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多重人格(解離性同一症)は記憶障害の一種です

24人のビリー・ミリガンなど

多重人格障害という言葉は、「アルジャーノンに花束を」で有名な、作家のダニエル・キイスの1992年の著書「24人のビリー・ミリガン」によって有名になりました。

現在その病名は、解離性同一症という精神障害とされており、複数の人格が同一人物の中にコントロールされた状態で交代して現れるというものです。

古くはジキルとハイドや、そこから派生したと思われるMARVELのハルクなども人格をテーマとしています。

物語の世界では、薬などによって人格が変化しますが、解離性同一症という病名が付かなかった時代に発症した人は、異常者や悪魔が憑りついた人として扱われたはずです。

現在、解離性同一症は、DSM(精神障害の診断と統計マニュアル)や、記憶障害の一種として扱われています。

なぜ多重人格が記憶障害なのか?

人はストレスを感じると、副腎皮質からコルチゾールというホルモンを分泌します。

コルチゾールは代謝に関与するホルモンで、その分泌量によっては免疫低下などを引き起こしますが、それだけでなく、大量のコルチゾールが分泌されると、海馬を萎縮させることが分かっています。

海馬は側頭葉から長期記憶の出し入れを司る部位です。つまり、コルチゾールによって海馬がやられてしまうと、記憶の制御に支障をきたすことになります。

例えばブラック企業などで強いストレスを受け続けていると、そこに勤務していた期間の記憶が曖昧になったり、記憶が麻痺したような感覚になるということがよくあります。

「ストレスに対しての防衛反応」などと言われていますが、これはおそらく海馬の萎縮による後遺症です。

人の現実(リアル、リアリティ)は記憶によって作られています。

コルチゾールによる海馬の萎縮は、記憶の分断も引き起こすので、複数の人格が共存しているような多重人格症状が表れるのです。


先述した解離性同一症のビリー・ミリガンに多重人格が芽生えた原因は、強いショックや、肉体的・性的な虐待を受けた強烈なストレスによるものと考えられています。

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