鷺宮高校・杉並高校・武蔵丘高校・杉並総合高校・杉並工科高校《偏差値50の比較紹介》
Vもぎ偏差値50前後ゾーンの中学生のための、東京の城西エリアの中堅校5校を比較紹介コーナーです。
鷺宮高校 杉並高校 武蔵丘高校 杉並総合高校 杉並工科高校
「東京都立高校図鑑」でいうとこのあたりのゾーンですね。
鷺宮高校は「クリエイティブ」な「青春校」
中堅校の中では群を抜いてクリエイティブな学校です。
「こんなに素敵な学校生活を送れたら……!」
軽音学部は、東京では武蔵丘や桜町などと並ぶ「聖地」です。
高校2年生から「古典探究+世界史探究」か「化学+数学B」かで文理分け。私立文系だと高校2年で国語系科目が7コマです。
指定校推薦や総合型選抜にも力を入れ、大学進学者の4割は年内入試です。法政大や四工大の指定校推薦枠のほか、日東駒専の指定校枠が充実しています。伝統校ゆえ入口と比べても大変良好な進路です。
「青春」という言葉が似合う学校。それが鷺宮。
杉並高校は「吹奏楽部」と「国際教育」が魅力
杉並高校は活発で明るい校風。
学校の象徴である吹奏楽部は、テレビ出演経験も多数の有名な部活動です。
国際教育に力を入れています。
都立高校生限定の長期留学制度である次世代リーダー育成道場の過去3年間の利用者数は中堅校でトップ!これは誇ってもいい成果です。
カリキュラムもグローバル志向。台湾やニュージーランドの高校と姉妹校協定を結び、相互交流しています。修学旅行は台湾へ。事前にオンラインで交流を深めた現地の高校生と交流。さらに、現地の大学生と英語でコミュニケーションして観光します。
3月下旬にはニュージーランドへホームステイする独自の語学研修も。
英語力を伸ばして、上位私大を目指しつつ、成績状況によって指定校推薦枠も視野に入れるというのが現実的な進路作戦でしょう。
杉並高校は学習院大、青山学院大、立教大、法政大などのMARCHレベルの指定校推薦枠がありますが、お得なのは成蹊大学の指定校推薦枠。なんと2桁の枠数の推薦枠を保有し、毎年たくさんの杉高生が成蹊大に進学しています。高校受験で成蹊の半附属校に進学するには60半ばの偏差値が必要です。杉並高校→成蹊大は隠れお得ルートだと思います。
武蔵丘高校はのびのび「出る杭を伸ばす」
おだやかでのびのびとした校風。
敷地面積が広い。隣の区立中学の2倍ぐらいの面積があります。
標準服はありますが、指定日以外は私服で登校できます。
武蔵丘も、鷺宮と並ぶ軽音学部の聖地です。見てよ、この盛り上がり。
プロからも注目され、メジャーデビューバンドを次々と輩出しています。
ルサンチマン (2018年結成)
クジラ夜の街 (2017年結成)
Conton Candy (2018年結成)
2017年に武蔵丘高校生同士で結成してメジャーデビューを果たした「クジラ夜の街」のインタビューにこんな内容が。
オリジナル曲を書いて、本気で曲作りに向かう。カッコいいですね。
私大合格実績が伸びています。MARCH+成成明学の上位私大カテゴリで100人を超える合格が出ています。日東駒専も144人が合格。
指定校推薦枠は、東京理科大、立教大、法政大、学習院大、成蹊大、日東駒専は多数。近隣の成蹊大学の指定校推薦枠が充実しているのは惹かれます。
ところで、武蔵丘高校には「日本一賞」があります。もともとは府立二十一中だった同校の手塚初代校長が「21番目と考えるな、日本一たるべし」と生徒に熱弁し、この賞が誕生したとか。武蔵丘高校にはほかにも、60周年記念に設立された「手塚記念賞」があります。
出る杭を伸ばす、それが武蔵丘に受け継がれてきたDNAです。
杉並総合高校「自分で時間割を作れる学校」
希望進路全振り、個性全開。用意された授業はなんと150種類!
高校2年生以降、これだけたくさんの選択科目がある学校はないでしょう。
これが、杉総の魅力!
