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民藝がおしえてくれた

東京目黒区の閑静で優雅な住宅街の中にある
日本民藝館が、改修されたと聞き訪れた。

最初に、建物の正面が凄い。
伝承される漆喰の技であるなまこ壁の外壁にまず溜息がでる。

昭和の初めごろ(1930年代)の建物は大好きだ。

日本民藝館が建てられた昭和の初め頃の建築物は、日本建築の風情の中に、洋館のエレガントさが加わって、独特の建物が多く、私の好きなもののひとつで、ついつい柱とか天井の角とかを見つめてしまうのである。

★日本民藝館と同じ時代に作られた私が好きな建物
➡有形文化財 朝倉彫塑館 
➡重要文化財としての 日本橋高島屋
➡文化遺産 築地本願寺

民藝は、「民衆的工芸品」の略だけれど、現在の庶民のものとははるかに異なる。知れば知るほど美しく装飾的かつ合理的な形なのだ。

民藝を知るきっかけ

民藝の流れとは知らなかったのだだけど、
そもそも、益子焼や瀬戸焼が好きだった。
情報や知識が集まり、どんどん深みにはまる(笑)
昔は民衆の物だったかもしれないが現代では貴重で高価なので
少しずつ、吟味して集めている。

もっと昔、その展示物は、平安や江戸時代に使われていた生活の道具であって美術品ではなかった。それに「美しいものとしての価値」を付けたのが民芸運動であったそうだ。

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民藝の道具たちが教えてくれた事

そこに展示されているものは、職人の熟練された手によって形作られた。
こうしたら使い安いだろう、ここをこうしたら格好良く美しく見えるだろうと、心配りをされながら時間をかけて作られたに違いない。

そして、実際に日常で使われながらも、大切に扱われそれはそれは丁寧に手入れされ、時には修理されて、親から子に引き継がれて来たものだ。

長い年月をかけて、いるもの・いらないものと断捨離される時には、「これは大事な物」と、残された側ばかりが集められているような気がした。

東京のど真ん中で、関東大震災も戦争でも守られて来たのだ。
選ばれし物として誇らしく、凛としたたたずまいが
私の憂さ憂さとした気持ちを整えてくれた。

淡々と過ごす日常の中で
できる事を出来る範囲で
一生懸命丁寧にやっていけば
何も慌てることはないんだよ。

と、教わった気がした。

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