見出し画像

知識ゼロ、経験ゼロから国内トップの事業支援家に大変身を遂げた”山中さん”

こんにちは!はたらく女性を応援するメディア「東京女子キャリア」です。
今回は、800万人のリサーチユーザーを活用し、事業戦略立案から最適な実行人材のアサインなどを手掛ける「株式会社まーけっち」代表取締役の山中思温さんにインタビューをしました。

画像3

【経歴】
上智大学外国語学部卒。
マーケティングリサーチのプラットフォームの企業で、 最年少で事業部を立ち上げ、 広告予算ほぼゼロで、若年層ユーザー国内ナンバーワンを達成。
適切なリサーチが出来てないための数10億規模の失敗を目の当たりにし、 その解決の為、当時の貯金の1000万円をすべて投じ、”株式会社まーけっち”を創業。
立ち上げ1年で、大手企業・国家機関・スタートアップの200社以上の戦略支援を行い、 コミットと売り上げ貢献成果に定評がある。マーケティングや人材のセミナーや講演も多数行なっている。

■株式会社まーけっち
https://markecchi-lab.com/
■山中さんのTwitterはこちら
https://twitter.com/soonya13?s=20

山中さんは、

・大きな価値を生み出そうとするほど「HARD THINGS(困難)」が立ちはだかるため、それを乗り越えたい人を全力で応援したい!
・自分のキャラクター(凡人性・弱気など)を理解し「強み」に変える

という考え方の持ち主でした。

この記事はこんな方におすすめ!

・事業の企画立案や展開がうまくいかない…
・「女性」としてのはたらき方に悩んでいる
・仕事を前向きに楽しみたい!

現在のはたらきかたについて

ーー現在のお仕事について教えてください。

マーケティングリサーチのノウハウや800万ユーザーを活用し、調査からの戦略立案は勿論、事業の企画立案や実行サポートなどを手掛ける「株式会社まーけっち」を2019年1月に設立し、代表取締役として運営に携わっています。

ーー随分と幅広く企業を支援されているのですね。

まーけっちって、結局何をやっている会社なの?という質問をよくいただきます。コーポレートサイトが分かりにくいのだと思うので、改善中です。笑
どうしてこうなってしまったかというと、事業領域をどんどん広げている経緯がありまして…。

ーーリサーチの会社というイメージがありましたが。

はい、最初は「適切なリサーチを踏まないことが原因で事業が取り返しのつかない大失敗を引き起こしている」という課題意識で、成果報酬のプロモーションとして実施できるようにするなど、リサーチの障壁を下げる取り組みから行っていました。

しかし、おせっかいにも、企業のマーケティングに本気で関わっていこうとすると、自然と事業支援にまで繋がっていきました。リサーチはおろかマーケティング戦略の範囲では収まらなくなり、事業成功のカギを握るのは「戦略を踏まえて実行できる人材=頼れる仲間」とHR TECHやピープルアナリティクス領域にいきつきました。顧客や自分の痛みに向き合い、本気になればなるほど、リサーチやマーケティング戦略部分だけだと大きな価値を出せないことに気付いてしまったのです。

ーー既存の事業領域を捨てたのですか?

設立当初は、リサーチが基盤で今でも強みではあるのですが、そこに固執せずにメイン領域はピボットを狙う判断をして開発投資しています。事業自体の戦略だけでなく、実行できる人を最適にアサインするためのデータ蓄積×人材プラットフォーム開発を進めています。リサーチから顧客視点での戦略を引いて、要件定義をきっちり行い、その実行まで一気通貫で行っている企業は他にないので、そこが弊社の強みであると思います。

現在は、採用のミスマッチの原因には戦略と要件定義も大きくあるので、そこはリサーチ後の実践と検証など抱えているリサーチユーザーやノウハウも活用していきたいです。

現在のはたらき方に至った理由

ーー以前は別の会社で勤務されていたそうですね。

初めに就職したのは、リサーチのシステムやプラットフォームを提供する会社でした。クライアント向けの営業やカスタマーサポートが中心で、当時は従業員30人ぐらいのベンチャー企業。営業担当だったのですが、3名で約100社のクライアントを担当していました。