英語力を強化して私立文系の上位大学志望なら、「英会話」「英語長文読解」「100万語英語多読」「リスニング演習」「英文法・語法」「英文法演習」「English Writing」あたりを履修すると、英語が強強になりそうです。
商学部や経済学部への進学を希望するなら、「簿記」の授業を受け、簿記資格を取得することを検討してみてください。総合型選抜で有利になるだけでなく、大学進学後に他のライバルと差をつける戦略としても効果的です。
保育系なら「児童心理」「ピアノ初級」は取っておきたいですし、看護師志望なら「生物」「化学演習」「介護福祉基礎」などの科目を取ると良いでしょう。
「先生の数が多い!」「少人数制の授業ばかりで面倒見がいい!」というのは杉並総合高校ならではの特徴です。
杉並総合高校は、オーストラリア、韓国、韓国の学校と姉妹校交流をしています。高校1年次に中国語か韓国語を学ぶカリキュラムも個性的です。
文部科学省の「トビタテ留学 JAPAN プログラム」を最も利用している高校の一つで、令和3年度には11人が海外留学を選択するなど、進路の多様性が魅力です。
自分の興味に沿った科目に集中して学べるため、高校での評定も取りやすく、評定要件のある学校推薦型入試や総合型選抜への応募にも有利になります。進路選択の自由度が高く、「行きたいところに行く」を実現できる環境が整っています。
杉並工科高校 「工科高校のエース校」
このグループで唯一の理系進学に特化した進学校です。
工科高校のエース校で、多摩科学技術や科学技術高校に並ぶ進学校になることを期待されて、2024年にリニューアルしました。
校長室を訪問しましたが、すごい学校です、東京高校受験主義のイチオシ認定です。
リニューアルにあたって「IT・環境科」を新設。億単位の税金を投下し、日比谷高校のようなトップ進学校でも真似ができないような高度な実験設備を続々と導入しています。
その狙いは、総合型選抜を活用した上位理系大学進学の実現。3年間で高いレベルの研究に打ち込むことで、その成果を利用して理系大学に進学ができます。今、最も注目の大学進学ルートです。
杉並工科高校は、億単位の予算によって、大学の研究室にしかない装置を購入しています。その一つが高校としては世界初となる「プラスチック油化装置」の導入です。
杉並工科高校では、CDケースやペットボトルキャップなどの廃プラスチックから再生油を精製。再生油をガスクロマトグラフィーで分析。再生油を蒸留し、ガソリン成分に近い粗製ガソリンの抽出に挑戦しています。果たして、廃プラスチックの油化により、ガソリン用の小型発電機は動くのでしょうか…?
この探究活動が全国初の「プラスチック油化システム」として認められ、都立小石川、立教池袋の名だたる名門校と並びGSCジュニア賞を受賞しました。
杉並工科高校は「総合型選抜クラス」をつくり、普通科高校では実現が難しい高度な探究活動により、大学入試の総合型選抜を戦い抜く実績を作ります。ここまで本気を出されたら、一般の高校はなかなか太刀打ちできません。
この成果が認められ、なんと法政大学理工学部との高大連携が実現しました。すごいことになってきました。
きめ細かな対応ができるのは、1学年80名前後の超小規模校だから。都立の工科高校は専門の専任教諭率も高いです。この少人数の生徒達で、研究設備、先生、高大連携による大学のサポートなどのリソースを独占できるってすごくないですか?
まだリニューアルしたばかりで世間にバレていないません。この1~2年が入学しやすさの残るラストチャンスだと思います。
飛ぶ鳥を落とす勢いで大学進学実績を伸ばす多摩科学技術高校も、開校当初は生徒募集に苦戦していました。しかし、4~5年後にその成果が知れ渡り、偏差値は開校当初から比べ10も上がってしまいました。杉並工科高校も同じような成長曲線を描く予感がします。
理系の学力中堅層は、絶対に候補校に入れてほしい学校です。
偏差値50の「学力真ん中っ子」の学びの道筋
偏差値50付近の「学力真ん中っ子」にとって、都立高校選びは楽しいはずです。個性的で楽しい都立高校がたくさんあり、どの学校でも、学校生活を満喫できるでしょう。
勉強面では、目の前の高校入試に向けて5科目全体をバランスよく学ぶことは大切ですが、同時に高校以降の学びも意識してほしいと思います。特に力を入れてほしいのは「英語+α」の科目です。
文系で上位私立大学を目指すなら、英語を軸に文系科目を強化しましょう。英語は偏差値50台半ば以上を目指し、他の科目が苦手でも「英語だけは得意」となるようにしておくと有利です。杉並工科高校などを経由して理工系大学を目指す場合は、英語と理数系科目に比重を置くのが良いでしょう。
また、大学進学を視野に入れるなら、中3の2月までしっかりと受験勉強を継続することが大切です。偏差値50前後の中学生よく見られるのが、私立単願推薦で11月ごろに合格が決まると勉強をやめてしまうパターンですが、入学後に学力が低迷することが大変多いので気をつけましょう。
都立高校も学費が無償化されたため、私立高校と比べて初年度にかかる総費用だけで100万円ほど節約できます。これは、まるで「100万円クーポン」がついてくるようなものです。この差額をどう活用するかがポイントです。
受験生は、この節約分を「お小遣いアップ」に当ててもらい、受験勉強のモチベーションにしていることもあります(笑)。これがモチベーションのアップにつながることは確かですが、将来への投資として使うと、さらに大きなリターンが期待できます。たとえば、英語力を高めるために高校入試後に専門塾に通ったり、理系志望なら最重要科目の数学を家庭教師や個別指導で補強したりするなど、自分に必要なスキルを伸ばすことに集中投資することがおすすめです。
都立高校進学で得られる「100万円クーポン」を有効に活用して、受験勉強のゴールをその先の成長につなげていきましょう。
合格に必要な偏差値
合否予測については、Vもぎを信頼してください。Vもぎの精度は非常に高く、A~S判定であれば合格率はほぼ100%です。これは、高倍率の状況でも変わりません。都立高校では、A判定以上での受験者が多く、合格が期待できるゾーンとなっています。そのため、できる限りA判定以上で受験を迎えるのが理想です。
また、A判定以上で合格すれば、入学後も学力上位グループに属する可能性が高く、指定校推薦枠や評定も取りやすくなります。ですから、Vもぎの判定をしっかり確認しながら進めていけば大丈夫です。
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