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【Edge Rank 1034】登らない山登りなど【TOMAKI】

年末年始は、特に旅行など遠出はせず、もっぱら近場の散歩ばかり。美術館をハシゴしたり、所沢へラーメンを買いに行ったり、地元の神社や富士塚を巡ったりなど。今回は、歩くことについて。主に富士塚巡りの魅力について書いていきます。


歩くこと

歩くのが好きだ。小田原から24時間以内に100kmの距離を歩くというイベントに参加したこともある。つまり、半径100kmは自分にとって「徒歩圏内」ということ。たまに、街歩きの企画を立ち上げて、ガイド役をやったりもする。品川エリアで山巡りをしたり、東京ビエンナーレ期間中に神田周辺を歩いたり、あるいは7月1日のお山開きの日に都内の富士塚を巡ったり。9月1日から12月にかけて、100日間で100万歩を歩くというチャレンジ企画は、今年で10年目になる。

目的もなくただ歩くのも好きだが、なにかこう、自分で「ミッション」のようなものをつくって、コースやゴールを設定して歩くというのも楽しい。そのうちのひとつが、「登らない山登り」である。

登らない山登り

私は「アーバンアルピニスト」という肩書きを名乗って、東京にある山を訪れるということを趣味のひとつにしている。都会の登山家。山に登るのだが、登らないという、ちょっと変わった遊びの活動。

主に、富士塚巡りや、低山散歩、山のつく地名や場所などを訪れている。山のつく地名と言えば、私の職場は青山にあるので、いつも山を目指して出勤している。自宅のある南千住には、山谷と呼ばれるエリアがあって、そこも登らない山登りの散歩コース。低山なら、港区にある愛宕山などはエレベーターでするりと登れてしまうので、登らない山登りにはぴったりだ。同様に、都電荒川線沿線にある飛鳥山も、モノレールでさくっと登れるの。都内近郊には、登らずに登れる山々が意外とたくさんある。

そして、登らない山登りと言えば、なんといっても富士塚。江戸時代より富士山をご祭神として信仰する「富士講」のグループが都内近郊各所に生まれ、それぞれが地元に富士山を模した小ぶりの塚を造ったものだから、それが今でも都内近郊に100以上も残っている。その富士塚を巡ってひとつひとつを参拝するというのが実に面白い。人工の小さな富士山ながら、参拝すると本物の富士山にお参りしたのと同じご利益があるというのも良い。

ひとくちに富士塚と言っても、それぞれ個性がある。歴史や由来も様々。海に近いエリアの富士塚は、実際の富士山から黒ボク石と呼ばれる溶岩石を運んできて築山したものが多い。一方で、内陸の方にある富士塚は土だけでつくられていたり。15メートルを超える比較的大きなものから、10歩くらいで登頂できるミニチュア富士までバリエーション豊か。古墳をそのまま富士塚に改造したものまである。頂上まで登れる富士塚もある一方で、保全のために登拝を禁止している場所や、年に数日だけ開放している山も。おすすめなのは、7月1日前後の「お山開き」の日。普段は登れない富士塚が一般開放され、この日だけ登れたりする。何の気なしに始めた遊びの企画ではあるが、楽しくて続けているうちに、いろいろな富士塚に何度も富士塚に訪れるようになった。中でも、「江戸七富士」と呼ばれる7つの有名どころの富士塚は、必ず毎年全部訪れるようにしている。昨年は、この江戸七富士を1日で全部訪れつつ、かつ電車移動に東京メトロの乗り放題切符を活用することで1,000円以内で巡るというチャレンジ企画をやってみた。

下谷坂本富士、音羽富士、高松富士、江古田富士、千駄ヶ谷富士、品川富士、十条富士の「江戸七富士」を巡りつつ、新宿でちょっと寄り道もしつつ芸能浅間神社や小塚原富士も訪れ、かつ品川から目黒にかけて八ツ山、権現山、御殿山、花房山などの「登らない山」も通り抜け、1日で2万9千歩(22.3km)を歩き、交通費が925円でフィニッシュ、と。ちなみに、ランチは「富士そば」で食べた。

