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帰省しないという選択

私の頭のにおいを嗅いだ夫が、「梅雨のにおいがしてくさい」と言った。梅雨のジメジメ感を全身で浴びて、何もやる気の起きない日が続いている。「梅雨明け、まだかな」と、最近、毎日のように言っている。

お盆の帰省は、もう少し新型コロナウイルスの状況を見て冷静に判断しようと思っていたが「帰ってくるな」と母から連絡があった。母がそう言ってくれたことで、少し安心した。家族で話し合って、それじゃあ、夫の実家も行くのはやめようということになった。まだ暫くは状況が変わりそうにないし、帰省したとしても感染症対策で、自分の正しさを押し付け合ったり、或いは誰かがグッと我慢したりして、お互いに物凄く気を使ってしまいそうだ。

そろそろマスクなしで外を歩き回りたい。旅行したい。東京都美術館に行って浮世絵コレクションを見たい。実家の犬二匹といっぱい遊びたい。いつも通りの日常を取り戻すために、今、自分ができることは、感染しないように三密を避けて、しっかりと予防することくらいだ。

さて、今年の夏休みはどうやって過ごそうか。

私の住む場所から遠い遠い地域で、甥っ子が誕生した。息子にとっては、初めてのいとこだ。甥っ子に会えるのは一年後とか、二年後とかになるだろうか。初めて会ったときには、ベラベラ喋っていたりして。義妹に「おめでとう」とお手紙でも書いて、お祝いと一緒に送ろうかと、ガラスペンとインクとレターセットを出した。みんなが健康で幸せに暮らせますようにと、願いを込めて。