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『1984』の世界 VS 現代の世界/ヤバイのはどっち?

今だからこそジョージ・オーウェル著『1984』を深掘りしたい。
まるでギャグ漫画のような今日この頃。政治家のコロナに対する発言、オリンピックに対する発言、経済政策、マスコミの報道など、ジョージ・オーウェル『1984』の世界の方がまだかわいく感じる。だから『1984』と現代とどっちがヤバイ世界なのか、比較してみようと思います。『1984』と為政者たちの発言の比較すれば、きっと何かが見えるでしょう。
皆さんも是非とも『1984』を読んでみて、現代とどっちが酷い世界か比べてみてください。もう世界を笑い飛ばしましょうよ。

■支配者であるビッグ・ブラザーが駆使する洗脳技術
 ▶ニュー・スピーク【New Speak】
単語を減らし、言葉を簡素化する。民衆の思想を単純化し、思考能力を奪う。思想犯罪予防が目的。
小泉政権以降、日本の政治家やマスコミはキャッチ―な言葉で日本人の思考力を下げてきた。これは彼らが意図してやったことではないかもしれないが、日本人が洗脳しやすい国民になったのは確かだ。
 ▶ダブルスピーク【Double Speak】
矛盾した2つのことを言い表す表現。国民がダブルシンク(二重思考)を無条件に納得してしまうために受け入れられる表現である。
【例】戦争は平和である。
【例】自由は隷従なり。
 ▶二分間憎悪
敢えて国民の敵(エマニュエル・ゴールドスタイン)を設定することにより、支配者である『ビッグ・ブラザー』への憎悪や敵意を反らす。
1984の世界では虚構局が番組を制作しているが、ここ日本ではテレビを代表としうるメディアがその役割を為すことが多い。
■民衆に植え付けられる思考方法
 ▶ダブルシンク【Double Think】:二重思考
矛盾した2つの信念を同時に持つことができ、受け入れることができる。
ニュースピークやダブルスピーク、二分間憎悪は国民の二重思考習得のためにあるといってもいい。ここ日本では資本主義的な『利益』や『効率』という概念と、人間社会の幸福という全く異なる二つの概念を同一化することに成功している。
■社会に普及している道具
 ▶テレスクリーン
あらゆるところに設置され、政府の宣伝を垂れ流す。また国民の監視にも利用されている。人々は政府の検閲を受け、不適切な人物や情報は思考警察により削除されていく。
ここ日本でのスマホやプラットフォーマーが同じ役割を担っている。

『1984』の世界では過去の発言は現在に合わせて書き換えられていく。これは小説の中の出来事でしょうか。現実の世界でも為政者は平気でその場しのぎの嘘をつき、国民を煙に巻いていく。さぁ、次回からは実践編となります。上記の技術・道具を駆使した政府やマスコミの具体的な事例を取り上げようと思います。次回は小説の中の話ではございません。実際に私たちが『1984』の世界に生きていることを証明していきましょう。皆さんも日常での『1984』体験を探してみましょう。

◇◇東京ハバナの理屈の想定外のコーナー◇◇
昔に『1984』を読んだ時には「日本がどんなに引っ繰り返ってもこんな世界はあり得ないだろう」と思っていましたが、まだ若かったんですね。当時の私は『政府は少なくとも皆にとって良きことをする』し、『マスコミも嘘は報道しない』『社会は良くなっていくもんだ』と勝手に思っていました。
社会人になって世の中を知れば知るほど、このディストピア小説は現実の世界を語っているのだ、とわかってくる。それは私が世界を正確に観ることができるようになったのか、世界が変わったのか。コロナ禍の今、それがなおさら顕著になっているように感じる。
新渡戸稲造『武士道』やヘルマン・ヘッセ『シッダールタ』と混ぜ合わせて複合的に世界のシステムを解説していけたらと考えています。


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