■「江戸七富士」チャレンジの記録メモ

【富士塚】素盞雄神社「小塚原富士」※まだ開いてなかった
 |6:03 南千住(日比谷線)→6:07 入谷駅 → 6:11着
【江戸七富士】小野照崎神社「下谷坂本富士」台東区下谷2丁目13−14
 |6:30 入谷駅(日比谷線) → 6:49 日比谷駅(丸の内線)→ 7:16 護国寺駅 → 7:20着
【江戸七富士】護国寺「音羽富士」文京区大塚5丁目40−1
 |7:33 護国寺駅(有楽町線)→ 7:41 千川駅 → 7:50着
【江戸七富士】高松富士浅間神社「高松富士」豊島区高松2丁目9−3
 |8:15 千川駅(有楽町線)→ 8:17 小竹向原駅 → 8:50着
【江戸七富士】茅原浅間神社「江古田富士」練馬区小竹町1丁目59−2
 |9:31 小竹向原駅(副都心線) →9:52 北参道 →10:00着
【江戸七富士】鳩森八幡神社「千駄ヶ谷富士」渋谷区千駄ケ谷1丁目1−24
 |10:50 北参道駅(副都心線)→ 10:52 新宿三丁目駅 → 11:00着
【ちょっと寄り道】新宿マルイアネックス「オールドレンズフェス 2022秋」
【ちょっと寄り道】富士そばでランチ
 |徒歩
【富士塚】花園神社(芸能浅間神社) 新宿区新宿5丁目17−3
 |12:11 新宿三丁目(有楽町線)→赤坂見附乗り換え→12:28新橋→12:33品川(JR常磐線)157円
【城南五山・品川山巡り】八ツ山橋 13:00
 |徒歩 → 13:10着
【江戸七富士】品川神社「品川富士」品川区北品川3丁目7−15
 |徒歩
【品川山巡り】権現山 13:45
 |徒歩
【城南五山・品川山巡り】御殿山 14:00
 |徒歩
【城南五山】花房山 14:50
 |15:00 目黒駅(南北線)→王子駅 16:00
【江戸七富士】十条冨士神社「十条富士」北区中十条2丁目14−1
 |1643東十条→日暮里→1711南千住(JR常磐線) 168円
【富士塚】素盞雄神社「小塚原富士」 17:17
 └17:30 終了
* * * 
歩数: 29,120歩(22.3km)
交通費: 925円

富士塚巡りのきっかけ

「登らない山登り」というのを思いついたのは、2009年頃。日本橋でオフィスを借りて「会社ごっこ」というアートプロジェクトをやってた時には、この構想があった。富士塚に興味をもって訪れるようになったのは、2018年にボランティアスタッフとして参加したキッズ向けの街歩きがきっかけである。品川周辺を歩いていたら、近くに「品川富士」があるのを見つけたのだ。なんとなく、都内近郊にこうしたミニチュアの富士山があることは知っていたが、その後調べてみたらなんと100か所以上もあるらしいということを知った。しかも、自分がよく訪れている近所の神社にも富士塚があった。何度も訪れて見かけているのに、それまでそれが富士塚と認識していなかった。見ているのに、見えてなかったという不思議。そして、いったん富士塚が見えてくるようになると、実は身近なあちこちにあるというのが見えてくる。「知る」ってことは面白い。

次第に富士塚や富士講の成り立ちなどを学ぶようになり、富士塚のリストをつくってGoogle Mapに登録し、週末の時間があるときに散歩がてら富士塚を目指すというスタイルに。「よし、今日はこの富士塚を訪れるぞ!」と目指していくこともあるし、ふと出先で時間が余った時に「この近くに富士塚はあったっけ?」と自作のマップで探したりも。昨年は、25か所の富士塚を巡った。

おすすめの富士塚巡りコース

さてここからは、おすすめの富士塚巡りのコースをいくつかご紹介。
江戸七富士巡りも楽しいですが、都内には富士塚が集まっているエリアがあるので、散歩しながらひとつひとつ巡るのも良いと思います。

千住富士塚巡りコース

千住エリアの富士塚を巡るコースです。荒川沿いを歩きつつ、最後は南千住へ。この素盞雄神社は私の家から近いので、よく訪れます。

  1. 柳原稲荷神社「千住柳原富士」足立区柳原2丁目23−7

  2. 大川町氷川神社「大川富士」足立区千住大川町12−3

  3. 千住神社「千住宮元富士」足立区千住宮元町24−1

  4. 素盞雄神社「小塚原富士」荒川区南千住6丁目60−1

葛西富士塚巡りコース

葛西駅周辺の富士塚を巡るコースです。途中の大当稲荷には富士塚は無いのですが、たまたま訪れたら「黒ボク石」という富士塚でよく使われる溶岩石があったのでコースに加えてみました。

