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「登らない山登り」とおすすめコース

自分の趣味でもあり特技なのが「歩くこと」です。東京エクストリームウォーク100っていう100kmを歩くイベントで小田原から東京まで歩いたり、毎年100日間で100万歩を歩くというチャレンジを10年間続けて、とうとう今年1千万歩達成しました。こうなるともう、文字通り千日修行です。

せっかく歩くのなら、なにかテーマを決めたり、目標があると良いですよね。今年は、日比谷公園をパブリックアートをテーマに歩くという街歩き企画を開催したので、その前後で日比谷公園を下見もかねてぐるぐる歩き回ってました。近所を散歩したり、美術館を巡ったり、川沿いのテラスを走ったりなど。楽しいですよ。目的地にたどり着くために歩くだけでなく、ただ歩きたいのでそれに合った目的地を決めるということも。

私は「アーバンアルピニスト」という肩書を勝手につくって、都内近郊を「なるべく登らずに、山に登る」というチャレンジをずっと続けています。アイデアの種は2009年に日本橋の小さなオフィススペースを借りて「会社ごっこ」というアートプロジェクトをやってた頃にはもうあったのですが、本格的に「富士塚」を意識して登るようになったのは2017年頃からかと思います。以来、毎年「江戸七富士」を巡ったり、都内近郊にある富士塚を訪れたりなどしています。

2023年の年初に、1年で50か所以上巡りたいという目標を掲げていたのですが、12月時点で68か所訪れているので、まずまず良いペースでいろいろな「山」を訪れることができました。以下が、今年訪れた山です。

