【Reyes BACKSTAGE】 U-18 街クラブ日本一への軌跡 ③TCC全国大会 R8 vs センアーノ神戸
初戦を勝ち切ることが出来た喜びに浸る間もなく次戦の為の分析を行っていた。
ケガ明けで間もない小関と貝川に大会初日の映像撮影を任せていた。
初戦の試合終了後、小関から映像を受け取った。更に自主的に作成してくれていたスカウティングメモを届けてくれた。
<選手によるスカウティングメモ>
・1-4-2-3-1
・背番号
・両サイドで厚み
・ゴール前球際強い
・後ろではつながない
・FKでゴール前そらしてゴール
・裏パスの対応にチャンスがありそう
CB:強さ
CF:右利きキッカー、ドリブル
V:大きい
SH:うまい
SB:高いポジショニング
メモと試合映像のリンクを選手たちへ送る。
試合後の脱力と回復を促したいこともあり、試合後から就寝時間の間に全体ミーティング形式で映像を見ることはしなかった。
試合映像を分析し、編集したものは翌朝に送るようにした。
映像は5分以内に纏めるようにしている。
2戦目の朝に映像を共有し、午前中に軽く体を動かしてからミーテイングへ。
<守備>
・1-5-4-1で外回りに配球させる。
・ロングフィードでの背後のケア
・1stDFのアプローチを速く
・相手が後ろ向きになったら全体で前プレを掛ける
・前線の前3人のローテーションで役割の負担を分担する
・ドリブルで運ばせないように対応を意識する
<攻撃>
・中央から直線的ではなく外から斜めの軌道で背後へ配球し相手を後ろ向きに、中央のCF大野はフロート
・カウンターは基本前3人で完結
・ワイドの選手は攻撃への飛び出す量を我慢してビハインドから展開
・後半勝負
<他>
・前半耐えて後半勝負。0−1まで。
<R8へ臨むにあたり>
ゲームプランとしては、前半を最少失点に抑え、後半に攻勢をかけて勝負をかけるつもりだった。
強風は相変わらずで、試合への影響がかなりのものとなるのは予想がついており、自陣でのリスクを減らして相手コートでのプレーを増やし、前プレからボールを奪ってショートカウンターで点が奪えればと考えていた。
この試合では前日のスタートから6人を替えて臨んでいた。
大会は4日間連続の試合で一発勝負のトーナメント。同じメンバーで4戦を勝ち切るのは難しい。
連戦によるコンディションの低下を少しでも減らしたい、多くのメンバーに試合のピッチ内経験を与えたい、少しでも出場することでチームとして戦うことへの一体感が高まるようにしたいと思っていた。
<レイエス:スタートメンバー>
CF:大野
左SD:高須 右SD:河野(遼)
左WB:三上 左V:井上 右V:遠山 右WB:鈴木
左HB:貝川 右HB:横山
CB:中村
GK:甲斐
<試合開始>
大野、井上、鈴木、三上、高須、貝川が新たにスターティングメンバーとしてプレー。
緊張の色が見える選手もいたが、ガチガチではなさそうだった。
相手はスカウティングと同じメンバーとシステムに見えた。
試合は立ち上がりに動いた。
前半2分。中盤付近で相手のスローインのこぼれをCB中村が相手最終ライン目掛けて前線へ供給。バウンドして頭上に浮いたボールをCF大野が競り合う。こぼれたボールを遠山が拾い右足でアウト回転を掛けたスルーパスを河野遼へ送る。そして河野遼が1コントロールでペナルティエリアに侵入し飛び出してきた相手GKに当たらないように若干浮かしてシュート。先制を奪った。
この得点でチームに勢いが生まれた。
風の勢いも手伝い、相手を飲み込むような空気感をつくったように感じた。
自陣では1−5−4−1の形を形成しスペースの少ない守備で対応し、攻撃では1トップに入った大野のポストプレーが効いていた。
<追加点>
追加点は前半14分、キャプテン遠山のゴラッソが決まった。
右サイドセンターライン付近で相手のドリブル運びに対応した遠山がボールを奪い、そのまま相手ゴールへ40mの距離からロングシュート。放ったボールが風に乗りゴールへ吸い込まれた。この流れの前には自陣での守備からボールを奪い前線への配球を大野がポストプレーで収めてからカウンターのチャンスを作り出していた。
前半30分過ぎ、自陣でファールし相手にFKを与えてしまう。ゴールから40m左サイドライン付近。やや距離はあるものの、センアーノはスカウティングした昨日の試合ではFKからヘディングでゴールを奪っていたので嫌なシーンだった。ボールがペナルティエリアライン中央付近へ送られヘディングの競り合い。こぼれ球を相手が先に対応し下がりながボレーシュートを打たれたが枠からは外れ失点は免れた。
<大きな3点目・大野>
前半39分。幸運にも3点目を大野が決める。
