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ホバークラフト作ってみたよ!【第8話】
このお話は、物語でなく実話です。
私はこのシリーズで口をはさむつもりはありません、モノづくりが好きな人は楽しめると思います。何を作ったかというと、パーソナルホバークラフト…しかもキャビン付き…???そんなの見たことないんだけど…それもそのはず、このパーソナルホバークラフトは、80年代のお話しなんです。
INDEX
自動車屋が創ったホバークラフト
“ほな、やりまひょか”
“なかなかイイじゃないか”
強制操舵 ・ 非常ブレーキ、‟何やそれ ?”
自動車エンジニアが設計したら、エアクッションヴィークルはこうなる
スタイリングだけじゃなく、センスが良いカラリングで行こう
1年がかりの 「設計承認」
放映日ギリギリのきわどい撮影
久米島 ・ イーフビーチが呼んでいる
撮影日がシェイクダウン航行 “トホホ‥‥(汗)”
マーケティングもイノベイティブに
ものすごいパブリシティに、業界も騒然
初めて見るエアクッションヴィークルに大興奮
“カタログもハイセンスね”
世界に144個しかないジッポー SENSOR ACV 300 S ライター
販売会社設定に全国へ旅ガラス
海を汚さないエンジンオイル
これぞ逆転の発想 ・ エンジン倒立搭載
‟ブルネイ王室ご用達~ !”
トランポだってお洒落に
レースに初出場、ノーマル艇でトップ
“フロリダで生産して、アメリカとカナダで売らせてくれ”
アメリカへ旅立った SENSOR ACV 300
フロリダ州の新天地で
11.マーケティングもイノベイティブに
久米島で写真とビデオを2回撮影した収録素材は、プレスキット ・ カタログ ・ プロモーション資材などに活用したのはもちろん、写真プリントを同封したプレスリリースを主要な報道機関各社に送り、多数の雑誌・ 新聞 ・ TV ・ イベント等でパブリシティ (広報) された。これを機会に、各社から独自取材の要請が相次ぎ、予想を上回るパブリシティ効果を上げることが出来た、“ありがたや、ありがたや”。
SENSOR ACV 300 は製品も今までに無かった数々の特徴を有していたが、技術だけでなく販売にいたるマーケティングでも、従来に無いイノベイティブ (革新的) な戦略を画策していた。
SENSOR ACV 300 PROJECT は、製品の姿が無い企画段階から有力企業4社のサポートを受けたのも画期的だ。プロジェクトサポートは衣料品メーカーの子会社 CLUB ANGLE、プロモーションスポンサーが ANA ・ 出光 ・ PENTAX で、プロトタイプを使った写真 ・ ビデオの撮影にこの4社ロゴマークをボディに貼付してるから、写真 ・ ビデオを誰が使ってもそのまま露出する。
当社が発信したプレスリリースのみならず、特番を組んでくれたTV各社、独自取材してくれた出版社各社がリリースした記事には、自動的に4社のロゴマークが掲示されるという戦略だ。ある広告代理店が広報効果を試算したところ約6000万円の価値があったというが、そんなもんじゃないだろ。
スポンサー各社のおかげで、当社は自社の広報宣伝費がゼロという事業展開ができたが、もちろん自社制作のカタログや販売促進グッズにもフル活用した。カタログなどを見た購入予定者も、最初から市販製品にスポンサーのロゴマークが貼付されていることに、むしろ好印象を持ったと聞いた。スポンサーのロゴマーク付きは自社の広報艇だけだったが、“格好イイ” と評判が高く、販売を始めてから、“スポンサーのロゴマークが入ったファクトリー艇 (メーカー仕様) が欲しい” との要望も多かった。
スポンサー4社のロゴマークを販売艇に貼付して出荷するのは、ロゴマークの著作権上の問題があり無理だったが、買ってからカッティングシートでステッカーを自作し、同じように貼ったユーザーもいた。
SENSOR ACV 300 は、事業企画 ・ 技術 ・ 製品にとどまらず、マーケティング手法もイノベイティブ (革新的) だった。“こんなことも出来る” という、イノベーション戦略を併せ持った格好の例だ。