  1. 小野照崎神社 下谷坂本富士

  2. 茅原浅間神社 江古田富士

  3. 高松富士浅間神社 高松富士

  4. 鳩森八幡神社 千駄ヶ谷富士

  5. 護国寺 音羽富士

  6. 品川神社 品川富士

  7. 十条冨士神社 十条富士

  8. 柳森神社 神田柳森富士

  9. 神田明神 獅子山

  10. 神田明神合祀殿富士神社 富士塚はなし

  11. 鐵砲洲稲荷神社 鉄砲洲富士

  12. 西向天神社 東大久保富士

  13. 成子天神社 成子富士

  14. 稲荷鬼王神社 西大久保富士

  15. 芸能浅間神社 花園神社境内の富士塚

  16. 駒込富士神社 駒込富士

  17. 白山神社 白山富士

  18. 海蔵寺 身禄行者の墓

  19. 浅草富士浅間神社 浅草富士

  20. 富岡八幡宮 深川新富士

  21. 目黒元富士跡 目黒元富士跡

  22. 目黒新富士跡 目黒新富士跡

  23. 多摩川浅間神社 多摩川富士

  24. 文京ふるさと歴史館 富士講の碑

  25. 田端八幡神社 田端富士

  26. 素盞雄神社 小塚原富士

  27. 石浜神社 白髭富士

  28. 千住神社 千住宮元富士

  29. 大川町氷川神社 大川富士

  30. 柳原稲荷神社 千住柳原富士

  31. 綾瀬稲荷神社 綾瀬富士

  32. 桑川神社 桑川の富士

  33. 大当稲荷神社 黒ボク石のみ

  34. 長島香取神社 長島の富士

  35. 雷不動 真蔵院 雷富士

  36. 中割天祖神社 中割の富士

  37. 浅間塚 富士塚ではないが、浅間塚

  38. 妙亀塚 富士塚ではないが、黒ボク石

  39. 尾久浅間神社 尾久富士

  40. 摺鉢山古墳 上野公園内

  41. 猿楽塚 神社と古墳

  42. 飛鳥山1号墳

  43. 浅間神社古墳 多摩川富士

  44. 亀甲山古墳 前方後円墳

  45. 古墳展示室 展示室

  46. 多摩川台古墳群第1号墳、第2号墳

  47. 多摩川台古墳群第3号墳

  48. 多摩川台古墳群第4号墳

  49. 多摩川台古墳群第5号墳

  50. 多摩川台古墳群第6号墳

  51. 多摩川台古墳群第7号墳

  52. 多摩川台古墳群第8号墳 旧9号墳

  53. 宝来山古墳

  54. 従千住花街眺望ノ不二の碑 大橋公園内の顕彰碑

  55. 武州千住の碑 帝京科学大学千住キャンパス入口付近

  56. 隅田川関屋の里の碑 千住 仲町公園内

  57. 飛鳥山公園 飛鳥山

  58. 西郷山公園 西郷山

  59. 六義園 藤代峠

  60. 三菱開東閣 八ツ山

  61. 御殿山庭園 御殿山

  62. 権現山公園 権現山

  63. 花房山通り 花房山

  64. 品川区立池田山公園 池田山

  65. 清泉女子大学 島津山

  66. 寳登山神社 宝登山

  67. 三峰神社 三峰山

  68. 淺間神社 浅間神社

2023年に訪れた「山」の中から、おすすめのコースや、見どころをご紹介します。


江戸七富士

2018年から毎年、「江戸七富士」を訪れています。江戸時代から続く、「富士講」と呼ばれる富士山を崇める民間信仰で、富士山から溶岩石を運んでミニチュアの富士山をつくったりしました。現在も、都内近郊には200か所ほどの富士塚やその遺構が存在していると言われています。毎年7月1日のお山開きの日に例祭を行うところが多いので、その日に訪れるのがおすすめですが。今年は11月11日から12日にかけて江戸七富士を訪れました。

十条富士

十条富士

道路拡張のため、いったんバラして作り替えたばかりの十条富士。だいたい形になっているようだが、まだ完成ではないらしい。登拝はまだできない。
昨年来た時は、まだ石祠が別の場所にあったのだが、今年の山開きに間に合うように富士塚の頂上へ移設したようだ。この姿になっているのを見るのは初めて。まだ、石碑や石などに、解体時の目印であったタグのラベルがまだ貼られている。

十条冨士神社(十条富士)
〒114-0032 東京都北区中十条2丁目14-1

品川富士

品川富士

品川神社にある品川富士へ。富士登山道を通り、合目石を数えながら2分で登頂。頂上から京急本線の電車が見えます。東海道の品川宿。以前は目の前が海岸だったそうですが、埋め立てられた品川の景色が広がります。

この日は一粒万倍日だったそうで。この富士塚の近くにある一粒万倍のご神水で小銭を洗ったので、1万かける1万で、1円が1億円分になるという。気分だけはリッチです。

品川神社(品川富士)
〒140-0001 東京都品川区北品川3丁目7-15

下谷坂本富士

下谷坂本富士

入谷駅から徒歩で4分。小野照崎神社の境内にある富士塚です。普段は入ることができませんが、7月1日のお山開きの日に何度かここに登ったことがあります。この日は、夜の到着。本殿に参拝して、富士塚を麓から眺めました。

小野照崎神社(下谷坂本富士)
〒110-0004 東京都台東区下谷2丁目13-14

音羽富士

音羽富士

江戸七富士のうち、唯一お寺の境内にある富士塚、音羽富士へ。ここは、いつでも登拝できる富士塚です。夏に来るとたいてい蚊に刺されるのですが、さすがにこの季節はもう蚊はおらず。すっと登って、お参りして、すっと下山。

護国寺(音羽富士)
〒112-0012 東京都文京区大塚5丁目40-1

高松富士

高松富士

国指定重要有形民俗文化財「豊島長崎の富士塚」へ。公園から見える、高さ8メートルのミニチュア富士山。ここも、お山開きのタイミングだけ、登拝することができる。今日は、麓の公園から参拝。

高松富士浅間神社(高松富士)
〒171-0042 東京都豊島区高松2丁目9-3

江古田富士

江古田富士

江古田富士が登拝できるのは、年に3回。今日はその日ではないのでひっそりしてるかと思いきや、意外と人がいた。そうか、七五三か。7月1日のお山開きの日は、参拝する人たちが集まります。

