Q 10. 聖書が述べている良いたよりとは、「エホバの王国」ではないのですか?
A.
はい、「エホバの王国」ではありません。
良いたよりとは、英語で言うならGood News(良い知らせ)あるいはgospel(福音)という言葉が使われており、ギリシャ語では、ευαγγελιον(ユーアゲリオン)であります。
では聖書が言う「良い知らせ」とは何でしょうか?
エホバの証人は、この良いたよりを「エホバの王国である」と言います。
実際、彼らの機関紙「ものみの塔」の表紙には、「エホバの王国を告げ知らせる」と書かれています。
彼らはこの良いたよりを「エホバ神が支配する王国」「地上の楽園」のことであると理解しているのです。
また自分たちは「一世紀のクリスチャンたちが伝えていた良いたよりと同じことを伝えている」と主張するのです。
しかし本当にそうなのでしょうか?
聖書が述べている良いたより(福音)とは何でしょうか?
一世紀のクリスチャンたちが伝えていた良いたよりとは何でしょうか?
1.聖書が述べている良いたよりとは何ですか?
①「天の御国が近づいた」の意味
エホバの証人の人々は、『マタイの聖句からバプテスマのヨハネやイエス・キリストは「天の御国が近づいた」と語っているではないか(マタイ3:2、4:17)、だから私たちも神の王国(一つの政府)を伝えている』と主張するのです。
しかしこの言葉はそのような政府のことを言っているのでしょうか?
いいえ、そうではありません。
この宣言の言葉は、いずれもイエス・キリストが王として来られたこと、また王として就任されたという宣言であります。
「御国(国)」という言葉はギリシャ語でβασιλεια(バシレイア)と言い、文字通りの「国」を指す場合もありますが、「支配」という意味もあります。
これらの聖句の場合、文字通りの国ではなくイエス・キリストが救い主として人々の心の中を支配されるようになる(つまりイエスを救い主として信じることにより支配される)ことを意味するのです。
もちろん聖書を見ますと、将来においてイエス・キリストは王として再臨され千年王国の支配者として実際の国をもたらすことが預言されています(ヨハネの黙示録20章)。
しかし、マタイの福音書(王として来られたキリストを強調している福音書)の「天の御国」という言葉は王として就任され、支配が始まったというもので、それが良いたより(福音)とは一切、述べられていません。
またそれを宣べ伝えるようにとは述べられていません。
つまり、聖書が言う良いたより(福音)ではないのです。
②「王国の良いたよりが宣べ伝えられる」
マタイ24章14節は、エホバの証人がよく用いる聖句であります。
終わりの日に「王国の良いたより」が全世界に宣べ伝えられると予告されていますが、「エホバの証人」がそのことを成就していると主張するのです。
ここの「王国」も彼らが主張するエホバの王国のことであります。
この聖句は終わりの日のしるしをイエス様が述べている箇所でありますが、彼らの中では今、まさに患難時代であると理解しているのです。
この背景には、「1914年にイエスが目に見えないかたちで王国の王となった」という教えがあるのです。
つまり天で王国ができたので、地上では終わりの日に入ったと主張するのです。
そもそも1914年という年代の算定に問題があります。
(以前はかなり強調していましたが、1914年説は崩れたので、最近は強調していないかもしれません)
これらも彼らが作り出した預言教理であり、聖書が言っている福音ではありません。
今はまだ患難時代ではありません。
そして何よりも1世紀のクリスチャンたちが命がけで宣べ伝えた良いたより(福音)は、「エホバの王国」ではありませんでした。
では、聖書に述べられている良いたより(福音)、1世紀のクリスチャンたちが命がけで宣べ伝えた良いたより(福音)とは何ですか?
2.一世紀のクリスチャンたちが伝えた良いたより (福音)とは何ですか?
①キリストの死と葬りと復活
聖書は福音とは何かをはっきりと述べています。
第一コリント15章1〜6節には次のように述べられています。
このパウロが語った「福音とは何か」という言葉の中には、一切、「エホバの王国」という言葉は出てきません。
はっきりとシンプルに、福音とは「私たちの罪のために死なれたこと、葬られたこと、よみがえったこと」であると書かれていました。
これはイエス・キリストがあなたの身代わりとなって十字架上で死んでくださった《罪の罰(裁き)を受けて下さった》こと、墓に葬られた《確かに死んだ》こと、そして三日目によみがえった《肉体をもって復活した》こと、これが福音(Good News)であるとパウロは述べました。
なぜ、これらが福音なのでしょうか?
②罪の赦しと永遠の命と神の子とされること
私たち人間はみな、神に対して罪を犯した罪人です。
罪人は義なる神に裁かれて当然の者であります。
しかし愛とあわれみの神は、罪ある人間を救いたいと思い、ひとり子イエス・キリストを地に送り、救いの道を与えて下さいました。
それがイエス・キリストの贖いによる十字架刑であります。
そしてそれだけではなく、罪の赦しを得た者を永遠に生かし、神の子(神の家族になること)となれるようにしてくださったのです。
つまり、イエス・キリストの十字架の贖いを受け入れる者(イエスを自分の救い主・神として信じる者)に、罪の赦し・永遠の命・神の子となるという、人間にとって最高のプレゼントを与えて下さったのです。
これが人間にとってGood News(福音)ではないでしょうか!
そして1世紀のクリスチャンたちが命がけで宣べ伝えた福音は、「イエス・キリストを救い主・神として信じる」ということでした。
使徒の働きを通読するなら、だれでもそのことがはっきりとわかります。
「主イエスを信じる者は救われる」ということが強調されています。
それでは、間違った福音を信じているエホバの証人はどうなりますか?
3.異なった福音を信じ、伝えているエホバの証人
初代教会(1世紀のクリスチャンたち)が伝えた「イエス・キリストは私たちの罪のために死なれ、葬られ、三日目によみがえった」という福音は、2000年間、クリスチャンたちによって伝えられ、多くの人々が救われてクリスチャンとなりました。
しかしエホバの証人は、この福音をねじ曲げ、異なった福音を伝えてきたのです。
聖書によると、そのような者たちはどうなりますか?
パウロはガラテヤ1章8・9節で次のように述べています。
これらの聖句が示しているように、パウロが宣べた福音とは異なる福音(1914年に天にエホバの王国が設立したこと)を宣べ伝えているエホバの証人は神に呪われて裁かれます。
それは当然の報いなのです。
ですから、早くその間違いに気づき、正しい福音に立ち返らなければなりません。
エホバの証人の方々、真理のみ言葉である聖書を通して目覚めますよう心よりお祈りしています。
最後までお読みいただき感謝いたします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?