見出し画像

東京婚活stories 〜うまくいかない私たち〜 case 1 「頑張っている私」

ユキコ(26歳、人材派遣/企画職)の場合


マッチングアプリで出会った3歳年上のサトルさん。何度かメッセージをやり取りしていると、優しそうだし仕事も一生懸命な感じがしたから、一度会ってみたくなった。年収は600万円と書いてあったからハイスペックとは言えないけど、共働きならお金で苦労することもなさそうだから経済面はクリアかな。

最初のデートは、土曜日のランチ。表参道の、新鮮な野菜が売りの和食のお店を予約してくれて、現地集合することになった。ちなみに私はお店の情報を送ってもらったら、食べログの平均予算をチェックして私への期待値を図ってしまう......良くないとは思いつつも、女子ならあるあるだよね(笑)?

サトルさんに会った印象は、アプリの写真ほどカッコよくはなかったけど、清潔感があって良い感じ。服装はちょっとアレだったけど、後から何とでもなるからまあいっか。

席についてちょっとよそよそしい挨拶をした後、2人でビールを頼んだ。私だけかもしれないけど、メニュー選びに悩むのはデートの醍醐味の一つだと思っている。今日も季節の野菜を使ったおいしそうなものばかり並んでいて迷ってしまった。迷いつつも、高すぎず安すぎず、中間くらいのメニューにしようかな、と思ったところでビールが届いた。まずは乾杯。休日のお昼に飲むビールって、平日とは違う味がする。罪悪感と開放感のハーフ&ハーフ。

3割くらいビールを飲んだところでご飯が届いた。うーん、やっぱりおいしい。ご飯に合わせてビールも進み、話も盛り上がった。最近バタバタしていて残業が続いている、という私の話にも、彼は「大変だね」「頑張ってて偉いね」と聞いてくれる。職場の人にはなかなか言えないこういう話を聞いてもらえるのって、受け止めてもらえている感じがして安心する。この人とはなんか合うのかも......?

土曜日のお昼ということもあって、混んできたので早めにお店を出た。もちろん、お会計はサトルさんが出してくれた。こういうところもスマートで、付き合うならやっぱり年上男性が良いな。この日はこれでバイバイしたけど、すぐにお礼のメッセージを送って、「また誘ってください」とアピールしておいた。近いうちに会えると良いな。

だけど、あれから1週間。既読になっているのに返事が来ない。何がいけなかったんだろう…...?


サトル(29歳、証券会社/営業職)の場合

マッチングアプリで3歳下のユキコちゃんと仲良くなった。アプリでは何人かと同時にやり取りしているけど、話題を見つけるのが大変だし、メッセージのやり取りは正直面倒。実際に会ってみないと相性ってよく分からないしね。

ということで、ユキコちゃんと土曜日にランチすることになった。アプリで知り合った子との最初のデートはランチに限る。二人分出しても3,000円か4,000円くらいだし、ランチだとお店も忙しいから1時間くらいで出ていくことになる。良い感じだったら少しぶらぶらしてお茶に行っても良いし、ダメそうだったら解散しても良いから、気まずかった時のダメージが小さくて済む。まあ、これは女性側も同じだと思うけど(笑)。

ユキコちゃんの第一印象は、良い意味で可もなく不可もなく、という感じ。特別目立つタイプでもなく、真面目そうで、彼女にするなら安心感はありそうだな、と思った。あと、写真とあまり変わっていなかったところはポイントが高い。写真を加工する人が多い中で、実物と写真があまり変わらない人というのはそれだけで信頼できる感じがする。

ここから先は

1,345字

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?