Story of Kanoso#23「棒アイドルという子供騙し」/毎週ショートショートnote
30代くらいの男を乗せたタクシーが、彼礎市乙羽区に建つアパート「報恋荘」に着いた。
男はタクシーから手早く降りると、2階の部屋に向かっていった。
「クオーレ様。また一人引っ掛かりましたよ、『棒アイドル』に」そう呟いて中に入った男を待っていたのは、仮面を着けて黒いマントを身に纏った謎の人物だった。
「よくやった、アクシス!」
この人物こそが「クオーレ」らしく、両手を広げて男を歓迎するそぶりを見せた後、男からバッグと片方だけの箸を受け取った。
「アクシス」と呼ばれた男は箸を指して笑う。
「いやぁ、こんな子供騙しに引っ掛かるとはこの世界の人間は幼稚なのですね」
「そうだ。箸に簡単な幻覚魔法をかけただけの『棒アイドル』で金品を奪えるのだから安いものだ、フッフッフ」
彼らは謎の魔法犯罪集団、「クオーレパーティ」。
今日も魔法を悪用して、彼礎で犯罪行為を働いているという。
(了)(416文字)
あとがき
これが「棒アイドル」の2本目です。
ずいぶんファンタジーな展開になりましたが、3本目は毎週ショートショートnoteからは抜け出して書くつもりです。410字軽々越えそうなので。
ちなみに彼礎には以前出した地下集団の魔法少女達がいます。
さぁ、それが出てくるのか!お楽しみに。
Writen in the commuter train“2772“(Operated by Kintetsu Railway)
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