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おすすめの鳥の本「渡り鳥の世界」

鳥が好きならぜひ読んでほしい本です。
中村 司著『渡り鳥の世界 渡りの科学入門』(山日ライブラリー)
新書判で200ページ程の薄い本ですが、内容はとても濃いです。
鳥は翼があるので長距離移動が可能ですが、なぜ渡りをするのか?
それは遺伝的なものなのか、環境的なものなのか?
どうして正確に目的地へ辿り着けるのか?
鳥好きなら一度は疑問に感じることだと思います。

古い研究から最近の研究までわかりやすく書かれていて、これを読むことで渡り鳥の偉大さを感じることができると思います。
最近の研究では鳥に負担をかけない様な方法を使ったりと、時代ごとに研究方法が変化しているのも面白いです。

単に季節を感じさせる、風物としての野鳥ではなく、生き物としての鳥の凄さ、そしてそれを一生の研究として解明しようとする人たちの情熱が伝わってきます。
春、秋にやって来る渡りの鳥たちを、綺麗、かわいいだけで観察するのは勿体無いと思います。
まして、数千キロにおよぶ渡り途中の鳥たちを餌付けして渡りを遅らせたり、撮影するために追いかけたりなどは、本書を読んだらできないはずです。
命懸けで渡る鳥たちへの見方がきっと変わると思います。

本書で言及の多いカシラダカ
中村氏は長年カシラダカの研究をしていたそうです

山梨日日新聞社の本なので、普通の書店では見つけづらそうですが、ネット書店なら問題なく購入できます。


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