茅原浅間神社(江古田富士)
〒176-0004 東京都練馬区小竹町1丁目59-2

千駄ヶ谷富士

千駄ヶ谷富士

最後は鳩森八幡神社の、千駄ヶ谷富士。富士塚に初めて登る人には、ここをおすすめしています。コースもわかりやすく、丁寧な案内板もあるので。登拝記念の御朱印もいただきました。昨日、一粒万倍日に一粒万倍の御神水で清めた10億円の価値がある10円玉を神社と奥宮の両方にお賽銭として納めてきました。富士詣の御利益、すでにすごいかも。こんなタイミングで、境内で知人に会うとかね。

鳩森八幡神社(千駄ヶ谷富士)
〒151-0051 東京都渋谷区千駄ケ谷1丁目1-23

隅田川沿いを浅草へ

江戸七富士以外にも、都内にはたくさんの富士塚があります。隅田川沿いを南千住から隅田川歩くコースもおすすめ。私の自宅の近くなので、よくこの富士塚に訪れます。

南千住富士

南千住富士(小塚原不二)

「富士塚」というものの存在を知って、意識して調べるようになると、意外と都内にたくさんの富士があることに気づきます。この神社も、自宅から近く何度も通ってたのですが、最初のころはここに富士塚があることに気づいていませんでした。目には入っていても、それがなんなのか正確にはわかっていなかったと。草木の名前とか、虫や鳥なども同じですよね。知るということで、それが見えてくるようになる。

この南千住の富士塚は、そんな学びと気づきを思い出させてくれます。というわけで、家から一番近い富士塚なので、毎年何度も訪れています。

素盞雄神社(小塚原富士)
〒116-0003 東京都荒川区南千住6丁目60-1

白髭富士

白髭富士

この富士塚は、隅田川沿いの石浜神社の境内にあります。対面に東京ガスの巨大なガスタンクがあるのも特徴的。富士塚は、移転にともない作り直されたので、頂上にある石碑はあとから設置されたものだと思います。「富士講関係石造物群」として荒川区指定有形文化財・歴史資料に登録されています。

石浜神社(白髭富士)
〒116-0003 東京都荒川区南千住3丁目28-58

浅草富士

浅草富士

10歩で登れる、高さ約2メートルの富士塚です。浅草は浅草寺が有名ですが、この浅草富士浅間神社も神仏習合の江戸時代には浅草寺子院 の修善寺が管理していました。神仏分離の政策により、明治6年(1873年)より浅草神社の兼務社となっています。なお、この富士塚は平成28年(2016年)6月に再建されたものです。

浅草富士浅間神社(浅草富士)
〒111-0032 東京都台東区浅草5丁目3-2

富士公園

富士公園

浅草富士のすぐ近くに、富士の名前のついた公園があります。富士山の形をしたトイレや石碑、モニュメントも。

台東区立富士公園
〒111-0032 東京都台東区浅草4丁目47−17

新宿富士塚巡り

新宿周辺にも、富士塚がいくつもありますよ。週末、のんびりと歩いて巡りました。

成子富士

鳴子富士

成子天神社の祭神は、菅原道真。つまり、天神様をお祭りしている神社です。鳥居をくぐり、本殿をお参りしたあと、左わきの道を進み富士塚へ。しばらく歩くと、富士塚が現れます。高さは12メールで、富士塚の中では大きな部類に入ります。築山されたのは意外と新しく、大正9年(1920年)だそうです。新宿区指定有形民俗文化財です。

成子富士浅間神社(鳴子富士)
〒160-0023 東京都新宿区西新宿8丁目14−1

稲荷鬼王神社

稲荷鬼王神社

稲荷鬼王神社の富士塚は、今回初めて訪れた。本殿の向かって左の奥の方。道の両脇に二か所に分かれて富士塚があります。もとは一つだったのだが、移転と修復を経て現在のような形になったらしい。神社の境内には古い昭和のポスターが展示されていたり、眼球食鬼という妖怪の石像があったり、そしてももちろん東京ビエンナーレの作品が展示されていたりなど、とてもユニークな神社だった。

