疲れたら、迷ったら、帰るべき場所
20代か30代か、あるとき「自分には小学生の頃に決意した人生の目的があったな」と思い出した。
決意した小学生当時そして思い出したときには、何を成し遂げるのかが全くなかった。
いまはある。
それは、統合失調症あるいはその他の精神病に対する世の中の捉え方を不可逆的に変えてしまうという仕事だ。
統合失調症になったとき、私は自分を恥ずかしいと思った。そして、そう感じるのは自分が知らないうちに偏見を持っていたからだと気がついた。また、病気特有の症状により感情が岩のように動かなくなったことを観察した。私は、こういった発病当初からの自分の意識・精神・心の変化に興味を持った。探求が始まった。そのうちわかったのは、病気の実情と、世間一般の病気に対するイメージとがかけ離れていることだった。
幸運にも、私はその発見を福祉にかかわる人たちに発表する機会を与えられた。また、それらをブログに書くようになった。はじめは日記としてしか書けなかった。何年も続けていくうち、ハウツーや解説として書けるようになった。そうやって書き溜めたものが、もうすぐ出版される。
本が出れば、目的を達成したことになるだろうか?
一部分はそうだ。けれど一部分だ。それだけでは足りない。
多くの人に本を届けたら終わりだろうか?
違う。届けたらそれを根づかせるためにやることはたくさんある。
私は慢心したくない。
途中で終わりにしたくない。
疲れてしまったら、道に迷ったら、成し遂げるべき目的に帰って来よう。
そうやってやり抜きたい。