リリースツアーファイナルの延期について

サイトやTwitterなどでは告知済みですが、3/20(金)下北沢THREEで開催予定だった東京パピーズ 1st full AL 『地球儀』 release tour "安全地帯を探して" FINALの公演は延期することになりました。
コロナウイルスについての状況を鑑みて、です。

以下、Vo.gt.木村太郎の胸の内です。
メンバー、出演して下さる予定だったバンドの皆さんの意見も踏まえながら考え抜いた経緯と結果、東京パピーズがどういう精神で続いているバンドかを物語る言葉だと思いますので、是非ご覧ください。(レーベルスタッフ)

以下、東京パピーズvo.gt.木村太郎より。
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かいつまんで話しても、苦しくなるだけなので。いろいろ書くことにします。ぼそぼとゆっくり話します。テンポを落として読んでください。


ツアーファイナルを延期します。これは難しい話じゃなくて、僕らの気持ちの問題です。もっと言えば音楽の話です。だから、書きます。


東京パピーズが良いバンドかどうかは分からないけれど、ひとつ大事にしているのは、嘘がないということです。


今こんな状況の中、疑問を持ちながら、どこか引っかかりながら、ライブをやりきることができません。熱がもてません。ごめんなさい。


「来てくれてありがとう」と、心から言えません。自分なりの正しさが見つかりません。見つかっていたら、開催したのかもしれません。


バンドにとってライブは、目に見えるものの全てです。だから執着します。


ただ、目に見えないところでも音楽は鳴っています。そのためのリリースです。それこそ、こんなときでも、そばにいられるように。大真面目にそう思っています。


たとえば母親に「ライブハウスなんて行くな」と言われて、部屋でしょんぼりしている子の溜息は、僕らには届きません。届きませんが、僕にとってはライブハウスの歓声と同じくらい大切なものです。それはいつかの自分の声だからです。東京パピーズは、そんな溜息から生まれたバンドです。


ロックンロールの動機は、本当に人それぞれです。それは怒りだったり、快楽だったり、友情だったり、復讐だったり。嘘さえなければいい。エゴでいい。わがままでも。嫌われたってかまわない。みんなそう思っているはずです。


僕は、笑顔に溢れたライブハウスでも、ひとりぼっちの部屋に向かって歌っているような感覚があります。変な話だけど。分かってもらえると信じています。そういうエゴがあります。


いつかの僕は、きっとこんなとき、ぼんやり部屋で落ち込んでいるんだろうと思います。つまんねえやつなので。言われた通り家でじっとしています。


想像しました。ステージに立って、部屋に置いてけぼりの彼が浮かんでしまったら。僕はもう、歌う意味が分からなくなってしまいます。


僕は僕のわがままのためにライブを延期します。戯言ですが。せめてそんなふうに思っていたいです。こんなもん、誰のせいでも、ウイルスのせいですら、ないんだから。


それ以降のライブは、また別の話になります。誰かが歌う意味を与えてくれるなら、歌いたいです。とにかく話し合って。考えて決めていきます。


いやぁーーー、まいった。


初めてのアルバムの、リリースツアーのファイナルです。そりゃあもう。ね。まじかよ。なあ。まじで?って。


絵平は泣きっ面でした。ハミーは静かに頷いてました。ザキムはずっと話しかけてくれました。みんなやさしかったから。やっぱり、悔しいです。


店長のクックさんは、たぶんとても疲れていたけれど、「明るくいこうぜ」と何度も噛みしめるように、励ましてくれました。だから、急いで元気になることにします。


落ち着いたころ、最高のライブをやりましょう。大勢で、元気にやりたいです。よろしくお願いします。


あと3月20日には必ず何かやります。急いで話し合っているところです。楽しみにしててください。


どうか、どうかお元気で。やさしさを守りぬいて。また会いましょう。


東京パピーズ vo.gt.木村太郎

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