  1. 桑川神社「桑川富士」江戸川区東葛西1丁目23−19

  2. 長島香取神社「長島富士」江戸川区東葛西2丁目34−20

  3. 大当稲荷神社(黒ボク石のみ) 江戸川区東葛西2丁目35

  4. 雷不動 真蔵院「雷富士」江戸川区東葛西4丁目38−9

  5. 中割天祖神社「中割富士」江戸川区東葛西7丁目17−17

熊野前から文京区富士塚巡りコース

東京さくらトラム(都電荒川線)で熊野前下車。そこから上野を目指して文京区の富士塚を巡るコースです。海蔵寺には、富士講発展の祖といわれる身禄行者のお墓があります。

  1. 尾久浅間神社「尾久富士」〒116-0012 東京都荒川区東尾久5丁目13

  2. 田端八幡神社「田端富士」〒114-0014 東京都北区田端2丁目7−2

  3. 駒込富士神社「駒込富士」〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目7−20

  4. 海蔵寺「身禄行者の墓」〒113-0023 東京都文京区向丘2丁目25−10

  5. 白山神社「白山富士」〒112-0001 東京都文京区白山5丁目31−26

他にも、新宿エリア、墨田区(旧中川)エリア、羽田周辺や練馬から板橋へのエリアなど、富士塚巡りにぴったりの場所が都内にいろいろあります。私もまだまだ行ったことがない富士塚がたくさんあります。ぜひ、都内近郊にお住まいの方は、近所の富士塚を探して訪れてみてください。

今月の共通テーマ 「今年買うモノ」

昨年3月6日に「東京マラソン」に出場し、初めてフルマラソンを走りました。実は直前まで「どうせ今回も延期だろう」と思って、あまり積極的にトレーニングもせず。というのも、2020年に初めて東京マラソンに走る予定だったのが、新型コロナの影響で一般の部は中止に。翌年、抽選なしで走れるということで再度参加費を支払ったら、あっけなく延期。2022年3月も、過去の大会よりも感染者数が増えてるからどうせ延期だろうと思っていたら、意外にも「開催します」ということで驚きつつも、そこから急いで準備を進めました。

その時点でランニングシューズがかなりボロボロになっていたので、せめて中敷きだけ変えて乗り切ろうと思ったのですがやっぱり無理で。急遽シューズを発注したのが2月27日。大会の1週間前ですよ。

ところが、このシューズがものすごく足にフィットして心地よく、心配していた靴ズレをほとんど起こすこともなく無事に42.195kmを完走することができました。それに気を良くして、6月には「東京エクストリームウォーク100」に参加。小田原から東京まで24時間で100km歩くという大会で、2019年に続いて2度目の挑戦。そして11月は、自分にとってメインの大会である「越後謙信きき酒マラソン」に参加。城址あり神社ありの起伏の激しい24kmのコースを走った後、ゴールしたら即きき酒という、ユニークなマラソン大会です。6年連続の参加ですが、過去2回はオンラインでリモートからの参加だったので、現地を走るのは3年ぶり。楽しかったです。

購入からもうすぐ1年が経ち、上記の大会への出場もそうですが、トレーニングや、散歩や、登らない山登りなんかを続けていたら、あっという間にまたシューズがボロボロになってきました。きき酒マラソンの際は破れて大きく穴の開いた箇所をなんとか手縫いで繕って走りましたが、シューズとしてはもうとっくに限界を超えているようで。そろそろ新しいランニングシューズを買わないといけないかなぁ。1年間、いろんな大会に一緒に走ってくれて、ありがとう。

たぶん次も、同じ型番のシューズを買うと思います。

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今月のEdge Rank共通テーマは 「今年買うモノ」 です。年末に行なう「今年のベストバイ」の予見版です。あなたが今年きっと買っちゃいそう!というものを聞かせてください。高くても安くても構いませんが「プリン」とか「電池」みたいな生活に根ざしているものだけはご勘弁。
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編集後記

週末に、多摩川に行ってきました。多摩川浅間神社と富士塚を目当てにいったのですが、もともとこの神社は古墳の上に建てられたということを知り、さらにそこから多摩川台公園方面へ亀甲山古墳と、8つの多摩川台古墳群、そして宝莱山古墳など、一気に11個の古墳を訪れました。古墳展示室で「古墳散策マップ」を購入。今後は、「登らない山登り」に古墳も積極的に加えていこうと思います。

今回も、お読みいただきありがとうございました。
次号は、「東京散歩ぽ」の中川マナブさんです!

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「日曜アーティスト」を名乗って、くだらないことに本気で取り組みつつ、趣味の創作活動をしています。みんなで遊ぶと楽しいですよね。