終電や泊まり込みは普通。土日も休みなくはたらいていました。それでも全く評価されなくて…会社からは「言われたことを実行するだけでは、評価には繋がらない。自分なりの価値を考えて実行しないとダメだ」と言われ、その通りだなと思いつつ状況は変えられなくて…自分の中でも苦しい時期でしたね。(※今では100人を超える組織に成長し、労働環境や評価制度も改善されています!笑)

でも、「顧客と向き合うことに手を抜けない」「もっと大きな成果を出さないと何も変わらない」という気持ちが強かった為、その想いだけを原動力に動いていたのだと思います。

ーー当時はかなりハードワークだったのですね。

そんな中、3年目に少し風向きが変わったんです。リサーチ業界は「アンケートユーザーに若年層がとても少ない」という大きな課題を抱えていました。元々アンケートパネルを提供している会社でもあったので、「若年層のリサーチユーザー数1位になれば、大きな強みになる」という話が持ち上がり、そのミッションの実行担当を任されました。

予算もかけられる人数も限られていたし、初めての試みだったため、社内にノウハウや知見を持っている人はいません。お付き合いのある広告代理店さんに相談しても、予算などを告げると「無理です、受けられません…」という返答ばかりでした。

結局、自分のツテを使いUX(ユーザーエクスペリエンス)の概念やASOの仕組みを一から学びました。リサーチのノウハウを活かし私自身でアンケートを組み立てて、「若年層がアンケートユーザーになってくれない理由」を徹底的に探りました。すると、若い人たちが重視している要素が、自分たちの仮説と全く異なることがわかってきたのです。

そこで、若者向けのユーザビリティに特化したアプリを開発し、YouTuberの方にお願いして「このアプリは、ちゃんとポイントがもらえる!」ということを伝えてもらうなど「安心感」と「信頼」を持ってもらえる工夫に注力しました。

すると、ASOも上手くいき、「副業」という検索ワードで1位を獲得!若年層のユーザーが想像以上に大きく増え、かなり難しいとされていたミッションを、ほぼ広告費ゼロで達成することができたんです!

ーー知っている人がいないなら自分でやれば良いという姿勢が素晴らしいですね。そんな山中さんが、なぜ会社を立ち上げようと思われたんですか?

当時の経験や、クライアントの失敗を見ていて、「顧客の動向をしっかり把握して戦略を立てること」が成功率を格段に上げるのだと気付きました。でも、リサーチだけでなく、実行・マーケティングも含め「事業」をやる人の目線に立って取り組まないと意味がないんですよね。既存のリサーチの支援だと、中々それができず、寧ろ、ニーズがなくても売れると出てしまってもその責任を追えない構造の為、失敗を加速させてしまっていることもあると気付いたのです。

次第に『情熱を持った人にこそ、アンケートというツールを活用してほしい』という思いが募っていきました。そこで、思い切って貯金一千万円を投資し、現在の会社を立ち上げることにしたのがきっかけです。

必要なのは「ニーズとバリュー」そして「検証」

画像1

ーー「マーケティング」に興味を持っている方が増えてきていると感じます。業界でまさにトップを走っている山中さんが、「マーケティング」や「事業立案」に必要だと思うもの何でしょうか?

人によって考え方は色々だと思いますが、「ニーズとバリュー」を押さえることだと思います。そこさえ押さえておけば、大きな失敗はないです。しかし、失敗が起こってしまうのはなぜなのか…?その原因の一つは「適切な検証」ができていないまま、実行に移している例がほとんどです。

例えば「ニーズ」だったら、「潜在ニーズ」と「顕在ニーズ」それぞれどれ位あるか。時間など非金銭的なコスト含めどれくらいリソースを割いているか、その人たちがどういった情報接触をしているかなど、結局は「ターゲット」視点の話で全て決まってくるんですよね。きちんと「ターゲット」を明確にすればチャネルも決まりますし、課題も分かり、ソリューションの方向も決まります。

次は、その人が抱えている「課題」を解決するものが作れるかという「価値」の話になります。そこは、作ることのできる人がいるかとか、予算があるかという具体的な話になるので、相応の企画を組めば大失敗するはずはありませんし、やりきれれば大成功も見えると思います。