相手のコーナーキックでこぼれたボールをシュートされ肝を冷やすが粘り強くプレスを掛けゴールへボールを飛ばさせなかった。そのプレーで得たゴールキックから相手陣に運び出し、クロスをゴール前へ入れたが相手DFに弾かれる。ゴールから30mくらいのこぼれ球に反応したCB中村が得意のロングシュートを果敢に狙うが真を捉えられず、強風に煽られて対空時間の長いボールが相手GKの元へ。風によりボールの速度が読みづらかったのかキャッチできずこぼれたボールにしっかりと詰めていた大野が押し込む形でのゴールだった。
<ハーフタイム>
予想外の3−0で折り返すことができた。
ゲームプランとしてはロースコアで折り返し、選手を替えて後半勝負にと考えていたが、そのままのメンバーで臨むことにした。
4戦連続を考えると、前日に試合を闘った選手をできるだけ休ませたかった。
<後半>
強風は勢力を落とさずに後半に入っても状況は変わらない中での試合だった。
お互い中々決定機まで至らない展開が続いた。
後半14分。左コーナーキックからショートでスタートし相手を交わして三上が左足でクロスを上げた。ゴール正面、ゴールエリア内で遠山がヘディングシュートを放ったが相手GKに阻まれた。
飲水タイム前の唯一のチャンスだった。
<選手交代・齋藤>
失点することなくスコアがそのまま推移したこともあり、新たなメンバーの出場機会を得ることができた。
これには様々な効果を期待していた。
一つは、新たなオプションの確認。更には、スタートメンバーへの刺激、代わって入った選手の現在のパフォーマンスチェック、試合に出場することで大会やチームに対するモチベーションのアップ、それらがチームの一体感へと繋がってほしいと半分は願いのような効果を期待していた。
スタートのCF大野、右V遠山、右SD河野遼に代え、3年の右SD齋藤、2年の左SD近野、1年の右V伊崎を投入。左SDの高須をCFに変更した。
齋藤は小柄でボールコントロールに長けており、そのボールタッチで相手をいなし味方に配球するプレーやゴールに関わるプレーに彩を加えるプレーヤーだった。
更にコミュニケーション能力が高く、選手同士、選手スタッフ間、練習生の受け入れ時など、リンクが必要な場面で重要な役割をこなしていた。
チーム内競争で出場機会が得られない時期でも努力を継続し、一生懸命に取り組んでいる姿が印象的な選手だった。
後半26分、相手コート右アウトレーンでW鈴木から受けたボールの勢いを吸収し鈴木のランニングの時間をつくりタイミングをはかって出したワンツーのシーンや、後半30分、右足で内側ややマイナスに左足の前へ動かしたボールをそれに釣られて動いたカバーの相手守備者の逆を通すスルーパスはゴールにはつながらなかったものの、彼の真骨頂を発揮したシーンだった。
<GK交代>
後半31分、GK甲斐と交代しGK佐藤を投入してアクシデントへの対応に備える機会をつくることができた。
CF:高須
左SD:近野 右SD:齋藤
左WB:三上 左V:井上 右V:伊崎 右WB:鈴木
左HB:貝川 右HB:横山
CB:中村
GK:佐藤
スコアは動かずに終盤へ。相手のFKからピンチを迎える。
後半36分、自陣ゴールから30m右アウトレーンから。ファーポストへの浮き球が強風で変化し落下地点から相手選手のヘディングがゴール方向に向かったがカバーに入ったCB中村が弾いた。
更に後半39分。ペナルティエリア外中央での直接FK。ゴールまでは20mもない距離。ニア側に5枚の壁、ファー側に2枚の壁を設定した。短い助走から放たれた相手のキックが壁の上を越えゴールには向かわず最大のピンチを逃れることができた。
<試合終了>
2分のアディショナルタイムを経てタイムアップ。
勝利を手にすることができた。
チーム全員での闘いを実感できた試合。大会での勢いを加速させられた手応えを持てた勝利だった。
選手たちのお互いを讃えている様子も見ることができて幸せだった。
またこの試合は、個人的なタスクを勝手に抱えていて、別活動の都合で今夜に大阪へ合流予定だったコーチの阪本とGKコーチの阿部が到着する前に負けられないという裏テーマもあったので内心かなりホッとしていた。
試合後、この日にスカウティングへ回った会田と、大会前日の怪我で病院での検査があり、この日の試合途中で合流した山野が次戦の相手である愛知FCの情報を伝えてくれた。
準決勝に向けて映像分析をはじめた。
→④へ続く
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ご対戦いただきましたチーム関係者の皆様、大会関係者の皆様、応援いただきました皆様、誠に有難うございました。
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