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スタートアップW杯・東京予選大会に初めて参加してみた。

もちろん出場者、ではなく、一観客として。

このメガネをかけてジャケットを羽織ってトロフィーを持っている男性はもちろん僕ではない。僕もメガネをかけてジャケットを羽織りがちだが違う。

この人は優勝したデジタルエンターテイメントアセットのCEO、吉田 直人さんである。(おめでとうございます!)

初めて、この大会の存在を知った時、ワクワクした。

それは世界最大級のグローバルピッチコンテスト・カンファレンス。世界75地域以上で地域予選が行われ、地域予選で優勝した企業は、サンフランシスコで開催される世界決勝戦に招待され、世界優勝投資賞金約1億4千万円を掛けて競うというもの。

サッカー選手でなくても出られる
ワールドカップがあるのか!

「ワールドカップに出れるかもしれない」という17文字に心が躍った。安直な男である。

たいてい大人になると「いつか俺はワールドカップに出るんだ!」なんて言葉は4月1日かよほど飲みすぎた時にしか口にできなくなる。

だが、ついに、いつでも、その17文字を言える可能性に出会った。

東京予選大会なるものがあることを知り、六本木のハイアットホテルに初めて足を運ぶ。場違い感がすごい。

THE・ビジネス!!!

思わず心のなかでそう叫んでしまった。あまりに普段会っている人たちとの雰囲気が違う。圧倒的なアウェー感。

そして、さらに驚いたのは開始早々に告知された1つのアナウンスだった。

え???

東京予選の模様をSNSに最も多く投稿しただけで、世界決勝大会観戦のための往復フライトとイベントチケットが当選できる?

「いいね数」「インプレッション数」ならフォロワー数の多い人に太刀打ちできないので、容易に諦めもつく。

しかし「投稿数」は自分の努力次第でなんとかなるのではないか。むしろ「フォロワー数」が多い人ほど、フォロワーが減ることを恐れて「投稿数」には億劫になるのではないか。

・・・僕は思わずあたりを見渡した。

会場にいる観客全員が一気にライバル選手になった瞬間だ。一人イカゲームに参加した気分になった。

「いいね」が全然つかないことに定評のある会社のXアカウントだけが僕の唯一の武器であった。

しかし投稿数を稼ぐバトルにおいて、もはや失うものなど何もないアカウントほど頼もしい武器はなかった。

そこから合計5時間もの間、僕は腱鞘炎になりそうなくらい、ひたすたXを投稿し続けた。

「スタートアップワールドカップ実況中継」を任された者という架空の役割をまっとうすべく、イカゲームの1プレーヤーになったつもりで、自分なりに思ったこと感じたことを、1コンテンツごとに1つぶやきをしていった。

まずはやってきました報告。その後も自分の琴線に引っかかったことは全部つぶやく。

もはや、いいね数とかインプレッションとかどうでもいい。投稿数だけにコミットするのが俺の人生だ。この辺りからだんだんとSNSメンタルが強靭化していく。

著名人も数多く登壇し、その人たちに関するつぶやきはやはり見られやすいのだと思った。

まるで一人だけ観客のなかに新聞記者が紛れ込んでいるような勢いで、ひたすら写真をとってはメモを書き、スマホを開いては呟くを繰り返した。

疲れる、圧倒的に、疲れる。
みんな静かに聴いているのに、1人だけ鬼の形相で、慌ただしく動き続ける虚無僧になっている。

しかしワールドカップ出場に向けた自主練習だと思えば、サンフランシスコの決勝大会見れるなら構わない。

途中、スポンサーのCMみたいなものに関してもつぶやいた。媚び感が出てしまったのか、一番、見られなかった。

そして優勝者の発表に関しては、まるで「ニュース速報」の一番乗りを目指すTVのディレクターになったつもりですぐに投稿した。

これが一番見られた。いかに「速報性」が大事かということを学びも得た。

膨大な投稿数のせいで、フォロワー数もかなり減るかと思ったら、むしろ4フォロワー増えた。
(フォロワーの皆様、連ツイ失礼しました!)

大嫌いな「フォロワー数」という言葉がちょっとだけ好きになれた気がした。ちなみに優勝した「デジタルエンターテイメントアセット」さんは何をやっている会社なのか。

たとえば、子供たちが陣取りゲームアプリを楽しむ結果として、電柱の異常を発見し、 電力の安定供給につなげる。元テレ東社員らしいユーモアのある事業をやっている。

「Play to earn」 「ゲーミフィケーション」は今の日本にもっと必要な考えだと思った。僕らは深刻な社会課題に、真面目に向き合いすぎるところがある。真面目に考えすぎて、真面目に落ち込んでしまう。

楽しくユーモアをもってやる結果として、
社会に大きなインパクトをもたらす。

そんなことができたら最高にハッピーじゃないか。
それはまさに僕が目指したい会社の有りうようだった。

肝心の投稿数の優勝者については、誰が一番多いかは現時点ではわかっていないし、正直、投稿者が多すぎて誰がどのくらいつぶやいているのかわからない。

今日7月21日までの投稿数がカウントされるようなので、僕はこのnoteを今から最後に投稿しようと思う。この最後の投稿が、運命を変えると信じて。

結果はまたわかったら皆さんにお伝えします!

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