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ビックマック指数

皆さんは「ビックマック指数」という言葉をご存知でしょうか。

私は世界中を旅した経験があるのですが、その国に着いてまずすることといったら、物価のチェックです。旅をするうえでその国の物価を確認しておくことは非常に重要だからです。

物価をチェックするうえで重要なのが、世界中どこに行っても売っているもので比較をすることです。例えば、コカ・コーラとか、今ならスターバックスのコーヒーとか。これらの商品はグローバリゼーション(アメリカナイゼーション)の象徴とも言えますが、忘れてはいけないのがグローバル企業の王様マクドナルドです。

ちなみにマクドナルドは世界100か国以上にあるそうなのですが、日本の店舗数はなんとアメリカに次いで第二位です。いかに日本がアメリカのビジネスにおいて大きなターゲットであることがよくわかりますね。

そんな世界中にあるマクドナルドですが、日本にてりやきバーガーがあるように、各国のご当地バーガーというものが存在します。私が印象に残っているのは、香港のお粥のセットやタイのカレーセット、あとはオランダのコロッケバーガー(McKroket)などでした。コロッケバーガーがなぜ印象的だったかというと、コロッケという言葉がオランダ語のkroket(クロケット)から来ていると聞いたことがあったからです。(フランス語のcroquetteからという説もあります)

そんなわけで私は初めて行く国ではまず最初にマック(マクドではなくマック)に行くことにしているのですが、物価を確認するために世界中のマクドナルドで売られているビックマックの値段を確認します。

ビックマックは世界中ほぼ同じ品質で売られていますが、その単価は現地の原材料や人件費、光熱費等で決まってくるため、各国の物価を比較するのにもってこいの商品です。その比較した数字をビックマック指数と呼ぶのですが、ビックマック指数において日本の悲惨な経済状況が浮き彫りになっています。

今年1月のビックマック指数で日本はなんと世界33位。中国、韓国、タイのような隣国はおろか、ニカラグアやクロアチアといった国よりも物価が安いという結果が出ています。

https://www.asahi.com/articles/ASQ6S5449Q6RULFA008.html

GDP3位の日本が物価の高さにおいてこれだけランキングが低いというのは特筆に値するのではないでしょうか。これまで日本人は安い人件費や資源を求めて中国やアジアの国へと進出してきましたが、今では逆にそれらの国の人たちが日本の物資や不動産、企業などを買い漁り、日本は買う側から買われる側へと変わってしまいました。そのうち日本からアジアの国に出稼ぎに行く人が増える時代が来るのでしょうか・・・。

ちなみに私が海外に住んでいた2000年頃の日本のビックマック指数は世界5位で、日本は世界有数の物価の高い国でした。(それゆえにインバウンド観光客も少なかったのですが)当時オーストラリアやカナダの物価はだいたい日本の3分の2くらいで、どこに行っても物価の安さを感じていました。旅行をしていて物価が高いなと思ったのはスイスと北欧くらいで、日本の経済の強さを実感できました。

それがいまや・・・。

上の記事にあるように、日本も今あらゆる分野での価格上昇が取りざたされています。この国の問題点は物価が上がっても給料が上がらない、という負のスパイラルをもう30年も繰り返していることです。我々庶民にとっては本当に頭の痛い問題ですが、ただ、物価の上昇という話で言うと、日本は欧米の日ではありません。

2022年4月の日本の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で+2.1%。単純に物価が2%上昇していることになります。一方、2022年3月のアメリカのCPIは前年同月比+8.5%、ユーロ圏も+7.5%と、日本の比ではないくらい物価が上昇しています。欧米のような成熟した経済市場を持つ国々でこんなに物価が上がるのは異常であり、ロシアのウクライナ侵攻抜きにしても世界の物価が急上昇していることがわかります。

というわけで、素人ながら世界のグローバル経済に対して大きな懸念を抱いているわけですが、それ以上に心配しているのが自分のお財布事情です。

以前にも書きましたが、8月にオーストラリアとアメリカ、9月にイギリスに仕事で行く予定です。仕事とはいえ、夕飯は自費で食べることになっており、何を食べるかはひそかな楽しみです。しかし、この驚異的な円安と物価上昇のせいで、その楽しみにが恐怖に変わりつつあります。

上記3か国のビックマック指数は、オーストラリア14位、アメリカ3位、イギリス11位となっており、私のお財布を苦しめそうです。ちなみに調べたところ、アメリカでビックマック単品を買うと5.15ドル(日本円で710円)かかります。日本では390円なので、倍近くかかることになります。飲み物とポテトがつくビックマックミールだと9.29ドル。日本円で1254円です。マックで1食1300円・・・。泣きたくなりますね。

言うまでもなく、これはファーストフードの値段。普通のレストランに行けば、1食30~40ドルくらいは普通にかかりますし、そこに15~20%のチップも払わなければなりません。一応海外出張手当も学校からもらえるのですが、夕飯をレストランで食べて、飲み物(ビールとか)を頼んだら、その手当を超えてしまいます(´;ω;`)ウゥゥ

あ、気が付けば、世界経済を憂う内容だったはずが、自分の懐事情を嘆く寂しい投稿になってしまいました・・・。

日本は、そして世界は、いったいどこへ向かっているのでしょう・・・。

最後までお読みいただきありがとうございました。