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海外移住失敗を移住国のせいにするのはヤメて!

海外に行って自分の力を試す。
これは実に素晴らしい取り組みです。
失敗しても、成功してもそれは次の挑戦の糧になります。

ただし、それは挑戦に対する努力が出来ていて、なおかつ失敗の原因もわかっている場合の話。悲しいかな海外経験系ではこの「正しい失敗」をせずに移住先の国をディスり続ける人に多く会います。

そんな人にならずに正しく失敗を糧にしようぜという話を今日はします。

欧州は俺を裏切った

欧米は異文化に寛容だって信じていたけど、そんなの嘘っぱちだよ!仕事も全く手に入らなくて、友達もできない。というかヨーロッパ人って時間にルーズすぎて耐えられないよ。二度とこんな国には帰ってこないよ。この国にワーホリで来たのは全て間違いだった!

そうかぁ…?

恨み事を言っているのは私のネットゲーム友達です。彼はヨーロッパ某国にワーホリビザで渡航していたのですが、想像していたキラキラ生活とは別物の現実に精神をやられ、愚痴製造機になってしまいました。

1分で3-5個の愚痴を製造できます。

結果、彼の海外生活は1年でリタイアして日本に戻るということに...

この彼のケース、実によくある海外生活終了パターンです。典型的な他責思考に陥って、実態以上にその国のことを批判するようになるのです。

精神を保つために多少の他責思考はあってもいいと思います。しかし、だからといってその国の事を実態以上にけなすというのはちょっと違うと思うのです。

ですので、私が彼に伝えられなかったこと。つまり、彼がいったい何を考い違いしていたかについて伝えたいと思います。

悪いのはヨーロッパですか?


美しい街並みだからって、天国とは限らんぞ。

第一に彼は自分が長く移住できなかったのは、受け入れ側であるヨーロッパの環境に問題があるとしていました。これはお門違いです。

俺、大卒だし、役に立てる仕事があると思うんだよ。それにエリートになりたいなんて言ってないんだ。普通の仕事がほしいんだ。『普通に』郊外に住んで、『普通に』ちょっとだけ貯金ができればもう幸せなんだよ!なのに、仕事は飲食店でウェイターしかできない。こんな国に可能性はないよ!

「普通」という悪魔のワードが飛び出す

現地人の暮らしができるのは普通じゃない


こんなん暮らししてる移民なかなかおらへんで・・・

彼は多くを求めてヨーロッパに行ったわけではないと言い続けていました。ただ、「普通の生活」がしたかっただけだと。

しかし、移民が「現地人と同じ普通の暮らし」を求める時点で相当多く求めています。

そもそも「普通の暮らし」の定義が曖昧過ぎです。

その人がいいところのお坊ちゃんなら、東京23区内に一戸建てを買うのが普通の暮らしになってるかもしれませんし、市営住宅で暮らすのが普通の人生かもしれません。普通の生活という言葉の定義がそれほど曖昧なのですから、普通の生活がしたいなんて言葉は目標設定していないに等しいです。

そしてすでに彼の認識の「普通」と欧州の多くの若者の生活の「普通」には乖離が生じていました。

彼は「郊外に住んで貯金がしたい」と言いますが欧州の若者の多くは30代頃までシェアハウスで赤の他人と暮らすか、両親の実家に住み続けています。だから彼が求めていた「普通」は現地人の普通どころではなく、現地人にとっても豊かな生活を求めていたのです。

それはいくらなんでも実現しようとするのは移民には難しいです。

欧州は寛容=移民が裕福でいられる じゃない


優秀or金持ち以外外国人の扱いはどこでも酷いです

彼はこうも言っていました。欧州は寛容だと思っていたけどそうではなかったと。文脈から判断するに、自分が異文化出身の人間だから仕事が得られなかった。と判断しました。これも認識がずれています。

欧州が異文化の人に寛容なのは事実だと思います。日本よりも少なくとも寛容です。差別などをなくそうという運動もしています。しかしそれは「存在することが許される」という話で、この人が裕福で自己実現できることを確約はしてません。

当たり前ですが努力はしないと駄目ですし、現地人より努力しない移民が社会に必要されるわけないんです。

逆に日本に来て、日本語がカタコトの外国人の人が「いい生活をさせないならこの国は差別国家だ!」とか言ったらその人も激怒するでしょう。相手の立場になってみるのが大事です。

この国に可能性はないと断定するほど情報収集したか?