今だからついでに言っとくけど、プロトタイプ (撮影艇) の SENSOR ACV 300 S が装着するスカートは、計画ではシルバーだった。何でイエローになったんや ? 委託している開発会社の技術部長が、スカート製作の外注先へ発注するとき、色を聞かれて適当にイエローとしたのが原因だ。私に確認せず独断でやってしまったのだ。‟バカヤロウ、電話して確認すりゃ30秒で済むだろ” と怒ったけどもう後の祭り、再製作していると日程調整が付かず撮影はイエローのままで実施した。
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報道各社が独自取材していただいた写真 ・ ビデオは、ドジの産物イエローで行くしかないけど、自社制作のカタログは、制作段階でシルバーに修正した写真を使用した。世の中は便利になったもんだね。SENSOR ACV 300 U では最初からシルバーでいったし、販売艇はもちろんシルバーだ。みんな良い仕事をしてくれたから、あまり文句を付けるのはよそう。
![](https://assets.st-note.com/img/1694325063276-5hDpQrzCsq.jpg?width=1200)
12.ものすごいパブリシティに、業界も騒然
報道各社のおかげでSENSOR ACV 300 のパブリシティは、以前の当社事業であった 「乗用車系特装車: MOVE」 を生産販売したときのパブリシティを遥かに上回る凄さになった。 MOVE は、三菱自動車 ・いすゞ自動車の標準車をベースに当社が製品企画 ・ デザイン ・ 製作した特装車で、いずれも自動車メーカー公認モデルとしてディーラーで公式販売した。このときも、報道各社のおかげでものすごいパブリシティがあった。
ちなみに MOVE は商標登録して特装モデルにオーナメントまで付けたけど、MOVE の生産販売が終わってからどっかの自動車メーカーが使ってるな~。もっとも、商標権は1年以上製品を販売しなかったら権利が消滅するから違法ではないけどぉ~(笑)。
さて SENSOR ACV 300 のパブリシティに話を戻すと、雑誌・新聞など印刷媒体の掲載は、収集できただけでA4ファイルにピッチリ貼って84ページにおよんだ。収集できてない記事も多いのではないかと思われるが、コピーを取ってスポンサー各社に報告した。そういフォローも重要なんだよ。スポンサー各社のポスター ・ カレンダー ・ カタログ ・ 社内報などにも使用されたから、インパクトが大きかった。TVは、一般報道の他に、ドラマや特番に数多く取り上げられたのも凄かった。TVパブリシティの実現に尽力いただいた方々のお陰様もあるけど、SENSOR ACV 300 がTV的に露出させる価値がある素材だったことも大きいのではないだろうか。
沖縄久米島でのプロモ―ション映像撮影と同時に、TV朝日の人気バラエティ番組 「独占 ! 女の60分」に取材され、関係者によると視聴率も良かったという。
友達で俳優のYさんは、自分が出演する番組に SEMSOR ACV 300 が登場するよう取り計らってくれ、単に登場するだけでなく、シナリオに組み入れて自分が操船するという仕掛けを創ってくれた。Yさんは、俳優のほかジャズドラマーで、乗り物は何でも乗りこなす腕前の持ち主だった。
日本TVの 「ビートたけしのお笑いウルトラクイズ」 ・ TV朝日の 「OH ! エルクラブ」などで、収録時は私も立ち会ったが、たぶん初めて乗る ACV をたちまち乗りこなしたセンスにはビックリした。フジTVのドラマ 「あすなろ白書」 では、俳優のIさんがやはりシナリオに組み込む働き掛けをしてくれて、自分で操船するシーンのほかドラマのシーンに何回か登場させてくれた。Iさんはレーシングドライバーでもあるから、こちらも操船はすぐマスターしたのは言うまでもない。
一般報道では、札幌TVの 「STV HOTLINE」 ・ 日本TVの 「EXテレビ」 ・ フジTVの 「FUN FUN FUN」 ・TBSの 「快体新書」 でも報道された。多くの視聴者が初めて見るだろうカッコイイ ACV (ホバークラフト)、に魅了されたことだろう。多くの人たちと報道各社に、感謝感謝 !
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今回はプロモーションのお話でしたね、モノづくりにおいても作ったものの周知と話題づくりは大切ですよね。
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