東京都議会選挙2021会派アンケート①「学校復帰を前提としない不登校支援政策の東京都における現状認識と今後の政策について」
2017年に「普通教育機会確保法」が施行され、学校復帰を前提としない不登校政策が全国で始まっています。同時に、私たちフリースクールなどのような、学校外の学びの重要性が認められ、行政と民間フリースクール等の公民連携も進みつつあります。
そのような中、私たち東京都フリースクール等ネットワークでは、東京都議会選挙に先立ち、東京都議会に属している各会派に対して「不登校支援及び子どもの学びの場の選択」に関してのご認識と政策についてアンケートを行いました。
※封書にてアンケートのご依頼をさせていただいたため、東京都のサイトで公開されている会派のうち、事務所住所などが公開になっている9団体に対してアンケートの依頼を実施し、7団体から回答をいただきました。
各会派の皆さんがどのような現状認識をもって、どのような政策に取り組んでいるのかを知る機会となりました。ご協力くださった各会派の皆さまありがとうございます。
今回は、学校復帰を前提としない不登校支援政策の東京都における現状認識と今後の政策についてのアンケート回答となります。ぜひご一読いただき、都議選に向けて参考にしていただけましたら幸いです。
【質問】学校復帰を前提としない不登校支援政策の東京都における現状認識と今後の政策について
①義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律を受け、令和元年10月25日文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」に基づき、学校復帰を前提としない不登校支援政策が進められていますが、東京都における現状認識と今後の政策について200字程度でご回答ください。
【回答】都民ファーストの会 東京都議団
東京都では、冊子「不登校の子供たちへの支援のポイント」の作成、東京都学校・フリースクール等協議会の開催等を実施していると認識。今後、一人一人が居場所を確保し、能力を伸ばし,自立的に生きる基礎を養うことが必要。学業の遅れや進路選択上の不利益等のリスクを軽減するためのフリースクール等の学びの場や情報機器整備、スクールカウンセラー等との連携協力、復帰を希望する子どもへの学校側の受入体制等の整備を推進して参ります。
【回答】東京都議会自由民主党
不登校児童生徒に対する支援を強化するため、教育支援センター(適応指導教室)へのスクールカウンセラーの配置などによる機能強化や設置促進を行うとともに、不登校の子供に配慮した特別の教育課程を編成する学校の全国展開や学校外で学ぶ子供たちへの支援、夜間中学の設置促進と就学希望者への積極的支援、教育支援センターや不登校特例校との連携強化などの施策を一体的に推進すべきです。
【回答】都議会公明党
都では、区市町村に不登校の子どもたちの支援施設として教育支援センターが設置されており、無償の教育の機会としても、学校に登校するという結果のみを目標とせずに子どもたちの状況に応じた支援を行える場としても重要です。さらに子どもたちの実態に配慮した「不登校特例校」の設置も、都が積極的に支援し、フリースクールとの連携も進めています。本年3月に都議会公明党の要請により都教委が作成した冊子「不登校の子供への支援のポイント」も活用し、こうした支援への理解を深めていきたい。
【回答】日本共産党東京都議会議員団
不登校支援について、都教委が「登校支援シート」を作成するとしていることや、不登校の要因を心の問題、本人の問題と捉える傾向について、問題点を指摘してきました。学校に登校することのみを目標にするのでなく、子どもたちが社会的に自立していけるよう、関係機関と連携しながら支援することは重要だと考えます。
同時に、不登校が増え続けているのは重大な問題で、教育政策を改善し、学校が子どもたちにとって行きたいと思える場になるようにする必要があると考えています。
【回答】東京都議会立憲民主党
立憲民主党は、「NPOなど民間団体との連携を推進しながら、交流の場や居場所づくりの展開を図り、学習支援や就労支援、進路相談、生活相談などの多様な支援」「学習環境の整備や不登校特例校の設置などに取り組む区市町村への支援」を政策に掲げており、フリースクール等と東京都の連携、東京都からフリースクール等への助成に取り組んでいます。
学校現場では、登校の働きかけに終始する不登校対策ではなく、フリースクール等の多様な選択肢を前提としつつ、悩み相談や支援、いじめ等の問題対応などを徹底することが必要と認識しています。
【回答】都議会生活者ネットワーク
文科省の通知を受け、都教育委員会は、これまでの適応指導教室を「教育支援センター」に変更し、学校復帰を前提としない支援を始めたとしています。しかし現場に認識は広がらず、現実の変化は見えません。地域の学校を子供達の人権と個性を大切にできる場に変えていくことが重要であり、東京都にはこの視点が全く欠如しています。インクルーシブ教育の実現も含め、子どもが自分らしく過ごせる学校づくりへの努力を求めていきます。
【回答】東京維新の会
不登校児童生徒数は高い水準であり、東京都でもいくつかの自治体が不登校特例校を設置をしている現状で、今後さらに増えてくると思われる。学校に登校させるということを目標とするのではなく、子ども達一人一人が自分の「居場所」を見つけられることが大切であると考える。
【予告】次回アンケート公開内容
次回は「フリースクールなどの多様な学びを子どもたちが選択することに関する認識について」の回答をご紹介します。
また、東京都フリースクール等ネットワークの設立経緯などは下記の記事をご覧くださいませ。
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