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COACHELLA FES.ドキュメンタリーに感銘のステイホーム

コロナウィルス拡大の影響で惜しくも中止となった毎年4月開催のCOACHELLAフェスティバル。突如ドキュメンタリー動画「Coachella: 20 Years in the Desert」がYOUTUBEで無料公開!音楽好き、フェス好きなら必ず楽しめる内容だ。

朝から視聴して心の中での荒ぶりを3点にまとめる。

①2000年代ポップ・ミュージック史を振り返る傑作である点

20周年を迎えたカリフォルニアのビッグフェス、コーチェラフェスだが、その根本はカリフォルニアに伝わってきたパンクがオルタナティブミュージックの空気感に変わり、Jane's AddictionやRHCP、BeckなどLAの音楽シーン中心に開かれた点。そして、それらは拡大を重ね、レジェンドの復活、テクノ、EDM、ラップ、スターのフェス参加、非英語圏の音楽の台頭、新生代の音へとつながっていく。レイジ、Pixies、Daft Punk、Kanye West、AmyWinehouse、韓流アイドルユニットBlack Pink、そして最後はBillie Eillishなど、、、数多の映像をストーリー立てて見られるのはすごくわかりやすい。中学生くらいから洋楽に触れ始めた私にとって、私の音楽史をたどるジャーニーでもある。皆様はいかがでしょうか?

1999年初回のコーチェララインナップ

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②イノベーションの行く先に

フェスの拡大にあたって、音楽のありようが変わっていく。ロックだけでなく、EDMなどの電子音楽も圧倒的なステージ装飾、照明で心を躍らせる。そもそもカリフォルニアという土地がまた、シリコンバレーやハリウッドに代表されるイノベーションマインド高め。なんか面白いことやってやろう感のスケールがでかい。中でも面白かったのはDaft Punk(フランスだけど)が出てきたときのオーディエンスインタビュー。ロボットが音楽を鳴らすんだ、宇宙人がやってきたかと思ったよ、「(未知との遭遇の)ピンポーパーポーパーで始まるんだぜ」と興奮気味に語てるのを聞いて、あぁ、フェスの楽しみってこういうところだよな、ってすごく共感できた。音楽フェスはただ音楽を楽しむのではなく、なんかわけわからないもの見たい、新しいものに触れたいという”体験”こそが魅力なのである。めちゃくちゃかっこいいリフでディスコのDNAを呼び起こす「Hung Up」のMADONNAの登場、圧倒的にかっこいいBEYONCEのパフォーマンスなど耐え難い体験だ。カニエの謎の宗教団体サンデーサービスもさ、小高い丘でやってたけど、アレあのために大工事して山とか作ったんかい!という衝撃ね。

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ただ私が少し寂しく感じたのは、オルタナミュージックを源流としたフェスが、イノベーションとともに成長したものの、実は一流のスターのステージパフォーマンスやEDMのきらびやかさに取って代わられた感。もちろん今もオルタナロックは健在なものの、刺激を求めると際限ないなというのが良くも悪くも人間的というか。いや、うまく折り合いをつけているのかもしれないですが。

③あの頃フェスというのがあって、、、

フェスのルーツはウッドストックであり、花のサンフランシスコ的なヒッピー。すなわち自由を謳歌すること。一方で、この1ヶ月の自粛では終わらない様相を見せるコロナ問題。なんとなくWITHコロナで生きていかなければならないのだろうなという見方をしていますが、そうすると野外フェスはしばらくやれない、もしくはやり方を変えていかなければならないのだろうなと思う。そもそも私は根っからのテントフジロッカーで、敢えてどろんこの野外で寝てやろう根性、すなわち苦行にこそフェスの楽しみを見出せる人種だ。汚いトイレを使ったり、多少手を洗わなくてもいいワイルド感。それが今ではリスクになってくる可能性を秘めている。それを考えるとしばらくできない可能性も感じてしまう、そういった意味で、この映像アーカイブが「かつて我々が栄華を誇っていたドキュメント」的な感覚で捉えられる。自宅待機優先であるからより一層、この映像は心を踊らせてくる最高のプレゼントのように思える。

いつかコーチェラ行ってやりたいし、フェスがやれる時代の復活を願う。

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