【#東京地図LT】「○○町」"まち"・"ちょう"どっち??
みなさんこんにちは!
東京地図研究社、広報販売グループです。
東京地図研究社では、毎週月曜日にライトニングトークを行っています。
今回のnoteでは、先日の発表から「まち・ちょう」についてご紹介します!
1.「まち」・「ちょう」どっち?
「石川県能登町は、のと"まち"でなく、のと"ちょう"」という社内での何気ない会話が今回のスタートです。この会話、みなさんは違和感を持ちませんか?東京地図研究社ではこのような議論がありました。
普段何気なくつかっている「まち・ちょう」この答えを調べるべく、総務省の「全国地方公共団体コード」を確認しました。
市町村名の町の読み方は、「ちょう」か「まち」のいずれかに定まっています。
ページ内のPDFを確認すると、能登町は「のと"ちょう"」と記載があります。
2.「ちょう」と「まち」の分布
「ちょう」と「まち」が両方あるということは、どのように決められているのでしょうか。イントネーションなのか、地域性があるのか。ひとまず2024年1月1日現在の「町」を地図に落としてみました。
「ちょう」が多い:北海道、東海、近畿、中国、四国、沖縄
「まち」が多い:関東、北陸
どちらともいえない:東北、九州
せっかくなので、村の「そん」と「むら」も地図にしてみました。
「そん」は九州と沖縄にぽつぽつと見られます。それ以外の多くが「むら」になりました。こちらは地域性がありそうです。
2024年の地図は平成の大合併でだいぶ変更されてしまいましたので、約50年前の町村分布を地図にしてみました。
現在と傾向の違いは大きくなさそうです。それにしても、町や村が大きく減りました。市町村数はこちら↓↓
3.「ちょう」と「まち」はどのように決まる?
古くは、中国文化の影響や、周囲に読み方を合わせて決定したなどがありますが、現状、命名にあたっては特に決まったルールはなく、当該自治体で決められるそうです。石川県能登町は、2005年3月1日に誕生しました。合併にあたり、合併協議会で、
とメモがありました。このように自治体で判断しているようです。
ちなみに、能登町(のとちょう)は能都町、柳田村、内浦町の3町村が合併して誕生しましたが、能都町は(のとまち)と読みます。これと区別したのも「のとちょう」の理由のひとつかもしれません。
4.特殊な例
自治体で決めるようになると、地域性に縛られない様々な例外もでてきます。
地図化するとわかりますが、これらは道県内でポツンと孤立する「町」になっています。このようなケースが出てくると、もはや地域性で正式名称を覚えることはできません。
5.“異音同漢字”の町
現在の町名で、漢字は同じだが、「ちょう」「まち」の読みが異なる組み合わせもあります。
つまり、「川西町」だけ見ても、「ちょう」「まち」の区別がつかないことになります。なお、村の「そん」「むら」には同様な状況はありません。
6.おわりに
「ちょう」「まち」は例外が多く、地域性だけで判断できません。「石川県能登町は、のと"まち"でなく、のと"ちょう"」の社内の会話は、結局町名のヨミを記憶していないと断言できないことになります。
これを知ってから、テレビやラジオのアナウンサーの方々の発言が、間違えずに対応できていることが、ものすごいと思うようになりました。全部記憶している人はいるのでしょうか。私も地図に関わる企業の一員として少しずつ覚えていこうと思います!
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