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【NYY #21】永久欠番決定:愛され過ぎた男 Paul O'Neill

プチ記事です。

2日前、突如元ヤンキース外野手Paul O'Neill選手の永久欠番が発表されました
(奇遇にも本記事と同ナンバリングの#21!)

何故このロックアウト中のタイミングなのかはよくわかりませんが、嬉しいニュースです。
とはいえ、直近欠番となったDerek Jeter・Andy Pettitte・Jorge Posada・Bernie Williamsあたりと比べるとそこまで有名な選手ではなく、ヤンキースファンでも馴染みない方もいらっしゃるかと思いますので簡単に紹介できればと思います:

選手概要

Paul O'Neill (ポール・オニール)
1963年生まれ(現58歳)
外野手(RF)
1981年ドラフト4位(高卒、Cincinnati Reds指名)
1985年MLBデビュー
1985-1992年 Cincinnati Reds在籍(8年間)
1993-2001年 New York Yankees在籍(9年間)
ワールドシリーズ優勝 5度
(1990, 1996, 1998〜2000)
1994年首位打者
All Star 5度選出(1991, 1994, 1995, 1997, 1998)

一番目立つ功績はやはり5度のワールドシリーズ優勝ですね。
90年代後半の黄金ヤンキースの主要メンバーとして活躍をしていた他、実はReds時代にも一度優勝を経験している「勝ち組」です。

では成績を見ていきましょう:

<通算成績>
17シーズン
2,053試合出場
打率 .288
本塁打 281本
1,041得点
1,269打点
OPS .833 (OPS+ 120)

<単年記録>
打率 .359(1994年)
本塁打 28本(1990年)
打点 117 RBI(1997年)
OPS 1.064(1994年)
OPS+ 177(1994年)

※OPS+は超ざっくり言うと打力の総合指標値。
リーグ平均を100とした場合、O'Neillは生涯OPS+が120なので
キャリアを通して平均より20%勝っていたことになります。

かなり堅実な数字と言えるのではないでしょうか。
目立つのは1994年の打率.359、OPS 1.000越え、OPS+ 177ですが、この年はストライキでシーズンが短縮された(どこかで聞いたことある話ですね・・・)ので、1年間全うしていればと多くのファンが妄想する対象の一人です。

ただ、永久欠番レベルの成績かと言うと、少し疑問に感じるかもしれません
実際、最初にリストアップしたレジェンドらと比べると正直見劣るし、そもそもヤンキースには9年しか在籍をしていません。
では何故彼の#21は永久欠番になったのでしょうか?

簡単に言うと「ファンにめちゃくちゃ好かれていたから」です。

愛されまくった熱血漢

選手としての活躍は言うまでもなく、最大の取り柄であるパッションが大人気でした。
常に全力でプレーしていたのは勿論、時には(割と高い頻度で)キレたり物を壊したりと、感情を露わにすることを恐れなかった選手でした。

Gardy推しとしては似たものを感じて萌えますね〜

しかし一番有名なプレーは、実はヤンキース時代ではなくレッズ時代のこちら:

外野へのライナーの処理を失敗し、サヨナラ負けを確信した怒りでボールを蹴ったらたまたま上手く内野へ戻り、3塁を周りかけた走者の生還を阻止する史上最強級の珍プレーを起こしました。
(その後キャッチャーによる後逸で結局負けましたが)

小ネタとして、Baseball Referenceのページには「左投・左打・左蹴」と全選手の中で唯一利き足が載っています。笑

こういう遊び心があると楽しいですよね。
Kicks: Leftの埋込URLを押すと上記のYouTube動画へ繋がります。

ただ、これだけではいかに愛されていたかが伝わらないと思います。
現役最後のヤンキーススタジアム戦をご覧ください:

2001年ワールドシリーズ5戦目、9回表にライトの守備についたO'Neillに「Paul O'Neill」コールがスタジアム中に響き渡ります。
ワールドシリーズの負け試合という普段ならヤンカスが怒り狂っているであろう状況に拘らず、全員が立ち上がって大声でコール・回終了後も大声援が送られます。
映像だけでも鳥肌が立ちますね。

ヤンスタで甚だしい最期を迎えたO'Neillですが、その後もヤンキース放送局の実況者としてチームに関わり続け、今年で早20年目となります。
的確なコメントとふざけを並走させ、視聴者を楽しませるバランスを保ち、今でもファンの大人気OBですね。

背番号21支給大炎上事件

さて、実は今回の永久欠番には十数年前からの伏線回収の様な形になっています。
実はO'Neillが現役引退をした後、1度だけ背番号21が支給されています

2008年にFAとして加入したLaTroy Hawkinsが故Roberto Clementeへのオマージとして#21を希望したが、支給が発表された後ファンより猛烈なバッシングを受けました。
彼が登板した際にブーイングと「O'Neill」コールが炸裂し(冷静に考えて結構酷いですよね)、本人の家に抗議の手紙(今だったらTwitterで悪口が殺到して終わりですが、時代を感じますね)が大量に届く等収集がつかない状態になりました。
結果、シーズン開幕して1ヶ月も経たないうちに#22へ変更することとなりました。

この結果、球団としてもファンからの激しい批判がトラウマになったのかその後一切支給される兆しもありませんでした。
そして「支給はされないものの永久欠番ではない」という宙ぶらりんな状態が早14年間続こうとした矢先で今回の決断が下され、ようやく終止符が打たれることとなりました。
恐らく永久欠番にしなくともとても支給はできない、まあTV時代含め30年間ヤンキースへ尽くした功労者且つファンに大人気だし、じゃあ永久欠番にしちゃおうという流れで決まったのでしょう。

終わりに

ヤンキースはこれで22つの番号を永久欠番にしたということで、「欠番多すぎ」議論は改めて勃発している弊害が起きています。
が、O'Neillはヤンキースの黄金期を支えた唯一無二な存在であり、20年間ヤンキース放送局で実況者としても多くの感動を届けてくれて、十分値すると思います

さて、ヤンキースさん。
生涯ヤンキース、熱血漢、外野手、ツルピカの頭。
我らがBrett Gardnerもお願いしますね。

説得材料も置いておきますよ。


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