最後に彼はこの国に可能性はない、と断言していましたがそれは事実でしょうか?

違います。彼に可能性がなかっただけです。

例えば内戦中のイエメンで可能性を見出すのはそれこそ無理だと思います。ですが、彼がいたのは先進国です。ヨーロッパです。可能性はあります。

ただしそれはもちろん楽に掴める可能性ではなく、実際には下のことくらいの努力は必要になります。

  • 現地語と英語の能力を少なくともB2レベルくらいにはする

  • 理系で実践的(金属加工とかプログラミング)とかの技術を専攻する

  • 日本で理系の学問を学んでいなかったなら現地の大学に入学し直す

  • 就職イベントに顔を出しまくり、何百社と履歴書を出して面接に挑む

「移民を夢見てる」人が見れば絶望するレベルですが、これが本気で移民する人たちが想定している努力のレベルです。ここまで至ってないのに、その国を否定するのはやっぱり良くないことだと思うんですよね。

「日本は地獄だよ」もまた嘘…であり真実

正直な話、上記のマジ指摘を彼にはできませんでした。ただでさえ鬱々としている彼に私があんなマジレスをしたら、欧州の線路のどこかで人身事故が起きていたでしょう。

だからそんなことは言わなかったのですが、正直移民先の国を自分の都合で悪く言うのだけは良くないことだと伝えました。なぜならその国の住民がいい気持ちしないからです。

実際彼とは真逆で日本にやってきた外国人達の中にも永遠と愚痴を吐き続けている人たちはいます。

「日本は地獄労働国家だよ」
「私が日本移住を勧めない3つの理由」
「日本の会社はやっぱりクソだった!」

リンクの動画は中立性を感じますが…

こんな動画がYoutubeでも人気になっているのですが、日本で働いている私からすれば彼らの知識は本当に薄いです。実際、日本のホワイト企業と呼ばれる大手企業で働いたことがある人はほとんどおらず、ブラックそうな中小企業の経験を日本社会全体に当てはめて批判するのはフェイクニュースだろと思ってしまうのです。

日本は地獄だったのでしょう。でもそれはあなたにとって地獄だったのであって、みんなにとっての地獄じゃない。誤解させるような事を言うのはやめてください。と私は思っているわけです。

失敗を糧にしたいなら向き合おう

最初にも言いましたが失敗することは全然問題ないと思います。でも糧にしたいなら自分の失敗に向き合わないといけません。そのためには一旦他責思考を自責思考にしてみないといけないんじゃないでしょうか。

そこで参考に紹介したいのがこの大学生Youtuberの動画です。
彼はアメリカ就職も考えて米国の大学に留学したのですが、その大学留学を諦めた事を動画で説明していました。その理由と自己分析が素晴らしかったのです。

彼はアメリカで就職したかった理由として最初このようなことを考えていたようです。

  • 見栄を気にしていた(米国で働いたらかっこいいと思っていた)

  • 給料がより高いから

  • 日本の会社はすべてブラックで、アメリカの会社はホワイトだと思っていた。

しかし、彼は壁にぶち当たった結果、自分が見栄でアメリカで働きたいと思っていたことを認め、そしてアメリカの会社がすべてホワイトで日本企業がブラックなんてことはあまりにも現実を歪めて理解していたと動画内で反省していました。

彼の姿勢こそ素晴らしい失敗を糧にした例だと思いますし、もはや失敗ではなく成功するためのステップでしかないと感じています。

海外移住に明確な「成功」なんてものはないです。だから日本に帰るのだって悪くありません。でも、帰る時に他者を悪く言ってその場から去るのは自分にも相手国にもよくありません。

だからもし、私が出会った彼のような人に出会ったらこの記事をさっと見せてくれればと思います。

…友人関係はぶっ壊れるかもしれませんが。

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