まずはその前段にしっかりと時間を割いた上で、細かい施策は詳しい人に聞くのが一番!マーケティングはかなり幅が広く、SEO、SNSマーケティングを例に挙げてもまったく領域が違うんですよね。それぞれに明るい人は、全然別なんです。どういう施策が一番良いのかを全網羅的に出した上で、色々な分野の人に聞き、本当に合いそうなものを決めるという進め方が、1番良いのではないかと思います。

ーーマーケティングの考え方の中で、ペルソナの設定について悩む人が多いと思うのですが、山中さんはどう考えていらっしゃいますか。

私は明確にすべきと思っています。でも、メインターゲットやファン層のみのペルソナやカスタマージャーニーを細かく引くことには、賛同してはいません。

ペルソナは、あくまでもイメージを強くするための補足情報だと思っています。いわゆる、「きれいなペルソナマップ」にこだわるよりは、商品企画や広告などを創る上で本当に必要な情報を確実に集め、ファン層と層でない人の差分/課題を明確にすべきです。ペルソナはイメージや妄想の仮説で作りがちなので、条件に合致している人を実際に捕まえて検証すべきですね。もちろん、人員的・予算的に余裕がある場合は、やらないよりはやった方が良いでしょう。ペルソナにいくつかのパターンを決め、「メインは1の人だけど、補助として2、3の人達はどうかな…」と広げていく方法なら有効だと思います。

危険なのは、ペルソナにこだわり過ぎて、検証や実践に腰が重くなるパターンです。それは本末転倒なので、ニーズとバリューなど、核になる部分のみに絞ることも時には必要です。任された若手社員がすごく頑張っているのに、検証しないままゴーサインが出て、投資し過ぎて失敗に終わった事例をたくさん見てきました。その失敗の涙をどう防ぐのかというのは、今の会社をやっていく上で大きな原動力になっています。

ーーマーケティングの奥深さをすごく感じます。逆に、成功事例を当てはめてもうまくいかないということも起きてきますか?

もちろんです。細かい戦略を引き過ぎて、実行できずに終わるケースも多くあります。特に、コンサルタントなどの外部で計画だけ作ってもらい、実行部隊は社内、または違う会社に依頼したというケース。きれいな計画書はできますが、実行部隊の現実の能力やリソースに合わないと「あの計画シートはどこに…?」となってしまうのです。 

ーー机上の空論で、実行されずに終わってしまうパターンですね。

だからこそ、弊社では実行部隊の提案まで行います。新規事業の計画書作成などの委託も受けていますが、細かく長期的に目標設定を置くというよりは、「ニーズとバリュー」を明確にして半年や一年後を目途に検証しながら軌道修正していくような提案をしています。

「HARD THINGS (ハード・シングス)を、乗り越えろ」トップメッセージに込めた思い

画像2

ーーホームページに掲載された山中さんのメッセージ、「HARD THINGS(ハード・シングス)を、乗り越えろ」という言葉が印象的でした。なぜこの言葉を使ったのですか?

そういう人たちが一番好きで、一緒に取り組みがしたい・支援したいと本気で思えているからです。「大きい価値を作る」ことや「スタートアップ」にしろ、どちらも「本気の挑戦」が伴うと思っています。本気でやっていれば困難は必ず出てきます。そういった「本気の思い」を持ってやろうとしている人の力になりたいという気持ちが、仕事を通して見えてきたんです。たくさん予算がある中で、仕方ないからやっているという人は、なんか違うなと。笑

特に、私が凡人で、大きな才能があるわけでもない中で何とか成果を出すノウハウは蓄積できているため、同じように少し自信がないような方でも「良い商品だから、これをどうにか世に出したい!」という思いがある方をがっちり支援できるような会社でありたいです。

「HARD THINGS (ハード・シングス)って何?」という方もいらっしゃいますし、この言葉をメッセージに大きく載せることには社内でも議論がありました。ですが、当社が目指す支援の在り方を必要としている人=ターゲットに響かせることが一番重要だということで、思い切って使用しています。

「自分」を効果的に使う!女性であることも強みに

ーーこれまでお話を伺ってきて、山中さんの前向きさや人との関わり方が、とても勉強になります。特に若い女性の中には、目上の方や肩書きのある方との仕事上でのコミュニケーションに自信が持てないという悩みもよく聞きます。山中さんはどのようにアプローチされていますか?

