イントロ
みなさん、こんにちは。
ここでは本日のCNBC番組に出演したTom Leeの発言の後半部分を紹介します。
小型株の動向
番組アンカーはTom Leeが今年初めに予想した小型株の上昇について、現在の状況をまとめ、さらにTom Leeの最新の見解を聞いています。
和訳(意訳含む)「個人的には年初に考えていた以上に、Russell 2000が他の指標を超える成長を見せる舞台は整っていると見ています。Q1の決算も出てきて見通しが立ちやすくなっています。例えば、Russell 2000企業のEPS中央値はS&P500のそれよりも600ベーシスポイントも高くなりました。つまり、小型株は利益成長しているのです。また、PEレシオでみればS&P500の中央値PEよりもかなり割安な評価になります(11倍 vs 16倍)。リスク・リターンでみれば、明らかにRussell 2000の方がより良い投資対象となるでしょう。ただし注意が必要な点は、小型株の上昇はFedがハト派であるとマーケットが納得することが大前提となります。ここから利下げ回数の見通しが収斂し、もしも利下げ回数見通しが上げられるようなことになれば、小型株にとっては非常に良好な相場となるでしょう。また、そうなればキャッシュは株式市場に流入してくるはずですし、2024年の年末までに50%の上昇も、依然として可能性はあります。」
このような小型株への強気姿勢は、Tom Leeの最近の一貫した姿勢です。
公共セクターの上昇が意味するもの
さらに、最近の公共セクターやStaples(必需品)分野の好調な動きが何を意味しているのかについて、Tom Leeは次のように述べています。
和訳(意訳含む)「公共セクターの最近の動きは金利敏感株と言われる所以をいくつか示していると思います。ですから、最近の動きは10年債が今後さらに下がる可能性をマーケットが織り込んでいるのかもしれません。一方で、景気後退局面に備えたディフェンシブ株目当ての買いが入っている可能性もあり、その場合はネガティブな兆候です。もしくは、AI相場の影響を受けているのかもしれません。莫大なエネルギー消費を伴うデータセンター需要によりエネルギー不足が懸念されていますので。ただし、これらすべての
理由付けは決定的な論拠(データ)に欠けますが、どちらにせよ市場の拡大です。S&P500が史上最高値を伺おうとしている現時点では、投資家は半分慎重に、全体像を見る必要があります。」
この発言を聞いての率直な感想は、Tom Leeは公共セクターの好調をネガティブには見ていないと思いました。
Mega-capsは依然として強い
最後に、マグニフィセント7に代表される巨大時価総額企業についての見解です。
和訳(意訳含む)「メガキャップ株を保有している人は3年スパンでみる必要があります。大事な点は、長期的なストーリーはこれらの企業を支持しているということを理解することです。これらの巨大企業はGDPが1.6%しか成長しない現在も驚くべき成長を遂げています。今後数四半期でこの勢いが衰えるとは思えません。そして、その原動力が生成AIであろうと、クラウド消費であろうと、ソーシャルメディアであろうと、ミレニアル世代であろうと、長期的なストーリーは不変です。ですから、今後も長い期間、成長をけん引するでしょうし、言ってみれば全世界で最も優れた企業であり、希少な存在です。」
最後に
以上、今日は2本立てで最新のTom Leeのインタビュー内容を紹介しました。
それにしても、いつも感じるのですがTom Leeはとても勇気がありますよね。普通は、CPIを前に様子見を決め込む投資家やアナリストが大半なはず。
それに対して、明日に控えた4月CPIの発表の前日に、今月は買いだ!と大声で叫ぶアナリストは、下手をすれば24時間以内に強烈なカウンターパンチを食らう可能性もあるわけです。Tom Leeが日ごろ言っているように、大量のデータでバックアップされた結果としての言動なのでしょうが、、、
さて明日はどのような展開になるのでしょうか。
それでは。