけてだいぶ感染者数も減り、結構仲間と飲みに行きました。

そしてたまたまですが、その時期に毎週のように昔の教え子たちと飲む機会があり、久しぶりに会う彼らから大いに刺激をもらったのでした。

その中でも2つの出来事を振り返りたいと思います。

まず、卒業してから8年ぶりに会った女子の話。

その子は前任校で高1から高3まで3年間担任をしていた子でした。決して目立つタイプの子ではなく、おとなしめの子でした。その子と飲みながら、高2の秋に行った個人面談が実は人生のターニングポイントだったということがわかりました。

私としては、「え、そうなん?」って感じで、全くそんなことは知らなかったのですが、実は当時彼女は自分的に「暗黒時代」を送っており、将来の展望も全く見えず、かなり自暴自棄になっていたとのことでした。そんなタイミングでの面談だったのですが、私が彼女の話を丁寧に聞き、そしていつものポジティブオーラ全開で(笑)いろいろな話をしたところ、自分の中で踏ん切りがついて、それ以来前向きに生きられるようになったとのことでした。

その面談のことは何となく覚えてましたが、そこがまさか彼女のターニングポイントになったとは卒業してから8年経って初めて知りました。

その子が一緒に飲んだ次の日にくれたメッセージが以下になります。

○○先生(私)!昨日はありがとうございました!😊
高校時代○○先生のクラスでいられたこと、面談やそれ以外のところで受け取った言葉、そしてそのおかげで自分が変われたこと、卒業してからもずっと感謝しています😊
7年前は○○学園(前任校)からいなくなってしまうんだな、という寂しさが大きかったですが、教育界を変えようと新しい場で様々な挑戦をされて成し遂げられていることを伺って、やっぱり○○先生は○○先生だ!と素敵な刺激を受けました😊
私もこれだ!と思える道でキャリアを描けるよう、模索していきます。

泣けるメッセージです。全米も涙するくらい感動的なメッセージだと思います。

今回8年ぶりにたまたま会う機会があり、実は自分が彼女に少なからず良い影響を与えていたことがわかりましたが、たいていの場合は卒業していた子たちが在学時に何を考えていたかはわからないものです。

こうやって卒業しても会ってくれることは感謝してもしきれないですし、卒業してしまえば教師と生徒という関係ではなく、ただの「同志」だと思っています。そんな同志たちと時を超えて、昔の想いを共有できるのは本当に教師冥利に尽きると思います。

また、これも「教師あるある」でしょうか。

何気なくかけた言葉が実はその後その子にとって人生を左右する言葉になったりする時があるかもしれません。

上記の女の子とは別の機会に、昔の教え子(男子3人)と飲む機会がありました。

そのうちの一人が今年司法試験に合格したのですが、その子は当時それほど勉強が得意な子ではありませんでした。特に私の担当している英語が苦手で、高3の時に英語の試験で38点というかなり低い点を取ってしまったのです。

その時私は彼にこう言ったそうです。

今がどん底だとしたらこれ以上落ちることはない。後ろじゃなく前を向いて進んでいけばきっと光が見える。

言った本人は全く覚えていないのですが(笑)、言われたその子はその後の受験勉強も頑張り続け、大学にも見事に合格。大学を卒業後法科大学院に進学しますが、司法試験に落ち続けて挫けそうになったときにも私の言葉を思い出し、諦めずに頑張れたという話を聞かせてくれて、とても嬉しくなりました。

本当に教師冥利に尽きますね。日々大変な思いをしていますが、こんな何気ない一言が自分を駆り立ててくれます。

これだから教師はやめられないと思うのです。