わたしが無料でヨガをしない理由

少し前にInstagramのストーリーに
【わたしは無料でヨガを提供することはありません】といった主旨のことを書きました。

様々な方面からご意見を頂き、わたし自身もびっくりしています。
好意的な意見、同感だという意見、違う意見ではあるけど受け入れるという意見、否定的な意見。

全て目を通しましたしお返事もしました。

尊敬している友人のヨガインストラクターからは、『中途半端な書き方だと余計に誤解を招くから、理由も書いた方がいい』とアドバイスもいただきました。

わたしは『理由を書けば無料でしている人達への批判と捉えられかねない。』という懸念もあり、公開することはしませんでした。

ただ、わたしを大切に思ってくれているその友人やお客様からも、『悪者だと思われたくない』『理由を知れば分かってくれる人もいると思う』ご意見を頂いたこともあり、とても長い文章にはなりますが、記してみます。

理由はいくつかあります。

一つ目は
わたしは仕事として携わっている以上、続けていけるものしかしません。
無料提供をどんな人にも等しくずっと提供できるのであれば、わたしもするかもしれませんが、現状、わたしに『お金を支払ってレッスンを受けている』人がいてくださる以上、無料で同じクオリティのものを提供することはできません。
となると、何かに変化をつけなければなりません。
それがレッスンの時間なのか、説明の仕方なのか…やったことがないので分かりませんが、クオリティの『高い』『低い』ができてしまいます。
同じものを無料と有料で提供することはできませんし、私自身が、同じ熱量をもってレッスンに望みたいのです。
わたしは出来る限りの力と知恵を全てのレッスンに注ぎたいのです。

そのためのモチベーションが保てないのです。
それは、有料レッスンをさせてもらっているからこそのモチベーションであり、生活のため(も全くないとは言いませんが)だけではありません。

また無料提供をすることで、お客様が継続的に受講しづらくなるという点もあります。
気兼ねなく受けていただくには、受講料は必要なものなのだと思います。

二つ目はヨガはイベントではないからです。
ヨガは暮らし方、生き方そのものだと思っています。
わたしが無料提供を仮にするとしたら、継続できないと思っていることもあり数回だと思います。
そうなると途端にヨガはイベントになってしまいます。
わたしはヨガをいかに生活になじませるか、浸透させるかが大切だと思い、それを伝えています。
イベントごととなってしまうと、わたしがお伝えするヨガの性質とは少しばかり異なるものになってしまいます。

三つ目は、ヨガは与えられるものではないと思うからです。
無料提供ということは、受けられる方は当然何も支払わないことになります。
もちろん、時間を頂くことになりますが、ヨガをする時間は『お客様自身のための時間』であり『わたしのための時間』ではありません。
時間も大切な財産であることは分かっていますが、その財産はわたしに向けて使うのではなく、お客様自身のために使うものです。
その意識が無料であれば、少し薄くなりがちです。

『無料だから~と適当に受けてしまう』
例えば、フリーペーパーと買ってきた本。
どちらも時間を使って読みますが、多くの人がフリーペーパーからの情報はさらっと流してしまうし、フリーペーパー自体を大切に扱うことはしないのではないでしょうか。
少し例えにするには、荒っぽいかもしれませんが、わたしは様々な施設での経験上、似たようなことが起きてしまうと思います。

もちろん、無料でも大切にヨガの時間を過ごす方の方が多いと思います。
ただ、みんなでヨガをすることを考えたときに、わたしはできるだけ、ヨガに真剣に取り組む方にお集まり頂きたいと思っています。

また施設からの依頼で、お客様からは寄付金としてお預かりし、報酬なしでレッスンをさせていただくことはあります。
無料提供と違う点は、お客様は一度お支払されているということ。
それが寄付金であったとしても、寄付をするという気持ち、お金を支払ってヨガを受けていることに変わりはないと私は認識しています。

ですので、今後、わたしの社会貢献の仕方としては、無料提供はしなくても、レッスンの売上を寄付をするということはしたいと思っています。

四つ目は三つ目と似ていますが、ヨガはみんなでするものであるという認識があります。
その空間、そのレッスンを維持するためにも、わたしは受講生としてヨガのレッスンを有料で受講します。
ずっと続いてほしいからです。
ずっと続いてくれないと自分が困るからです。

また空間というのは、場所という物質的なものを越えて、エネルギーレベルの話です。
一人でも好き勝手な行動(例えば電話に出たり、レッスンに無関係な私語を始めたり…)をとる方がいればその空間は一瞬で崩れてしまうことがあります。
(そんなこと、経験ないですが)

つまり、わたしはヨガを受け身ではなく主体性を持って受講してほしいと考えているのだということを改めて感じました。

皆様それぞれに様々な事情がおありです。
特に今は、色んな不安や事情を抱えている人が多いです。

私自身も例外ではなく、来月の収入は家賃を大幅に下回ります。
世帯主で独り暮らしですので、他に収入もありません。
これは、わたしの身の上だけでなく、たくさんの方にも起こっていることだと思います。

無料でレッスンすることで、少しでも多くの方にヨガを届けたい。
その思いで無料提供されているインストラクターもたくさんいらっしゃると思います。
とても素敵な取り組みだと思います。
その方々を否定するつもりも、無料レッスンを受講されている方々を否定するつもりもありません。

文中にも書きました通り、無料のレッスンを受講されていても、主体的に受講できる方が多いと思います。

ただ、グループレッスンの特質上、お一人でも受け身な方、もっと言えば無料だから、真剣に取り組まない方がいらっしゃった場合、他のお客様への影響も懸念されます。
わたしにはその影響を受けた場合に、士気を盛り上げる技量がありません。

『無料でレッスンしてくれませんか?』という問い合わせが数件あり、Instagramのストーリーに投稿しました。

事実のみをさらっと記すつもりでしたが、その結果言葉足らずで傷つけてしまった方もいるかもしれません。
配慮が足りず、反省します。
投稿を消してほしいとの声も頂きました。
わたしは、一度投稿したものには責任を持ちたいとの思いから消すことはしませんでした。
傷つく人が増える、との意見も頂きましたし、関係あるかないか分かりませんが、フォローを外された方もいます。

本当に自己満足というか独りよがりなのかもしれないですが、わたしは心から感じることしかしたくありません。
今のところ無料レッスンでボランティアしよう!とは残念ながら心から思えません。
もちろん、この状況下で何かできることはないかと一度は考えました。
純粋な気持ちでレッスンの無料提供を考え始めましたが、後から『そのまま有料レッスンに切り替えたときのお客様になってくれるかも』という下心が自分で見えたときに、『わたしはしては無料提供をしてはいけない人間だ』と思いました。
そんな風に思うなら最初から、潔くビジネスとして無料から有料へ切り替えるという試みをしたいです。
外側から見たらその2つは、同じことなのかもしれませんが、私の中では初動の気持ちがとても大切で、大きく異なります。
ボランティアとしての取り組むのであれば、純粋に取り組みたいのです。

わたしは、ヘアドネーションや献血、募金箱に小銭ですが見つけたら募金、基金に年に一度少額の募金をしています。
ヘアドネーションはまだ一度ですが、継続できるもの、そして、その見返りを求めずに行っています。
(とは言っても、献血ではジュースも飲んでアイスも頂きますが…)
そういった気持ちと同じように、ヨガを無料提供できる日が来るのかもしれません。
そうなったときには、またこうしてどこかで自分の気持ちを記してお知らせしたいと思います。

長文、最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。

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