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「絵本をつくろう」ワークショップを開催しました

藤浩志さんが、ご家族と一緒に「かえっこ」というプロジェクトを始めたのは2000年のこと。家にある、使わなくなったおもちゃを持ち寄って、「かえっこ」の交換会をするというアートプロジェクトでした。それがどんどん全国各地に広がっていって、いろんな地域で独自の「かえっこ」が開催されるようになり、おもちゃを交換するための「かえるポイント」を使っていろんなかえっこバザールに参加できるように。

私が一番最初にかえっこに参加したのは2012年。今からちょうど10年前ですね。千代田区にあるアート施設「3331 Arts Chiyoda」でかえっこが開催された時に、会場で工作ワークショップを開催させていただきました。それ以来、3331でかえっこが開催されるたびに、何かしらワークショップを考えて、子どもたちと一緒に楽しむようになりました。

絵を描いたり、おもちゃに目や口をつけたり、おもちゃを使ってアクセサリーをつくったり、しりとりをしたり、ゲームをしたり、おもちゃ箱をつくったりなどなど。で、11月23日に開催した直近のワークショップでは、みんなで絵本をつくることに。

A4の紙1枚でつくれる、絵本です。表紙と、裏表紙と、中身は6コマの絵本。いくつかテンプレートをつくって持って行ったので、それを使って絵本を作っても良いですし、またはまっさらな紙を使ってゼロからつくってもOK。上手にできた人には、「かえるポイント」をプレゼント。このポイントを使うと、会場のおもちゃと交換できます。

という、そんなワークショップ。

たくさんの子供たちがオリジナルの絵本をつくっていってくれました。テンプレートは50冊分用意していったのですが、1日でほぼ全部使いきりました。

1枚の紙からつくるというのが、つくりやすかったのかも。そして、あるい程度テンプレートをつくって用意しておいたので、これに想像を膨らませて描き加えるだけで、絵本がつくれてしまう、と。みんなでたくさんつくることができて、楽しかったですよ。

たとえば、こんなテンプレート。

1コマ目で、クラゲが登場。2コマ目で魚と出会い、続いてチョウチンアンコウ、ちょっと変わった新海魚、そして巨大なアンモナイト。そして最後に、仲間に会うことができる、と。このクラゲは、お母さんかもしれないし、あるいは友だち、恋人、兄弟か。想像を膨らませて、自由にストーリーをつくって良いのです。セリフを書き込んだり、魚を増やしたり、海の中の景色を描きこんだり。みんな思い思いの絵本をつくっていきました。

ちなみに、今回は10種類以上のテンプレートを私の方で作成しましたが、ロイヤリティフリーの素材を使ってほぼ1日で全部つくりました。あくまで、物語をつくるためのヒントとなるデザインなので、なるべくシンプルに。絵本をつくる子どもたちが想像力を膨らませられるようにしました。


これは、パンダの素材に吹き出しを付けたもの。このテンプレートを上手に使って、さらにもっとパンダを描き込んで、とても素敵な絵本をつくった子がいました。キッズの想像力は、やっぱりさすがです。


こちらはペンギン。ちょっと分かりづらいですけど、私が想定したストーリーとしては、一羽のペンギンが高い所からジャンプして、そのままスイーッと空を飛ぶのをもう一羽のペンギンが眺めていて、さらにそのペンギンも一緒に空を飛ぶというもの。

これって、視点の位置を変えるとペンギンが氷の表面を滑っているようにも見えるし、あるいは海に飛び込んで泳いでいるようにも見える。視点の位置や高さが変わることで、物語も変わっていくという。この図柄のとらえ方が子どもによって全然違っていたので、面白かったです。


これは、猫が探検しながら、他の猫とじゃれあったりするストーリー。

こういったテンプレートの作成手順としては、まずロイヤリティフリーの素材をたくさん見ていって、「あ、これはストーリーになりそうかも」という素材をピックアップしていき、それを組み合わせたりしながらテンプレートの中に落とし込む、と。どうやって素材を6コマの中に配置するか、考えるのは楽しかったです。

これは、犬の素材を使ったもの。同じ素材を使いまわししつつ、ちょっと視線の向きを変えたり、少しずつ変えつつ。最後は仲間に会うという。そんなパターン。

ウサギもね。最後に仲間と出会う、と。今回は、結構このパターンのストーリーが多かったですね。つくりやすいというのもありますが。その過程の物語について、想像を膨らましやすい、と。

これはちょっと毛色が違うテンプレートですが。荷物を運ぶ人がいて、最初は走って、次にキックバイクで、次に自転車、バイクと来て……、最後はドローンに連れ去れるという。1コマ目から5コマ目までは、素材のイラストをそのまま貼り付けたもの。6コマ目だけ、バイクと運転手を分解して、そこに別の素材のドローンのイラストを貼り付けて、運転手がオブダクションされるみたいな感じにしてみました。運転手の靴が片方脱げてるの、気づきました?

とまぁ、そんな感じで。絵本のネタとなるテンプレートをつくるのも、楽しかったです。私が年会費を払っている、商用利用可のオンライン素材サイトです。自分の創作活動の素材として、よく使わせてもらっています。時間があれば、じっくりと自分でつくるのも楽しいのですが、週末限定の「日曜アーティスト」としては、使える素材はどんどん使わせていただこう、と。

どちらかというと、素晴らしい絵本のテンプレートをつくるのが目的なのではなく、このテンプレートを使ってたくさんの子どもたちとオリジナルの絵本をつくるのがゴールなので、ここはこれで十分なのです。

というわけで、今回も子どもたちとかえっこの会場で工作ワークショップ、楽しかったです。


「日曜アーティスト」を名乗って、くだらないことに本気で取り組みつつ、趣味の創作活動をしています。みんなで遊ぶと楽しいですよね。