稲荷鬼王神社(新宿山ノ手七福神 恵比寿)
〒160-0021 東京都新宿区歌舞伎町2丁目17−5

東大久保富士

東大久保富士

新宿6丁目にある西向天神社(にしむきてんじんじゃ)にある東大久保富士。神社の名前の由来は、西を向いているからだそうです。かつては、東大久保村の鎮守社で、大久保天満宮と呼ばれていました。西向きの斜面にあるこの東大久保富士は、天保13年(1842年)に造られたもの。ここは柵に覆われていて、中には入れませんでした。

西向天神社(東大久保富士)
〒160-0022 東京都新宿区新宿6丁目21−1

芸能浅間神社

芸能浅間神社

花園神社境内にある芸能浅間神社の富士塚。高さは1.5メートルほどで、かなり小ぶりです。中央をモルタル製の階段があり、8歩で登頂ができます。「芸能」を名乗る神社だけあって、寄進者には芸能人、あるいは芸能人を目指す人が多いみたい。神社を取り囲むように設置されている寄進者の名前を見ていくと、時々知っている名前が見つかりますよ。

花園神社(芸能浅間神社)
〒160-0022 東京都新宿区新宿5丁目17−3

熊野前~秋葉原コース

都電荒川線で熊野前駅で降りて、秋葉原方面へ向かうコースです。

尾久富士

尾久富士

都電荒川線(東京さくらトラム)の熊野前駅のすぐ近くにある、尾久浅間神社の富士塚。ここは、駐車場を入った奥の方にあります。鳥居と民家が重なるように立っていて、なかなか入りづらいですが、登って参拝ができます。鳥居をくぐって石段を上るとあっという間にてっぺん。お狐様の石像と、赤い小さな鳥居があります。富士塚の表面は溶岩が固まった黒ボク石で覆われています。

尾久浅間神社「尾久富士」
〒116-0012 東京都荒川区東尾久5丁目13

田端富士

田端富士

田端八幡神社の摂社、富士浅間社の「田端富士」です。八幡様の本殿へ向かう石段を右に逸れて、脇道の石段の途中にあります。田端山元講の石碑もありますね。ここも、登って参拝ができます。田端富士のある田端八幡神社は、1189年(文治5年)に創建された神社。源頼朝が奥州征討の後につくったとされています。1990年に放火されて焼失。現在の社殿は1993年に再建されたものだそうです。富士塚は、田端冨士三峰講によって造られました。

田端八幡神社「田端富士」
〒114-0014 東京都北区田端2丁目7−2

駒込富士

駒込富士

富士塚は、もともとあった塚や古墳などを利用して作られることも多く、この駒込富士ももとは前方後円墳だったとも言われています。石碑の文字の部分を真っ赤に塗ってあり、なかなかインパクトがあります。

駒込富士神社「駒込富士」
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目7−20

六義園

六義園

ここには富士塚はないですが、日本庭園の中に山や峠と呼ばれる造形があります。「回遊式築山泉水庭園」の大名庭園。都立の庭園で、入場料が必要です。藤代峠を登って、庭園が見渡せる頂上へ。ここもまた、東京の登らない山登りスポットです。

六義園
〒113-0021 東京都文京区本駒込6丁目16−3

身禄行者の墓

身禄行者の墓

身禄行者は、富士信仰の中興の祖と呼ばれる人物。別名、食行行者といい、富士山で断食をして自ら命を終えました。そのお墓が海蔵寺にあります。このお墓も、富士山の溶岩石である黒ボク石で覆われ、さながら富士塚のようです。

海蔵寺「身禄行者の墓」
〒113-0023 東京都文京区向丘2丁目25−10

白山富士

白山富士

文京区にある白山神社。ここには、白山富士と呼ばれる富士塚があります。
残念ながらここは中に入れないようで。柵の扉には鍵がかかってました。この富士塚も、もともと古墳だったようですね。

