日本では泣き、アメリカでは笑う

 アメリカに住んでいた時、TVでDIYの専門チャンネルをよく見ていました。
別にDIYが好きだからではなく、このチャンネルを見ると日本とアメリカの文化の違いを驚くほど感じることができたからです。

このチャンネルを見るきっかけは、
ラッパーの「Vanila ice」がDIYの道具や使い方を紹介する番組を見たこと。
正直、目を疑いました。
ただ、元気そうでなぜか安心したことが印象的でした。
しかし、そんなの序の口でした。

最も衝撃だったのが家を改築してあげると言う番組。

日本でいう「劇的 ビ◯ーア◯ター」のような番組です。

想像してください。
日本の番組では、長い間お世話になった家が取り壊される時、
家主の家族がその光景を見ながら、思い出に振り返りながら涙を流す。
そして、家の思い出を振り返るようなナレーターが流れる。
見ている人も感傷的な気持ちになる。

これが日本で家を改築するという番組でよくある光景です。

アメリカは全く違いました。

選ばれた家族は驚くレベルでテンションが高く、終始笑顔。
番組MCがこの家族と家族が住んでいた家を紹介。
なんとなく、古くなった家に対する不満の方が多く紹介される。

そして、家の外に移動した後
大きな鉄球が取り付けられた重機が外に配置されていて、
家主に「このボタンを押せば家が壊れる(鉄球発射)」と紹介。
この家主の周りには友人や解体するであろう屈強なおじさんたち。

ボタンの前で絶叫する家主。
それに応える周囲の人々。
なんのためらいもなく、鉄球のスイッチを押す家主。

なんの躊躇いもなく放たれた鉄球が家に直撃。壊れる家。
そして、絶叫する家主。
その絶叫に応えて歓声をあげる周りの人々。

涙なんて一切ありません。

完成の後に、ハンマーを持った人々が家を壊していく。
満面の笑みで喜びながら。

驚きしかありませんでした。
「泣かないんだ・・・」と。

他の回では、近所の人たちが解体する役目となり
家主が最初に住んでいた家に向かってハンマーを振り下ろしたと同時に
近所の人たちが壊しにいくなどなど。

どの回を見ても、住んでいた家を壊すときは、
家主は清々しいくらい歓喜の雄叫びをあげていました。

そしてMCは家を壊す時に「おめでとう。新たなスタートです。」と言うのです。

日本は、家の最後の姿に寂しさと思い出を感じ
アメリカは、新しい家への喜びを爆発させる。

あまりにも両極端だろとテレビに向かって言っていました。

ちなみに、このチャンネルで他にもやっていた企画が
住んでいた家をそのまま運搬して引っ越すと言うものでした。

自分が日本で培った常識は、世界の常識ではないんだな
そんなことを痛感することが多いチャンネルでした。

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