そうですね…私の場合、見た目がふわっとした印象なのか、初対面では大抵舐められるんです(笑)。じゃあもう、このギャップをうまく活かすしかない!と思い、一旦向こうを油断させておいて、しっかりできるところを見せられるよう心がけています。「仕事できそう!」というタイプではないなりの「戦略」ですね(笑)。たしかに、自分が若い女性だから一歩引いてしまう…というのも分かります。でも、私の経験やこれまで会ってきた方々の印象ですと、逆に若い女性だからこそ物怖じせずに関わっていった方が好かれるのではないかと思います。

心理学的にも、強めに話すことで「意志が強そう」と思われて好感度が上がると言われています。そういった効果を知っている人もたくさんいると思うのですが、なぜ分かっていながら出来ないのか…それはやはり、自分のプライドが邪魔をするのではないかと思います。

また、女性の方が「感情の振れ幅」が大きいと言われています。ですので、そこをコントールして振れ幅をプラスに出力することで、かなりのパワーというか推進力につながるのではないかと思いますね。

私もチームマネジメントでそういった考え方を活用してきた場面があります。今のチームを作ったときもそうでした。自分の心をコントロールして安定的にパフォーマンスを出し、感情に左右されずに大胆な意思決定ができると、それだけで相手の心に響かせることが出来ますし、人を動かすことが出来ると思っています。まだまだできていませんが、トークストレートでいることも心がけています。最近はこのキャラクターが理解されつつあり、印象を聞いたら「わたあめの中にカミソリ」といわれることもありました。笑

これからのビジョン

ーー最後に、山中さんのこれからのビジョンをお聞かせください。

「HARD THINGS(ハードシングス)を、乗り越えろ」を理念に掲げたうえで、どうやって支援するのかの軸をこれまで以上にしっかりと提示していきたいです。そのために重要なのが「戦略」と「型」をどう作って提供するかだと思っています。

小さい企業だと、リソースを割けないということが多いんですね。その障壁を下げて「プロモーションとしてアンケートを配信できるようにする」とか、「ノウハウをぎゅっと凝縮した『型』にして使いやすくする」などの「戦略」をしっかり引ける仕組みを提供していきたいと思っています。

机上戦略のお話もしましたが、「戦略」を理解した人が動かないと何も変わらないいうことを、多様な事業を見てきて感じました。一緒に実行してくれる「仲間」の部分も提供していきたいですし、彼らの「頼れる根拠」を作り、実行という段階での「型」として提示することで、必要としてくれる企業側に橋渡ししたいです。

正社員にこだわらず、フリーランスや副業のチームでも、必要とする要素のプロフェッショナルが集まって伸びている企業はたくさんあります。彼らを活かすのに阻害しているは、やはり「頼るための信頼」の部分だと思っています。そこを獲得するためのスケールを養い「仲間」の質を上げながら、会社としても拡大していきたいです。

編集後記・まとめ

以上、山中さんのインタビューでした。
話し方や雰囲気はとても柔和な山中さん。実際にお話を伺ってみると、知識ゼロからとことん学び、目標を達成するための粘り強さや分析力、頑張る人を応援したい!という情熱を持ったパワフルな女性でした。

「自分のキャラクターを活かす」という山中さん流の戦略も、皆さんの指標になるのではないでしょうか。マーケティングに興味のある方、また人との関わり方に悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてくだいね。

ありがとうございました!

::::::::::::::::::::::
各種SNSでも情報発信しています!是非フォローお願いします。
■公式LINEはこちら
■YouTubeはこちら
■Instagramはこちら
::::::::::::::::::::::


いつも読んでくださりありがとうございます! 今後も女性のキャリアを応援できるような企画を考えています!よろしければフォローして頂けると嬉しいです♩