白山神社「白山富士」
〒112-0001 東京都文京区白山5丁目31−26

富士講の碑

文京ふるさと歴史館の敷地内にある「富士講の碑」は、もともと護国寺の富士塚に設置されていたもの。巣鴨「すかも同行」から奉納されたものをこちらに移設したそうです。

富士講の碑
〒113-0033 東京都文京区本郷4丁目9

多摩川古墳巡り

多摩川エリアには、富士塚だけでなく古墳もあります。この日は、多摩川富士からスタートして、古墳を巡りました。

多摩川富士

多摩川富士

多摩川台駅を降りて、多摩川浅間神社へ。もともとここは、古墳でした。この場所に神社ができたのは、今からおよそ800年前。源頼朝の後を追ってここまで来た妻の政子が、ここで休んだ時に身につけていた正観世音像を残したため、その像を富士浅間大菩薩と呼んで崇拝したのが多摩川浅間神社のおこりだということです。とにかく、歴史が長いので古墳や頼朝、富士信仰など、いろいろなものが積み重なっていてとても不思議で面白い神社です。

浅間神社古墳(多摩川富士)
〒145-0071 東京都大田区田園調布1丁目55-12

亀甲山古墳

亀甲山古墳

亀甲山(かめのこやま)古墳は、多摩川流域最大の前方後円墳。全長107メートルあまり。4世紀後半の築造らしいです。浄水場建設のため、一部が削られています。

亀甲山古墳(前方後円墳)
〒145-0071 東京都大田区田園調布1丁目63−1

古墳展示室

古墳展示室

大田区の多摩川台公園管理事務所に併設される形でつくられている古墳展示室へ。古墳を模した造形物の中に入ると、そこが展示エリアになっていて、かなり本格的。それぞれの古墳の調査結果や、出土物、そして位置なども模型を使って分かりやすいです。多摩川沿いの立体地図などもあって、ボタンを押すと該当する場所が光る展示など、博物館らしくて良いですね。

古墳展示室
〒145-0071 東京都大田区田園調布1丁目63−1 大田区多摩川台公園管理事務所

多摩川台古墳群

多摩川台古墳群

古墳展示室を見た後、多摩川台古墳群を巡りました。第1号墳から第8号墳まであるのですが、それぞれの古墳が非常に近いので思ったよりもあっという間に全部見ることができました。なお、もともと第8号古墳だと思われていたのは実は単なる盛土で、あとから「これは古墳じゃない」とわかったらしい。なので、もともと9号墳だったのが、8号墳になりました。旧8号墳の悲哀。

多摩川台古墳群(1号墳~8号墳)
〒145-0071 東京都大田区田園調布1丁目63−1

宝来山古墳

多摩川古墳巡りのしめくくりは、宝萊山古墳へ。こちらは、多摩川流域最古の前方後円墳とのこと。全長は97メートル。昭和9年(1934年)の宅地造成工事で埋葬施設が発見され、鏡や勾玉などが出土されました。こちらの古墳は、上の方まで登ることができます。

宝来山古墳
〒145-0071 東京都大田区田園調布4丁目4−1

代官山・目黒周辺

代官山に古墳があるっていうのも面白いですね。代官山から目黒にかけて、古墳と富士塚跡を巡るコースです。

猿楽塚古墳

猿楽塚古墳

猿楽町の町名の由来にもなった猿楽塚古墳。鳥居をくぐって階段を上ると、頂上には猿楽神社があります。6-7世紀の古墳時代末期の円墳だそうです。代官山に登れる古墳があるって、なんだか不思議。

猿楽塚古墳
〒150-0033 東京都渋谷区猿楽町29−9

目黒元富士跡

目黒元富士跡

目黒には、元富士と新富士がありました。どちらも現在は残っておらず、そこに以前あったことを示す立て看板だけが残っています。元富士は、もともとあった富士。富士見坂を上り切ったところにあることから、ここから昔は富士山が見えたのでしょうね。

