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Kog #5

 連休。今日は午後から天気が崩れる予報だったので、マウンテンバイクにまたがり九時前に家を出て、多摩湖サイクリングロードを経由して、狭山湖近辺の砂利道を走ってきて、午後二時前に家に帰ってきた。トータル三十八キロ。

 外出自粛を要請されている昨今、不要不急の外出、というものに対する風当たりが厳しい。私がそれでも自転車に乗るのは、国の要請など知ったことか、といった反抗心でも何でもなく、国の要請を理解した上で、自分なりにそれを遵守した形で行動している。

 昨晩、総理の会見があり、外出についても語っていた。要約して事実と異なるといけないので、長くなるが、発言のままを引用する。
 「外出、それ自体が悪いわけではありません。人との距離を十分に保ち、マスクを着用する。そうした予防対策を講じながら、外出できる。そうした日常を専門家の皆さんのアドバイスと共に、取り戻して参ります。もう一度言いますと、外出、それ自体は全く悪い訳ではないということであります。三つの密を避けることを大前提に、新たな日常を国民の皆さんと共に、作り上げていく。五月はその、出口に向かって、真っ直ぐに進んでいく一ヶ月です。」
 外出自粛と言いながら、このような玉虫色の言い方をしてしまうのが、現政権の非常に良くないところではあるが、それはさておき。ここでも言われている通り、マスクを着用し、密を避ける。それを大前提として、人との接触を八割減らす、というのが、国もしくは自治体の長が、現在我々に要請していることである。
 それに照らし合わせると、私の場合、まず三月の終わりからテレワークとなっているため、通勤電車にも乗らず、会社の人達とも直接は顔を合わせていない。出社していた時の昼食は、オフィスビルのエントランスフロアに立ち並ぶお弁当屋さんの人混みに紛れ、列に並びながら毎日お弁当を買っていたが、それもずっと在宅勤務となった事により、なくなった。これだけで自分の場合、九割は人との接触が減っているようなものである。平日などは、部屋から一歩も出ずに終わる日すらある。
 この私が、もし週末、スーパーに買い出しに行ったとして、人によっては「不要不急の外出を」という風に思われても、仕方ない。その人の価値基準ではそうなのだから、それについては何も言い返す気はない。確かに、スーパーの買い出しなどは、なんとすればAmazonやら、ネットの注文で事足りるかも知れない。もし私がそれをやったら、人との接触は十割減らすことが出来るだろう。しかし、そこまでの自粛は、誰一人求められていないのである。
 なので、休日はせめて、私はサイクリングに出かける。ヘルメットにサングラス、マスクも勿論着用の上で、一人でソロライドする。行きに飲み物を買うときは、自動販売機で買う。完全に人気のないところに行かない限り、マスクは外さない。人混みはとにかく避ける。人混みに近づかざるを得ないときは、とにかく速やかに通過する。そして帰りに、買い物をして帰る。

 自粛要請の中で、自転車についてはさらにグループライドを避けて二人まで、という基準が示されていたと思う。保護者の同伴が必要な子供や、一人だと危ない老夫婦など、補佐的な存在を考慮しての二人、という基準と思われ、カップルでサイクリングを推奨、という意味では、恐らくない。
 だが、自転車に乗って外に出れば、カップルは勿論、家族総出、なんなら親子三世帯でサイクリングしている人たち、そして自転車のみならず、ランナーにも多いが、マスクを全く着用していない人たち、そういう人たちは沢山見かける。そういう人たちは、そういう価値基準の持ち主なので、他人である私にはどうすることも出来ないし、そもそもどうこうする資格がない。私には見えていない何らかの事情もあるのかもしれない。だから私に出来るのは、自分なりに国の要請基準をしっかり守った上で、なるべく他人と関わらないように、人気のないところに行くしかない。
 勿論これは、私個人の基準であって、このスタンスこそが大正解だ、などとは全く思っていない。先にも書いた通り、国の要請事項は若干曖昧で、だからこそ、国が示すより厳しい基準で行動する人がいたとしても、理解できる。
 何より、私がこの基準を満たせているのは、会社がテレワークを許可してくれたこと(しかも、今の私の勤務地は自社内ではなく契約先の会社で、そちらが協力会社である私たちにもテレワークを許可してくれたことには感謝しかない)が非常に大きく、国は、八割減がまだ達成できていない、と言っているが、だとすればもっと、企業のトップに対して働きかけて頂きたいものである。まあ、それだけは出来ない政権でありますが。
 などと、大変真面目な話になってしまったので、次回は不真面目にやります。バランス大事。

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