目黒元富士跡(目黒元富士跡)
〒153-0051 東京都目黒区上目黒1丁目8

目黒新富士跡

目黒新富士跡

目黒元富士が造られたのは文化9年(1812年)。それから7年後の文政2年(1819年)に、目黒新富士が作られました。昭和34年まで残っていたそうですが、今は説明板があるのみです。

目黒新富士跡(目黒新富士跡)
〒153-0061 東京都目黒区中目黒2丁目1

葛西エリア

さて、少し足を延ばして葛西エリアの富士塚を巡ってみましょう。

桑川富士

桑川富士

葛西駅から徒歩で約15分のところにある、桑川神社。ここには、桑川富士と呼ばれる富士塚があります。桑川神社は文久年間の火災で記録が紛失しているため、いつ建てられたのかは不明だそうですが、富士塚は昭和4年(1929)に、旧桑川村の山玉参拝講の人たちによってつくられたそうです。比較的新しい富士塚ですね。富士塚を観察してみると、富士山の溶岩石である黒ボク石が使われている他、ところどころに昔の人たちが力比べに使っていた「力石」も混ざっています。

桑川神社「桑川富士」
〒134-0084 東京都江戸川区東葛西1丁目23−19

長島富士

長島富士

長島香取神社の「長島富士」。桑川神社同様、こちらも記録が焼失しているため、詳しい創設年は不明です。山玉参拝講によって造られた富士塚という点でも、桑川神社と同じ。最初から二つの富士塚だったのか、あるいはひとつの富士塚が二つに分かれたのか。高さは約4メートルあるので、結構大きいですね。明治41年(1908)に旧長島・桑川両村の山玉三拝講の人びとによって築かれ、大正6年(1917)に改築されたとのこと。昭和58年3月に、江戸川区登録有形民俗文化財に登録されています。

長島香取神社「長島富士」
〒134-0084 東京都江戸川区東葛西2丁目34−20

大当稲荷神社

大当稲荷神社

「大当」という名前が演技良さそうなので、立ち寄ってみました。富士塚はないのですが、富士塚によく使われる黒ボク石は境内にありました。こちらの神社も文久年間の火災で記録が焼失したため詳細は不明ですが、長島香取神社の境外摂社です。

大当稲荷神社(黒ボク石のみ)
〒134-0084 東京都江戸川区東葛西2丁目35

雷富士

雷富士

雷不動 真蔵院の「雷富士」は、お寺の敷地内にある富士塚です。富士山の神様を祀る浅間神社が、お寺の境内の中にあるという形ですね。真蔵院は、真言宗豊山派のお寺。天文年間(1532~1555)に空誉上人によって開山されました。このお寺のご本尊が「雷不動」なので、ここの富士塚も「雷富士」と呼ばれているようです。ちなみに、「かみなりふじ」ではなく「いかづちふじ」です。

雷不動 真蔵院「雷富士」
〒134-0084 東京都江戸川区東葛西4丁目38−9

中割富士

中割富士

さて、葛西富士塚巡り散策のゴールは、中割天祖神社の「中割富士」です。慶安2年(1649)創建。平成元年に当地へ移転しました。もともとはお寺だったようですね。ここの富士塚は昭和元年(1926年)に築造されたもので、神社の移転とともにここに移築されました。

中割天祖神社「中割富士」
〒134-0084 東京都江戸川区東葛西7丁目17−17

富士塚巡りまとめ

2023年にわたくしが巡った富士塚や古墳などの「登らない山登り」のリストと、おすすめの富士巡りコースをご紹介しました。ほかにも、特徴的で興味深い富士塚がたくさんあります。散歩しながら巡るのは楽しいですよ。

今後も、「アーバンアルピニスト」として都内近郊で登らない山登りを続けていきます。機会があったら、一緒に巡りましょう。


「日曜アーティスト」を名乗って、くだらないことに本気で取り組みつつ、趣味の創作活動をしています。みんなで遊ぶと楽しいですよね。